2014年7月19日(土)、JR九州の指宿枕崎線について存続か廃止か、検討の対象になりそうだとの報道がありました。JR九州の青柳社長が同線に関し、将来的には区間によって存廃を考えることになると発言したと伝えられています。
指宿枕崎線は鹿児島県鹿児島市の鹿児島中央駅と、カツオで有名な同県枕崎市の枕崎駅を結ぶ87.8kmの路線です。途中、砂むし温泉で知られる指宿を通り、観光列車「指宿のたまて箱」が走っているほか、「JR最南端の駅」西大山駅があることで知られています。
「観光列車が走っているのに廃止?」と疑問に思うかもしれませんが、この指宿枕崎線、区間によって利用者数に大きな違いがあります。鹿児島中央~指宿・山川間は比較的利用があるのですが、路線の末端部分である山川~枕崎間は、乗客がガクンと減るのです。
2008年度の駅年間乗降客数を比較すると指宿駅は509,684人、山川駅は184,753人ですが、枕崎駅は35,731人しかありません。単純に365で割って1日あたりに換算すると、それぞれ1,396人、506人、98人です。
冒頭で記したとおりJR九州の社長が「区間によって」としたのは、指宿枕崎線の全線ではなく、利用客の少ない末端部分について存廃を考えている、という可能性が高そうです。
指宿枕崎線の末端区間を廃止するとしたら、指宿駅か、その隣の山川駅から枕崎駅側が対象になると思われます。
もしそうなると、全国規模で影響する点があります。「JR最南端の駅」がどうなるかです。
現在、「JR最南端の駅」は指宿枕崎線の西大山駅です。間近にきれいな三角形をした開聞岳が見られる小さな無人駅で風情が良く、旅情を誘うことで知られる「青春18きっぷ」のポスターにもなりました。
この西大山駅は山川~枕崎間にあるため、同区間が廃止されると「JR最南端の駅」も廃止になるというわけです。
仮に山川~枕崎間が廃止になれば山川駅が、指宿~枕崎間が廃止になれば指宿駅が「JR最南端の駅」になります。また廃止ではなく、第三セクター鉄道として存続する可能性もありますが、その場合でも「JR最南端の駅」は西大山駅ではなくなります。
ちなみにJR最北端の駅は北海道の稚内駅、JR最東端も北海道の東根室駅、JR最西端は九州の佐世保駅です。
恵 知仁
(ここまでネットニュース)
さっき、時刻表で調べてみたところ、鹿児島中央-山川間は、快速「なのはな」号や特急「指宿のたまて箱」も含め、1日26往復。特急「指宿のたまて箱」はなんと、山陰本線で活躍しているキハ47と同系列。かなりボロ國鐵車両なのに、特急料金を取るなんてボッタクリじゃないかと思われそうですが、JR九州のキハ47は馬力アップのエンジンを置換し、形式名をキハ147に変更したうえで、車内も工業デザイナーの水戸岡さんによる観光列車用として改造しています。特急料金を払ってでも違和感しません。山川を過ぎると、26本から6本に急減。JR九州の端末区間、JR北海道の江差線と同じ運命になるか!?
ちなみに東京から鹿児島中央まで新幹線で行くとしたら・・・
【区】東京都区内 → 西大山
経由:東京・新幹線・博多・新幹線・鹿児島中・指宿枕崎
¥16,950円
東京8:30 → 博多13:39 のぞみ17号(ここまでJR東海・西日本)
博多14:20 → 鹿児島中央15:54 さくら411号(JR九州)
鹿児島中央16:01 → 西大山17:30
陸地の鉄路なら9時間で行けます!!
【区】東京都区内 → 西大山
経由:東海道・山陽・岡山・新幹線・博多・新幹線・鹿児島中・指宿枕崎
¥16,950円
東京22:00 → 岡山6:27 サンライズ出雲&瀬戸
岡山 6:51 → 鹿児島中央 9:48 みずほ601号
鹿児島中央 10:05 → 西大山11:57。夜行列車を利用すると、およそ14時間。2014/7/22 現在のダイヤで編集。