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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

顔の見える仕事

2008-08-16 | お店からのお知らせ

最近、偶然にも自動車メーカーのマツダの方とお会いしたり、お便りを交換したりすることが多く、マツダという会社を身近に感じていましたし、神話になっていると言っていいイノベーションによる業績回復は好きな話のひとつでした。
当店で知り合ったマツダのK氏は、私がマツダに興味があると言うとRX-8とアテンザのカタログを持ってきてくれましたし、
先日お話したある方の話を聞いて、マツダの人たちは車作りがおもしろくて仕方なく、まるで遊んでいるかのように楽しんで仕事をしているというイメージを持ちました。
完璧なマーケティングやトレンドの把握により、効率的なラインで売れる車作りをしているメーカーもあり、それは会社としてすごいと思いますが、どうせ乗るなら楽しみながら作られた車、車作りが好きな人たちの顔の見える車に乗りたいと思いました。

それを万年筆に当てはめてみた時、アウロラが頭に浮かびました。
大きな万年筆メーカーやブランド品のほとんどがどこで作っているのか分からず、小さなメーカーの万年筆は、最も大切なペン先、ペン芯も他社と共通のパーツが多く、作っているのはボディのみといった状況です。
他の専業メーカーにパーツを依頼して作ってもらったほうが、効率が良く、人件費の負担も少なくて済みますので、最近の効率化の流れから、そうなってしまうのかもしれませんが、少し寂しい気がします。
しかし、アウロラは全てのパーツの自社生産にこだわり、万年筆の一貫生産を実行
している、まさに作り手の顔が見える万年筆メーカーです。
規模は大きくもなく、小さくもない、中堅メーカーだからこそ、そのようなことが可能で、他にそのようなことを実践しているのは、日本の万年筆メーカー3社しかありませんので、アウロラがいかに希少なペンのトータル生産のメーカーか分かると思います。
ボディのバリエーションなどは少ないですし、あまり冒険をするメーカーではありませんが、アウロラの万年筆を他のメーカーのものと比べてみると、デザイン、機構、書き味など全てにおいて、その独特さに気付きます。
そして何より、アウロラが信じる機能性と美しさがそれらのペンにあります。
そのペンがイタリアで作られていること、大切な部分を人任せにせずに作っていることを想うと、アウロラの魅力をさらに感じていただけると思います。
https://www.p-n-m.net/contents/products/FP0029.html



デルタ ドルチェビータ

2008-08-12 | お店からのお知らせ
アルファロメオは直感的な車で、そのデザインは理論や理由ではなく、ただかっこいいと思える車のひとつだと思います。
乗っている人によると,その魅力は走って、止まって、曲がるのが楽しいとのことで、それもやはり直感的です。
それに対して、マセラティは芸術的なスタイリングに考え得る限りの最高のものを投入して最高の車に仕上げています。
私は車に詳しい方ではありませんが、そう大きく外れていないと思います。
そのイタリアの名門自動車メーカーのあり方はイタリアの万年筆メーカーに言い換えるとデルタ、ビスコンティの存在によく似ています。鮮烈なオレンジ色が代表的なデルタのペンは、その色合い、デザインともに直感的で、理由なく惹かれてしまいます。
ビスコンティはそのデザインも非常に緻密に計算されたもので、機構的なアイデアとともに考え抜かれた芸術的なものだと思います。
芸術的に考え抜かれたものにも魅力を感じますが、直感とセンスで今まで普通に存在していたものを上手く作り直して、他のメーカーを悔しがらせたドルチェビータが登場した時、非常に痛快に思ったことを思い出します。
それまでルグドナム、フェリーニ、コロッセウム、イスラエルなど歴史的で、どちらかというと高尚な題材をペンに仕立ててきましたが、理屈抜きにかっこいいドルチェビータの存在によって、デルタというメーカーの印象が一変しました。
万年筆には、ペン選びにおいて外して考えることのできない定番的なものがありますが、ドルチェビータは新しく生まれた万年筆でありながら、その定番の地位を得ていると思っています。
モンブラン、ペリカンなどとともに、理屈抜きにかっこいいドルチェビータもぜひ、選択肢に入れてください。
https://www.p-n-m.net/contents/products/FP0034.html

オリジナル銘木ブロッター

2008-08-06 | お店からのお知らせ

文房具の定番で、当たり前に使われているものでも、もっといいものを使いたいのに、普及品を我慢して使っている人が結構おられることは何となく分かっていました。
他の全てのものにおいて、こだわったものを使っているのに、文具になるとこだわりを反映できるものがないと思っておられる方は多いのではないでしょうか。
たまに値段の高い素材に凝ったものがあっても、単に豪華なものであったり、小物としておもしろいものは実用性が損なわれていたりしていましたので、使い込んでいく楽しみとは縁遠いものでした。
インクブロッターは、吸取り器とか吸取りスタンプとか言ったりして、事務用品でも昔からあります。
インクがヌラヌラとたくさん出る万年筆を使う人や、インクの吸収の悪い紙を使っている人にはとても便利なもので、愛用されている方も多いと思います。
そんなインクブロッターを使って、磨いて楽しい、銘木と言える最高級の素材で作ってみました。
https://www.p-n-m.net/contents/products/ZZ0058.html
作ってくれたのは、株式会社ヤナイ箭内専務の懇意にしているギターメーカーSagoニューマテリアルギターズです。
ギター製作によって出た端材を丁寧な仕事で作ってくれました。
同じSagoギターによって、独特の刃の形状をしているペーパーナイフもパープルハートで作っています。
こちらも色の変化が楽しめるおもしろい素材だと思います。
https://www.p-n-m.net/contents/products/OK0027.html


楔の銘木

2008-07-03 | お店からのお知らせ

楔の永田さんが神戸に来るのに合わせて、ル・ボナーの松本さん、分度器ドットコムの谷本さんが閉店後の神戸の夜のために当店に来られました。
閉店まで時間があり、お客様もおられましたので、永田さんお得意の緊急展示会、即売会が始まりました。
当店での品揃えは永田さんのたくさんの作品の中から一般的なものをピックアップしていますので、様々な素材による永田さんの作品を全て見ることのできる貴重な機会で、居合わせたお客様は本当にラッキーだと思いました。今回もおもしろいものがあったので、ご紹介いたします。
永田さん、谷本さんより、少し遅れて松本さんがお店に来られましたが、松本さんが来られてすぐに永田さんが手渡していたのが、この分厚いハンドルがついた大型カッターナイフ、ルボナー松本モデルです。 https://www.p-n-m.net/contents/products/ZZ0056.html
革包丁は片刃のため、直線は切りやすいのですが、カーブを切るときに裁断面に角度ができてしまいます。両刃のカッターナイフなら、カーブを切っても角度ができず、きれいに切ることができるという理由と、切れ味が悪くなった時に革包丁のように研ぐ必要がなく、刃をパチンと折ればシャープな切れ味が戻るという理由で松本さんは革の裁断に革包丁ではなく、カッターナイフを使います。
そんな松本さんからの依頼で永田さんが作ったカッターナイフで、ウォールナットの手触りの良い厚いハンドルが付けられています。
革包丁を使う方が職人ぽく、見栄えもしますが、そこにこだわらず良いと思ったものを使う、合理的な松本さんの姿勢の表れのひとつが、この松本モデルカッターナイフです。受注生産で、3週間ほど時間をいただいています。ホームページからご注文いただけます。
パトリオットペンも今回は杢のすばらしいものが入りましたので、ご紹介します。
今までそれほど銘木というものに馴染みがなかった私たちも、「花梨のこぶ杢」の、複雑で見ていて楽しい木目に目が行くようになりました。
そんな花梨のこぶ杢の素晴らしいものが入ってきました。
https://www.p-n-m.net/contents/products/BP0041.html
グルグルとした木の目がビッシリとたくさん入った極上のものになっています。
それだけ値段は高くなってしまいますが、高級家具のように派手な木目を楽しむことができます。
黒柿は茶道具など、古くから日本の伝統工芸品に使われてきた素材ですが、1万本に1本しかないという「幹の中心が黒くなった柿の木」の孔雀のような木目が美しい杢が出たところだけを使っています。
木と平行方向に木取りしたものを板目取り、木と垂直方向に木取りしたものを木口取りと言います。
普通板目取りよりも木口取りの方が値段がかなり高くなりますが、美しい杢を楽しむことができます。https://www.p-n-m.net/contents/products/BP0039.html
使い続けると手の油で磨かれ、ピカピカの状態になり、美しい光沢を放ちます。
そして黒と灰色だけの墨絵の世界を連想させる日本的な美しさから珍重されている材料がこの黒柿です。
カッターナイフも何種類か入荷してきました。
スネークウッドは大変密度の高い木で、ずっしりとした重さがあり、手触りもツルツルして気持ちよく、その名の通り、蛇の地紋のような模様が特長的素材です。
スネークウッドの性質上、製品になってからでも月日が経つとヒビが入りますが、そこから壊れていくことはありません。
永田さんは木工家という肩書きの通り、そのものの機能やデザインよりも、木をいかに美しく表現するか、木の見た目や感触の良さを感じさせるためのキャンバスとして、ペンやカッターナイフを作っています。
文具業界にずっといましたので、今までそういった木へのアプローチを知ることがありませんでした。
永田さんとの出会いはいまだに私たちに新鮮な刺激を与えてくれます。
店を閉めた後、私たち一行はトアウエストの愛園で回る円卓を囲み夕食をし、バランザックへ流れていき、神戸の夜はすぐに更けていきました。

 


 


ヴィスコンティ創立20周年記念の2つのペン

2008-06-28 | お店からのお知らせ

 私が万年筆の仕事に携わり出したばかりの10年ほど前のヴィスコンティはテーマの異なる限定万年筆を次々と発売していて、非常に勢いを感じさせるメーカーでした。
ポンテベッキオ、マンハッタン、コペルニクス、ボイジャーアニバーサリー、カサノヴァ、タージマハール、ミケランジェロなどなど・・・。定番品がない代わりにそのエネルギーは限定万年筆の製作に注がれていました。
今のヴィスコンティはその時に比べてかなり落ち着いていて、ヴァンゴッホとオペラという非常の魅力のある定番品があって、その上に豪華な限定万年筆があるという、セールス的には非常に安定感のあるラインナップに変化しています。
しかし、創立20周年にあたる今年のヴィスコンティは、私がヴィスコンティを知った年、1998年を彷彿とさせる限定万年筆攻勢を仕掛けてきています。そんな2つの限定万年筆をご紹介します。 オペラマスターデモは、ヴィスコンティの定番モデル、オペラをベースにしたスケルトンタイプの万年筆がこのマスターデモです。ただし、通常のオペラを透明にしただけでなく、私たちが1998年ボイジャーアニバーサリーの登場で衝撃を受けた、ダブルタンクパワーフィラー吸入を備えました。
吸入行為は、オノト式とかプランジャー式と言われる、吸入ノブを引き上げ、押し下げることにより、一気に吸入するという方式になっていて、その大量のインクを一気に吸入する様はなかなか劇的なものだと思います。
それだけなら、オノトやパイロットと何ら変わりはありませんが、ダブルタンクパワーフィラーは、ダブルタンクと言うだけあって、大容量の二つのタンクを備えているところに特長があります。そのダブルタンクパワーフィラーの構造を分かりやすくスケルトンボディにしたのが、このオペラマスターデモです。
ダブルタンクの考え方は、アウロラと同じようにメインタンク、サブタンクの関係になりますが、ダブルタンクパワーフィラーのサブタンクの容量はアウロラとは比べものにならない、大きなものです。
主に首軸内にあるメインタンクのインクが書いていてなくなった時、尻軸にある吸入ノブを回転させて弁を緩め、サブタンク内のインクをメインタンクに流し込むという方式になっています。
飛行機内などの気圧の変化が激しく起こる可能性がある時に、大量のインクが溢れ出すことを防いでいます。
デモンストレーターをただの透明にせず、ブルーの模様を入れたところにビスコンティの美しさへのセンスが感じられます。 (https://www.p-n-m.net/contents/products/FP0056.html

ラグタイム
ヴィスコンティ初期の万年筆ラグタイムは発売当初よりコレクターたちに注目され、あっと言う間に完売してしまったそうです。
当時の万年筆業界はニュースに乏しかったそうで、同時代に登場したヴィスコンティ、デルタ、スティピュラなどの新興筆記具メーカーの出現はセンセーショナルだったようです。
ヴィスコンティが目指したのは、黄金期の華やかで楽しい万年筆の復活でした。ヴィスコンティの初期の万年筆作りを支えた人物が、加藤製作所の加藤清さんで、当時セルロイドの加工ができる職人がイタリア国内には少なく、フランクフルトの見本市に自作のペンを出品していた加藤さんにヴィスコンティが白羽の矢を立てたのでした。ヴィスコンティの仕事を始めた時、イタリアから送られてきたセルロイドで加藤さんの工場は溢れてしまい、他のメーカーの仕事が受けられないほど忙しかったそうですが、加藤さんの活躍は、立ち上げたばかりのヴィスコンティの成功に大きく貢献していて、ラグタイムも加藤さんが作った万年筆のひとつでした。
高齢になり、体力的にきついということで、ヴィスコンティの仕事はもうしていませんが、ヴィスコンティでの活躍を知って、大阪の下町で工場を構えていた、一人の万年筆職人がペンの世界を動かした製品を作っていたことに夢を感じました。
今回復刻したラグタイムは、万年筆、キャップ式ローラーボール、ツイスト式ボールペンの3本セットで発売となり、ボディ素材がアクリルに変更されて、現在のヴィスコンティの技術で作られていますが、デザインは当時のものに忠実に復刻しています。
初回100セットのみ、凝ったデザインの2段式の引き出しが内蔵され、9本のペンが収納できるデスクケースが付属しています。( https://www.p-n-m.net/contents/products/FP0055.html


ギターの端材のペントレイ

2008-06-22 | お店からのお知らせ
最近、木製品に縁があり、今回もなかなかおもしろいものをご紹介します。
先日ご紹介しました、目盛りのない銘木ものさしを作ったギター工房が今回はペントレイを作りました。
ペントレイと言っても、機能的なものではなくペンを1本だけ乗せておくとてもシンプルで潔いものです。
考えて見れば、机上に万年筆は何本もいらないのかもしれません。
今日の1本、あるいは机上でいつも使う1本を決めておいて、それをこのペントレイの上にディスプレイする感覚で使うと、万年筆をより引き立ててくれるでしょう。
オーダーメイドギターの端材を使用していますので、木目はとてもきれいでインテリア的な要素も非常に強い、ものが出来上がりました。
写真は手前より、栃の虎目台形本漆仕上げとココボロ家具調オイルフィニッシュ。後方左が丸型パープルハート、右が丸型のメイプルです。価格はどれも10,500円です。


銘木ものさし

2008-06-10 | お店からのお知らせ

小学生の頃、定規をものさしと呼んでいて、その用途のほとんどは何かを測るよりも、線を引くことだったように思います。
休み時間のチャンバラごっこでガタガタになってしまったものさしで、ガタガタの線を引いていたことを懐かしく思い出します。
そんな懐かしい気持ちもあって、線を引くためのものさし、それもペンケースに入れていつも持ち歩くことのできるコンパクトなものを木材で作りたいとずっと思っていました。
金属の定規ですと、一緒にペンケースに入れた他の物を傷つけてしまいますし、プラスチックのものではチープな感じがしてしまいます。
このものさしの用途はとても具体的にイメージしていて、本を読むときのアンダーライン用に割り切ったものです。
本を読むときに要点にアンダーラインを引きながら読むと頭への入り方が違い、理解度がさらに増します。
そんなアンダーライン読書をするときにフリーハンドで線を引くよりも、ものさしをあてて、線を引く方が後から読むときに読みやすく、とてもきれいです。
目盛りは5cmごとにしか入っておらず、その目盛りはギターの指板のドットのように白蝶貝のインレイになっています。
楽器を作った端材とギター作りの技術を用いてSagoニューマテリアルギターズ(http://www.sago-nmg.com/pc.html)というギター工房が作ってくれました。
希少な銘木の木目を生かした、美しいギターを作っている工房で、有名なミュージシャンもこの工房のギターを愛用しています。
このギター工房がものさしを作ることになった経緯は、ル・ボナーの松本さんを通じて知り合った、ロックンロールなライフスタイルを持つ(と勝手に私が思っています)株式会社ヤナイ(http://www.yanai-japan.com/index.html)の箭内さんに木製のものさしの話をしたら、箭内さんがSagoニューマテリアルギターズに依頼してくれたからです。。
どの材もとても希少な銘木で、木目も美しく、手触りも木の触感が心地よいです。
ずっと欲しいと思っていた、温かみのある銘木ものさしです。
https://www.p-n-m.net/contents/products/category6.html

見慣れない木材が多いので、下に各材料の簡単な説明を記入いたします。

パープルハート メキシコからブラジル南部の熱帯に分布。心材は伐採直後は褐色であるが、大気にさらされるうちに紫色から紫褐色に変化し、古くなると茶色になる。

ピンクアイボリー アフリカ原産。希少木材で、染め上げたような鮮やかな桃色と象牙のような滑らかな材面に仕上がる。アフリカ原産の木材では最も高価です。

マートルバール 希少木材。原産地はオーストラリア、ビクトリア州、タスマニア島。

メープル 北米産。鳥眼杢があらわれるものをバーズアイメイプルと呼び、高級家具や楽器などに使われる。

縞黒檀 インドネシアを中心に東南アジア全域に生息。心材は黒色と淡赤色の帯が交互に配列して縞目を有する。


楔(せつ)のカッターナイフ

2008-06-06 | お店からのお知らせ

ずっと以前からこういうものがあればいいなあと思っていました。
店の仕事の中でもそうですが、事務仕事や一般家庭など実務に従事する人にとって、カッターナイフはなくてはならない道具だと思います。
しかし、道具にこだわりを持つ人を満足させるカッターナイフがなかなかなく、最も身近な道具であるが故に、大量生産されたものしかないのが現状でした。
楔の永田さんが木軸のカッターナイフを作ったということを永田さんと知り合ってすぐに知り、その代表作であるボールペンよりもカッターナイフに興味を持っていました。
初めて当店を訪れてくれた時に置いていってくれた木軸のカッターナイフ、10数個はすぐに完売し、やはり多くの人が求めていたのだと確認できました。
カッターナイフはそのためだけに木取りをせずに、端材だけしか使わないという、永田さんらしいこだわりがあるため、数はたくさんできませんが、値段はかなり安めに設定されています。
それでも最初に採用していたカッターナイフ本体の動きが硬かったため、オルファのものを使って欲しいと言うと、永田さんはすぐに対応してくれ、今ではオルファのものを使っています。
おかげで、より滑らかで上質なクリック感のカッターナイフに仕上がっています。
いつも手にするものだから、自然の木の温かみを感じられ、使えば使うほど、味わいが出る楔のカッターナイフです。

 https://www.p-n-m.net/contents/products/category5.html


冬枯れインク入荷

2008-05-30 | お店からのお知らせ

好評いただいていたにも関わらず、長い間品切れしていました冬枯れインクがやっと出来上がりました。
吸入しにくかった従来型のボトルを改め、今回からインクが少なくなっても吸入しやすいデザインになっている新ボトルでの発売になります。
冬枯れは日本の文字は黒でありたい、しかしノートいっぱいに黒の文字で書いてしまうと強すぎて、書いているときや読んでいるときに疲れてしまうというような方には待望の黒とグレーの間の色が特長です。
当店ではこのインクを雑記用と位置づけて販売しています。何か気が付いたことがあったり、感動したことがあったり、本を読んで影響を受けたことなどを思うままに書くことで、毎日書かなければいけない日記とは区別して、雑記と呼んでいます。
そんな義務に縛られない、気が向いた時だけ書く雑記は文字を書く理由、万年筆を使う理由としてとても良いきっかけだと思っています。
そんなふうに書くことを趣味ととらえる雑記に向いたインク冬枯れは、その色の印象から水墨画のイメージを重ね、名付けています。
もちろん雑記だけでなく、強すぎない黒い色は手紙でも相手に涼しげな印象を与えて、これからの季節に合っているのかもしれません。
お待たせいたしました、冬枯れ久しぶりの発売です。
 https://www.p-n-m.net/contents/products/OK0011.html


ラミーサファリ2008限定ライムグリーン

2008-05-27 | お店からのお知らせ
1980年に発売されたサファリが30年近くもロングセラーを続けてこられたのは、高いレベルの実用性と万年筆としては安価なわりにデザインが良く、好きで使っているというこだわりを使う人に感じさせるところがあるからだと思います。
そのデザインの良さを引き立てているのがボディカラーです。
1980年当時サファリのボディカラーはマットブラック、モスグリーン、マットオレンジの3色で、どちらかというとくすんだ感じの落ち着いた色合いでした。
年を追うごとにカラーバリエーションを強化し、廃版になってしまった色も含めると今年のライムグリーンを含めて、私が確認できただけでも14色のサファリが今まで販売されてきました。
年々華やかになっていくサファリのボディカラーと存在。毎年限定のカラーを発売することによって、万年筆が好きな人以外の人の目もサファリに向かってくれたら、結果的に万年筆に向いてくれたらと思っています。
今年の限定色ライムグリーンは予想と違って、大人のクリエイティブな心をくすぐる色だったと思っています。
落ち着いた印象も受けるグラスグリーンは、黒のアクセントと相まってとても良い印象を持っています。
イギリスならもっと深いモスグリーンにするでしょうし、イタリアならもっと強いストレートグリーンにするかもしれません。フランスなら、遊び心が感じられるパステルカラーにするかもしれないとかと考えると、ドイツ製品らしい色だと思います。
日本での発売分は同じ限定色のボールペンとのセットになり、万年筆だけでよかったという声も聞きますが、万年筆はご自身で使って、ボールペンは奥様やご主人、彼女、彼氏に使ってもらうというのはどうでしょうか?
ペンに興味のないお相手でも、スカッとした色のライムグリーンのボールペンを使うと、きっと気分が良いと思いますよ。