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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

店主不在

2019-11-04 | 実生活

私事ですが、銀座伊東屋で開催されるシステム手帳サロンを見に行くことが主な目的ですが、来週は東京のお店巡りをしてきます。11/14(木)は私は不在にしておりますので、お気をつけ下さい。

今年は店を不在にすることが多かった。少しずつですが私が不在でも店は、オペレーションとしても売り上げも普通に回って行くようになるのではないかと思っている。

私の理想は私がいなくても店に全く影響がないということで、お客様になるべく迷惑を掛けたり、我慢させるようなことがないようにしながら、それを目指して様々な画策をしています。

そうなるためには、まだ少し時間がかかるのかもしれないけれど、11/23(土)24(日)に開催される神戸ペンショーもスタッフKとM、そしてかなじともこさんをお招きした3人で当店ブースでお客様の対応をいたします。

ペンショーのような華やかな場所に行けないのは残念だけど、ペンショーから当店に来て下さるお客様も多く、店を営業することにしていますので仕方ない。私は店番をしています。

スタッフM(森脇直樹)はペン先調整士としてデビユーの日になります。

若い彼にペン先調整を依頼されるのは不安に思われるかもしれないですが、入社以来数多くの万年筆のペン先を見てきて、経験も積んでいます。調整を依頼される万年筆の不満な点、要望をどんどんお伝えいただければ解消できると思います。

神戸ペンショーには、万年筆と万年筆関連品、システム手帳、オリジナルダイアリーを中心に持って行きます。

年末近くになっていますので、来年の手帳について考えておられると思いますが、当店にダイアリー、システム手帳を見てから決めていただきたいと思っています。


東京インターナショナルペンショーが終わって

2019-10-11 | 実生活

浅草で開催された東京インターナショナルペンショーに参加していた。

イベント事、他店との関わりがないと多くの人に思われている当店としては異例のことだと思われているかもしれません。

しかし、ないように見えて、他店とのやり取りが当店にも少なからずあって、東京インターナショナルペンショーへの参加もそんな今までの繋がりから実現したものでした。

人付き合いが悪い私と他店とを結びつけたのは、名古屋の万年筆店ペンランドカフェの前のオーナー高木雅且さんでした。

強引な高木さんのおかげで当店は孤立することなく、何かあれば声を掛けてもらえている。

今は万年筆の世界から完全に身を引いておられて、ご自分で見つけた人の役に立つ活動をしておられる。すごい人だと思う。

東京インターナショナルペンショーは東京という場所、その規模の大きさ、注目度から、来年も参加したいと思っているけれど、このイベントでもっと来場される方の心をつかめるようにしたいと思っている。

当店は万年筆店というよりもステーショナリーセレクトショップなので、陳列商品がどうしても多くなります。

他のお店はもっと的を絞った商品構成にしているのでスッキリと分かりやすい。

その辺りを何とかしたいと思いましたし、当店でしか買えない商品の開発も強化しないといけないと改めて思いました。

課題は残ったけれど、東京インターナショナルペンショーはお祭りで、お祭り騒ぎは好きではないけれど、こういうお祭りなら参加してもいいと思っている。

来年は11月7日、8日に浜松町で開催されるようですが、きっと当店はその中にいるだろう。

ペンショーの後片付けをして、スタッフや手伝いに来てくれた関東にお住まいのお客様、工房楔の永田さんと夜の浅草を歩きながら、今年のペンショーが終わったことと、せっかく馴染みはじめたこの街に来年は来ないと思うと少し寂しい気持ちになりました。

 


創業12周年

2019-09-23 | 実生活

今日当店は創業12周年を迎えました。

9月23日は万年筆の日ですが、当時それも知らずにスケジュールの都合が合って、たまたまオープンの日として選んだ日だったので、お客様に言われて驚きました。

そんなふうにこの店ははじめから幸運に恵まれていました。

当時のことを昨日のことのように思い出すと言って下さるお客様がおられますが、私としては早く忘れて欲しいと思っています。
品数が少なく、何も特長がない、お客様がこの店を続かせてあげようと思わない限りすぐに倒れてしまいそうな店でした。
それは今も変わっていなくて情けないけれど、店というのはその店を良いから続いて欲しいと思って下さるお客様が買って下さるから続くものなのです。

創業当時も今も書くことは楽しいということを伝えたいという想いは変っていないけれど、当時の自分は考え過ぎていたし、何も知らなかったと分かっています。
今も何も知らないことには変わりないけれど,シンプルに自分のやりたいと思っていることを好きだと思うやり方ですればいいと思うようになっています。

それは38歳だった青年が、50歳のいい齢になって厚かましくなったからかもしれないし、個人経営の店は結局そうでないと存在意義がないということに気付いたからかもしれません。
チェーン店や大きな店と違って、個人の店は店主の生き様がその店に表れていて、それも魅力のひとつだと思います。
店の仕事でお金を得て生活していて、でもそれだけでなく夢やロマンを追い求めている。それが見えない個人店はただの不便で品数の少ない店になってしまう。
当店も、そんな個人店でありたいと思っています。
だからいくら儲かると言われてもやりたくないと思うことはやらない。でも私の場合、自分がやりたくないと思うことを上手く結果が出るようにできる能力がないこともあるけれど。

最近は店は孤独だと思って仕事しています。
横のつながりを持って、協力して大きなことをする時代なのかもしれませんので、それに逆行する考え方だとは思っています。
集まることは悪いことではないし、仲の良い人は多い方がいいに決まっている。
横のつながりは持つべきだとは思いますので、イベントなどにできるだけ参加するようにはしています。

でも自店だけでもお客様を集められるようになりたい。自店だけで行動を起こせないといけないと思います。
偉そうなことを言いながら、当店にはまだまだ力がなく、頼りないですがしっかりと立っていられる店になっていきたいと思っています。

 

 

 


革表紙のメモ

2019-09-10 | 実生活

革表紙のメモ 本体5400円(税別) 替紙440円(税別)


Writing Lab.のブログ「旅の扉」を今月末で閉鎖します。
Writing Lab.の中心メンバーの一人駒村さんが抜けてからしばらく、Sトー氏を加えて続けていて好評いただいておりましたが、昨年末終了を宣言して、1年近く経ちましたので、潮時だと思いました。

もう6,7年経つかもしれない。
京都のインディアンジュエリーショップリバーメールの駒村さんと知り合って、一緒にいろんなステーショナリーを企画して、双方の店で売っていました。

その時の売れ筋商品にサマーオイルメモノートという商品がありました。
私が自分で革を切ってメモ帳の表紙にしていたものを駒村さんが商品化しようと言い出して実現したものですが、結局こういうメモ帳が一番使いやすいと思っていた。
そのサマーオイルメモノートを「革表紙のメモ」として、また作りました。

台革は厚いサマーオイル革のままですが、表紙の素材を使い込むと艶が出て、色変化する、そして香りの良い革ミネルヴァボックスに変更しています。
中紙は、切り取り用のミシン目を入れました。それもかなり細かいマイクロミシン加工をして気持ち良く切り取れるようにしました。200枚の紙は天のりでまとめて、好きな厚さに割って使えるようにしています。
紙は当店の試筆紙と同じ紙の一番手薄いものにして書き味も良い。


当時できなかったことが、大和出版印刷の川崎さんの仲介で知った村井製本所さんの技術で実現した。

 

2店の協力関係も駒村さんの体調によって休止せざるを得なくなって、行き来が途絶えて、何年も経った。
あまりにも時間が経ってしまっていて、今さら再開しようという気分ではなかったけれど、駒村さんがどうしているか、どう思っているかは気になっていた。

今年になってリバーメールに別件で電話をしたら、いつも出る店長ではなく駒村さんが出た。
駒村さんは、インディアンジュエリーの仕事も順調で、元気に世界を飛び回っていることが分かった。
行き来がなくなって、連絡を絶ってから気になっていたけれど、あまりにも時間が経ってしまい、連絡し辛くなってしまったと素直に言った。

駒村さんが当店との仕事が嫌になって、私たちに見切りをつけたのではないかと半分思っていたので、悪い感情を残していなかったことが分かって嬉しかった。

きっとこれからも当店も、リバーメールもそれぞれの世界でやっていくのだと思うけれど、リバーメールが、駒村さんがどこかでがんばっていることは何となく励みになっていて、駒村さんが当店のことをどこかで聞いた時に、恥ずかしくないようにしたいと思っている。

 


仕事の旅

2019-09-01 | 実生活


出張販売でいつもと違う交通機関に乗ったり、違う場所に身を置くことは好きで、観光できるわけではないけれど、旅を味わっています。

店が続いていくには出張販売に出ることが必要だと本能的に思って、出張販売に出るようになりましたが、仕事と旅を組み合わせたいとずっと思っていました。
こういう組み合わせ方になるとは9年前には思わなかったけれど、こうしたいという希望があって、それを想い続けると、自分の思考や行動がその方向に自然と向かい、わりと近い形になるのだと思います。

でも仕事で旅に出ることをやってみると、そう気楽なことばかりではなくて、旅費などの経費の他、店を留守にしていることなどを考えると、それに見合った成果を出して帰らないといけないプレッシャーがあります。

旅に出る前は気分が重くなるほどのプレッシャーだけど、怠け者の自分には多少の負荷は必要なのだと、自分で分かっています。


仕事は実験であり、店は実験室だと最近思います。

オリジナル商品を発売したら、お客様方がどう反応するか、どういう告知の仕方が効果があるのか、そして出張販売の成果はどうか、旅に出て自分が何を考えるか、そして長い年月を経て店がどう変化していくのかなど、すべての原因と作用、結果に興味が尽きず、店や自分の変化が面白いと思っています。
9月23日、当店は12周年を迎えますが、今の当店の姿や自分自身を当時想像できなかった。

自分や店の12年後の変化が分からなかったくらいなので、今の世の中もイメージできなくて当然です。
言葉では、世界は狭くなる、こちらがじっとしていても国際化の波に飲まれるとイメージしていたけれど、こんなに早く、一気に来るものだと思いませんでした。
気が付いたら、仕事において国境がなくなっていた。

そういった必要性もあって、来月一人で台湾に行くことにしました。
毎年台南で大きなペンショーが開催されていて、その視察に行くことが名目ですが、ほとんど台北に滞在して街やお店を見て来たいと思っています。

台湾は日本をお手本にして発展したのかもしれないけれど、商売の勢いとしては完全にリードされている。
台湾を見て勉強になったり、刺激を受けたいと思いました。

日本がアジアの先進国だった時代は10数年前に終って、今は精神的なお手本とならないといけない段階にきているような気がします。
日本に来られる方々は日本の文化や風土を良く思ってくれていて、それを味わうために来てくれる。
それに応えることができる品格を国家も人も身に付けていないときっと、誰からも相手にされなくなってしまうと思います。


50歳の心境

2019-08-11 | 実生活

変なことを言い出したと思われるかもしれない。

イメージで言うと、私たちの心か体の中には液体の入った小さなボトルがあって、ある年齢になると中の液体が揮発して、その年齢に合った気体を頭の中に充満させるようなことがあるのではないかと思うことがあります。それは本能というのかもしれないけれど。

そういうものがあるからこそ私たちは同じタイミングで、同じような心境になるのではないかと考えるようになりました。

それぞれの年齢の心境について、自分一人で考えて、言葉を発信しているうちは気づかないことだけど、同い年の友人と語り合うと、そのボトルに似たものがそれぞれの心の中にあることを知ります。

人によって、その心境について語る言葉の選択が違っているので、それが同じ心境だとはじめは分かりにくいかもしれないけれど、話しているうちに相手も同じことを考えていたのだと気付く。言葉というのは心の中にある漠然としたものを伝えるには向いていないから、気をつけないといけない。

私を最近満たしている心境は、お手本になりたいということです。

私たちは今まで生きてきて得たものを示して、見せていく年代なのだと思う。

人から何かをしてもらったり、与えてもらう時期は終わった。自分のことはちゃんと自分でしながら、人に何か示すことができたらと思う。

私には人に示すことができるものがあまりないけれど、若い人から見てああいう生き方も悪くないなと思ってもらえるようにしたいと思うようになりました。

あまり大した生き方ではないけれど、せめて自然体で、若い人からも学べる謙虚さを持っていたいと思う。

自分の仕事で一生生きていくには、何かを吸収し続けないといけないけれど、吸収の仕方が変わってきた。ただそのまま吸収することに興味がなくなった。自分に合ったものだけを吸収したいと思うようになった。

これから60歳、70歳となったとしたら、その時々でまた違った心境になるのかもしれない。

その齢年で、自分の心の中のボトルから揮発する気体に逆らわず、生きていきたいと思っています。


村井製本所を訪ねる

2019-08-02 | 実生活

同じ垂水区に住む大和出版印刷の川崎さんがウチの前まで車で迎えに来てくれて工場を訪問する大人の社会見学シリーズです。

普段見ることができない工場を見学することはものすごく有り難いことだけど、車の中や訪問後に神戸活性化のキーマンの一人である川崎さんと仕事について語り合うことはとてもいい時間になっています。
いつも店に籠っているので、他所で起きていること、新しい流れなどを知る機会にもなっています。

前回は新しいオリジナル商品の箔押しをして下さった神戸須川バインダリーさんを訪ねましたが、今回は穴あけをして下さる村井製本所さんを訪ねました。

神戸駅北側、裁判所のすぐ南という当店のすぐ近くにその製本会社さんはありました。

失礼な言い方かもしれないけれど、かなり古い建物3棟がその工場になっていて、中にこんなすごい機械が揃っているようにはとても見えませんでした。

70年この場所で操業されてきましたが、手狭になってきて今月和田岬の方へ引っ越しされる予定になっているそうです。

オリジナル商品が何なのか言ってしまうと、ミニ5穴のリフィルです。システム手帳のリフィルにとって穴空けは命とも言えます。

何をそんなに細かいことにこだわるのかと言われるくらいにこだわらないといけない部分ですが、私よりも村井広治社長がこだわってくれて、完璧なものを目指してやってくれていることが分かりました。アナの大きさ、ピッチ、位置のどれかが狂っていると使い物にならなくなる。その穴空けの位置などの最終確認が今回の工場訪問の目的はでもありました。

台車の上に積まれた用紙を挟んで、穴空けした試作をバインダーに綴じたりしながら、村井社長と話しました。

穴の位置決めが終わった後、村井社長に工場内を案内してもらいました。

製本会社さんは仕事の減少や、後継者問題などにより、すごい勢いで減っているそうですが、当店のこんなに近くに若い経営者によって積極的に設備投資して、操業されているところがあることで、何か明るい気持ちになれました。
お忙しい中邪魔して申し訳なかったけれど、村井広治社長は気持ち良く応対して下さって、嬉しかった。

今までオリジナル商品を作るのに工場を訪れることはあまりありませんでした。全てのものが自動的にできてくるとは思っていないけれど、ひとの手によって生み出されていることは承知しているけれど、実際に製作して下さっている人たちとお会いすることでこの商品への愛おしさが格別のものになっています。

オリジナル商品のミニ5穴リフィルは8月中には出来上がる予定です。


神戸須川バインダリーを訪ねる

2019-07-25 | 実生活

オリジナル商品は余程作る意味があって、その効果があると思われるものでないとなかなか形にしにくい。

今、大和出版印刷の川崎さんとともに進めているプロジェクトがあって、川崎さんの手配によって、そのオリジナル商品の店名ロゴの箔押しをしてくれる工場を訪ねて、作業に立ち会わせてもらいました。

今回のロゴの箔押しは、当店の世界観を表現する重要な部分だと思ってこだわっていましたので、川崎さんの計らいは嬉しかった。

神戸須川バインダリーさんは、製本の専門工場。事務室の本棚には今まで手掛けてきた革装丁した本の一部が飾られていました。
製本した本にタイトルなどを入れるために箔押しの技術を追究して、今では業界では有名な存在になったのかもません。
箔押しについて、須川真祐社長が説明して下さいました。

 

私たちが活版印刷で紙にめり込んだ文字の感じなどを良いように思いますが、それは箔押しで表現できることでした。
箔押しは、活版印刷のような失われつつある技術でも、昔懐かしいものでも何でもなく、今の技術です。
箔押しによって平面である紙の印刷物に立体感が生まれ、1つのモノとして生命が吹き込まれるような感じがしました。

丁寧に素人の私に説明してくれた須川社長が見せてくれた、過去の箔押しサンプルは、有名アパレルブランドのタグや、大ブランドのパッケージなどがありました。

世界中で知られているそれらの会社の仕事を魚崎浜にある家族経営のこの工場が、その腕を買われてしているのだと思うと、気分がよかった。箔押しでしかそれは表現することができなくて、神戸須川バインダリーさんでしかできない技術があって、皆それに期待してこの工場にたどり着くのだろう。

 

工場の中も案内していただいて、箔を重ねたり、1時間に2000枚の箔押しをすることのできる最新の箔押し機も動かして見せていただきましたが、従来のものでも1時間に1000枚の箔を押すことができる。
1分間に16枚だと考えるとそれもすごいことで、職人というのは本当にすごいと思います。

当店のオリジナル商品の箔もそうやって押されていましたし、ちょうどオリジナルダイアリーの製本もしているところでした。

 

今回工場にお邪魔させていただいたのは、商品の片隅に入れる店名ロゴについてこだわりがあったからで、それを実現するためには箔押ししかないと川崎さんが判断してくれて、実際の箔押しの色を見ながら決める必要があるということになりました。

商品にあまりはっきりと大きく店のロゴを入れたくない、薄っすらと小さく入っていればいいと考えて、それを川崎さんにお伝えしていました。

私の非常に感覚的な言い方だと実際に職人さんとやり取りしながらでないとラチが明かないと思ってくれたようでした。
いろいろ試して下さり、透明の箔をしていただくことになりました。

 

角度によってはキラッと光って,そこにロゴがあると分かる程度。とてもさりげなくて、言われたら分かる感じが気に入りました。
今まで箔押しのことを何も知りませんでした。もっと早く知っていればロゴの入れ方などいろいろこだわることができたのに勿体ない。

これからは箔押しを多用して、もっと面白いものを作っていきたいと思い、須川社長の飾らない温かい人柄に触れて、いい気分で魚崎浜の工場地帯を川崎さんの車で後にしました。

 

 


早めの休暇

2019-05-19 | 実生活

12年営業してきて、ゴールデンウィーク明けは割と店がヒマになることが分かっていましたので、夏の終わりにとっていた休暇を今年は早めにとりました。

休んだのは私だけで、店は営業していて、私が遊んでいる間も店は動いていると思えるのは、変わっていると思われるかもしれないけれど、安心感のようなものがありました。 不在にしても、店を任せることができるスタッフがいるからこういうことができる。

私の理想は私がいなくても店が変わらずに回っていくということなので、それに近付いた気がして嬉しかった。

休みの間、まず金沢に行きました。

行った先で良い時期に来ましたねと言われましたので ゴールデンウィークはきっとすごい人出だったのだと想像できました。 ブラブラ歩いたり、バスに乗ったりして観光名所を訪れたり、お店を訪ねて過ごしました。 やるべきことのない普段とは違う土地に身を置いて、のんびりした気分を味わうことができました。

 旅は、行き先がたくさんあるとなかなかのんびりすることができないので、あまり詰め込み過ぎない方がいいということに気付いたのは45過ぎてからかもしれません。 旅で訪れるような地方都市は観光地であることが多く、観光客で賑わっている。最近では外国人の観光客の方が多く感じられるようになりました。

 2000年代一桁くらいまでだろうか、私たちが若かった頃、壊滅状態だった日本の観光地は、外国人観光客のおかげで完全に息を吹き返している。 金沢も以前訪れた5年前とも違っていて、観光地区には活気がありました。

地方都市に行っていつも一番気になる物販、商店、特に商店街は観光と同じようには行っていないような気がします。 考えてみれば当然で、観光によって潤う店は土産物店か飲食店で、物販のお店が観光客によって賑わうことは考えにくい。 観光によって潤った地元の人が、地元商店での購入額が増えるという間接的な効果はあるかもしれないけれど、その効果が表れるには時間がかかりますし、地方の商店街が衰退したのには様々な理由があると思いますので、地方の商店街などに活気を戻すのは難しい。 でも行く先々で寂れた商店街を見るのは辛い。

私たちは公立の観光地ではないので、採算を取らなくては生きていくことができない。今日お客様に来てもらわないと困るけれど、10年後にもお客様に来てもらわないといけない。 日本の多くの商店街がなぜ廃れていったのか、ひとつずつ考えることは、自分の店が長く続くことにつながるのか分からないけれど、考えずにはいられません。

 深刻ぶった内容になってしまったけれど、金沢からの帰り珍しくサンダーバードのグリーン車に乗って、寝てしまうのはもったいないと、ワクワクしながら帰ってきました。


素地

2019-05-03 | 実生活

 

どんなものでもそうだと思いますが、万年筆をたくさんの人に使ってもらおうと思っても、勧める相手に万年筆を受け容れる素地がないとそれは難しいと思います。

素地というのは、万年筆を面白いと思って、それを自分の暮らしに取り入れたいと思う心です。
素地のある人は万年筆を使いたいと思うから仕事や普段の暮らしの中で万年筆を使うようにする。

私たちの普段の生活において、万年筆を使おうと思ったら、いくらでも使うことはできると思っています。
「そんな書く仕事はしていない」「字が上手くないので万年筆などもったいない」とそれを使わない理由をあげることはできるけれど、使いたいと思って使おうとする人もいる。

自分はたくさんの人に万年筆を使ってもらいたいと思っているけれど、ある時から万年筆を使う素地があるのに、万年筆に出会えていない人が万年筆に出会えるようにしたいと思い始めました。

 

長く、万年筆を使う人を見てきました。

誰もが仕事の中で万年筆をどんどん使うというわけではない。
書くことが好きだという共通点はもちろんあるけれど、皆さん自分の仕事や暮らしを良くしたいという願望以上のものである向上心のようなものを持っている人たちなのだと最近思い当たりました。

それは何かを探して本を読むことに近いのかもしれないけれど、万年筆を使うことで、何か答えのようなものを見つけたいと思う。

万年筆を使うだけで、何か自分が求めている答えにたどりつけるはずがないと言う方もおられるかもしれない。
でも、何かを考える時に万年筆のキャップをあけて書き始める方が、コンピューターを立ち上げるよりもオリジナリティのあるアイデアにたどりつけることは私にも分かってきた。

オリジナリティとは、自分の頭で考えたこと。自分の求めている答えとは、自分のモヤモヤしたいろんな考えを統一して、ストンと頭の中のあるべきところに落としてくれるキーワードのようなものだと思います。そして、それらのアイデアや考えは自分独自のものでないと上手くいかない。

それらを探すのに、書くという行為が最も適しているのだと思います。
ボールペンは書き味が少し重くて、考えることを滞りなくさせてくれないし、シャープペンシルや鉛筆はいい線まで行っているけれど、ノックしたり、削ることが考えることを滞らせる。

考えを生み出すために書くということに最も適しているのが万年筆で、その考えを求めている人が万年筆に惹かれる素地を持っているのかもしれないと思っています。