日朝協会「京都府連合会」です。韓国・朝鮮との友好を進める、日本人の団体です。1カ月¥500 841-4316福谷気付

 世界の出来事から日本・韓国・朝鮮の未来を見る。
 皆さんの声を生かして活動を進めます。

日本の天台宗の聖地となっている開城の霊通寺で日朝の僧侶らが朝鮮半島と世界の平和を祈願して法要を行った.

2017-05-23 | 朝鮮総聯京都のみなさん

友情の力を原動力に

京都で金日成主席生誕105周年記念日朝友好促進・交流の集い

臨済宗相国寺派の有馬頼底管長が「私の見た朝鮮」と題して講演を行った。


日朝芸術公演「友好の舞台」では踊りの輪が広がった

「金日成主席生誕105周年記念日朝友好促進・交流の集い」(主催=同実行委・総聯京都府本部)が20日、京都市内のホテルで行われた。元・京都府議会議長の石田たかし実行委員長、総聯本部の金尚一委員長、京都府議・市議をはじめとした日本人士、同胞ら172人が参加した。

京都では昨年11月に「金日成主席生誕105周年」記念事業の第1回実行委員会を行い、朝・日有志たちの密な連携のもとで同事業を推進。その一環として4月には日本人士7人で構成される太陽節祝賀訪朝団を派遣した。

集いではまず、「第2回開城霊通寺巡礼日本代表団・平和の祈り」の名誉団長として昨年10月に訪朝した臨済宗相国寺派の有馬頼底管長が「私の見た朝鮮」と題して講演を行った。

有馬管長は、朝鮮天台宗の開祖・義天(諡号=大覚国師)のゆかりがあり、日本の天台宗の聖地となっている開城の霊通寺で日朝の僧侶らが朝鮮半島と世界の平和を祈願して法要を行ったことについて触れながら、日本の室町時代、四代将軍の足利義持が朝鮮に提供を求めた高麗版の一切経(釈迦の教説と関わる経・律・論の三蔵、その他注釈書を含む経典の総称=大蔵経)が京都の東福寺、建仁寺、相国寺に保管されているとし、約600年前からの仏教を通じた日朝交流の歴史を今後も継承していかなければならないと強調。憲法改正へと動き、「戦争ができる国」を作り上げようとしている安倍政権を非難すると同時に、偏向情報を垂れ流す日本のメディアのあり方に警鐘を鳴らしながら、平和を願う仏教徒として人々の往来を促進する民間レベルでの外交に力を注ぎ、日朝の関係改善、国交正常化を実現させたいと語った。

日朝芸術公演「友好の舞台」

日朝芸術公演「友好の舞台」では、京都朝鮮歌舞団と和太鼓・横笛・津軽三味線を演奏する山本朗生さんらがコラボ演目を披露。京都初級の児童、文芸同京都支部コーラス部、朝青専従活動家も歌や踊りで会場を盛り上げた。最後は出演者と会場の人々が朝・日友好の思いを「アリラン」の合唱に込めた。

2部の宴会「友好の宴」で、主催者を代表してあいさつに立った「文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネット」の副会長は、日本をはじめ世界中で蔓延している差別や排外主義など、いかなる力も日朝の交流促進と国交正常化を望む私たちの歩みと友情を遮ることはできないとしながら、民衆の友情の力を原動力にしてより良い社会を築いていきたいと語った。

総聯本部の金尚一委員長は、朝鮮半島の緊張が高まっている状況下でも対話を重ねることこそが朝・日関係を改善させる道筋であると述べ、金日成主席が残した朝・日善隣友好の遺訓を実現させるために手を取り合って困難を乗り越えていこうと呼びかけた。

つづいて4月の訪朝団で団長を務めた「日朝友好京都ネット地方議員の会」の安井勉代表(京都市議)が報告を行った。

安井団長は、金正恩委員長の指導のもと万里馬速度で発展する朝鮮の街並みや、近年新たに建設された施設で朝鮮の人々が楽しく過ごしている姿が印象的だったと回想。金日成主席生誕105周年慶祝閲兵式及び平壌市民パレードで金正恩委員長の姿を拝見できたことで訪朝団の意義が深まった一方、錦繍山太陽宮殿に生前の姿で安置されている金日成主席と金正日総書記への弔問は「訪問団のメンバーの胸に今でも焼きついている」と述べ、今後も交流の輪を広げていきたいと語った。

2部の宴会「友好の宴」

豊福誠二弁護士の祝杯の音頭で始まった宴会では、朝鮮対外文化連絡協会、前原誠司・衆院議員、安田守・向日市長から寄せられた祝電が紹介された後、参加者たちがマイクを握りながら思いの丈を語った。

日朝親善の発展に寄与したことが評価されて1968年に朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会から勲章とメダルを授与されたという日朝協会京都の大橋満代表理事は、56年間の友好促進活動を振り返った。

また自身が民族教育を守る運動に取り組んできたのは、民族教育に対する安倍政権の不当な政策が許せないだけでなく、朝鮮が困難に直面していた1946年に金日成主席が平壌の日本人学校に対して温かい援助を差し伸べてくれたことを知っているからだと述べ、草の根運動に力を注いでいきたいと語った。

集いに参加した日本人は、訪朝報告で映し出された写真について「変わりゆく平壌の姿が印象的で興味を引かれた」と述べ、「しばらく訪朝していないが次回はぜひ訪朝団に参加したい」と語った。

女性同盟本部の金君子顧問(72)は在日同胞の一人として、講演を行った有馬管長に謝意を表しながら、日本政府の圧力やマスコミの報道に屈することなく愛族愛国運動に力を注ぎ、朝・日友好の輪が広がるよう努めたいと語った。

(李永徳)

 


何よりも戦争が起きてはいけない。平和を守ることが重要な課題だと認識して、平和運動にまい進するようになりました。

2017-05-23 | 韓国の政局

[インタビュー]

「朝鮮籍の在日韓国人帰国できるように…文政権への期待が大きい」

登録 : 2017.05.23 05:09 修正 : 2017.05.23 05:57

 

在日朝鮮人人権・平和運動家の徐勝教授

済州大学在日済州人センターに訪問学者として来ている徐勝・日本立命館大学特任教授=ホ・ホジュン記者//ハンギョレ新聞社

 「19年間の獄中生活の末に釈放されてから、私の関心事は刑務所内の政治犯の釈放問題と拷問の撤廃でした。日本はもちろん、米国やカナダ、ヨーロッパ、南米などを回りながら多くの話をしました。ところで、世界を歩き回りながら北東アジアの状況を見ているうちに、人権運動や統一運動もいいが、何よりも戦争が起きてはいけないと思いました。平和を守ることが重要な課題だと認識して、平和運動にまい進するようになりました」

 

 昨年11月東アジア地域の国家暴力と人権侵害の現場踏査をもとに歴史・人文の紀行文である『東アジアのウフカジ』(原題:『徐勝の東アジア平和紀行―韓国、台湾、沖縄をめぐって』)を出版した人権・平和運動家の徐勝(ソ・スン)立命館大学特任教授(72)は、平和運動に集中してきた理由をこう語った。「ウフカジ」とは大きな風を意味する沖縄言葉で、沖縄の知人らが情熱的に平和・人権運動に取り組む彼に付けてくれたニックネームだ。この3月から済州(チェジュ)大学在日済州人センターの訪問学者として(済州に)滞在している彼に、21日に会った。

 

済州大学在日済州人センター訪問学者に  
韓日中の踏査した歴史・人文の紀行文を出版  
『東アジアのウフカジ』済州で出版記念会  
ニックネーム「ウフカジ」沖縄の言葉で「大きな風」 
 
海軍基地反対の講演・ろうそく集会にも参加  
「統一も民主化も“戦争なくしてこそ”可能」

 

 徐教授は1971年4月、朴正煕(パク・チョンヒ)維新独裁政権がねつ造し「在日同胞学園浸透スパイ団事件」で逮捕され、19年間苦労を経て、1990年2月に釈放された後、平和・人権運動に献身してきた。

 

 彼は今月12日、済州市のブックカフェ「カク」でささやかな出版記念会を開いた。済州道(チェジュド)との特別な縁のためだ。日本で大学に通っていた時代、彼は済州出身の同胞から「4・3抗争」の話を聞き、1998年には「東アジアの冷戦と国家テロリズム」をテーマにした「第2回国際シンポジウム」を済州開催を企画した。ここ数年間は、済州西帰浦(ソグィポ)海軍基地建設反対闘争の現場を訪れては講演もした。

 

 彼は「6年前、大学を定年退職し、特任教授という名で現役から退いた後、私が経験したことを伝えなければならないという一種の使命感に駆られた」と話した。これまで彼は韓国や日本、中国など多くの国の人たちと一緒に旅行団を作って東アジアを踏査した。沖縄をはじめとする日本や台湾、済州、中国の南京と東北部地方など、歴史の現場を歩き回りながら話し合い、現地活動家たちにも会った。

 

 このような過程を経て出た本が『東アジアのウフカジ』(1・2)だ。第 1巻には韓国や台湾、中国などで講演した「国家暴力と人権」、「東アジア平和」などの講義内容と、東北アジア平和安全保障に関するコラム、文化芸術活動に関する内容をまとめた。

 

 彼は「統一や民主化も“平和”という土台の上で議論されなければならない。言葉だけの平和ではなく、現実的・歴史的な脈絡で平和を認識し、行動しなければならないが、このような認識があまり根付いていない」と指摘した。

 

 長い間市民社会領域で平和・人権運動を行ってきた彼は、東アジアに平和を定着させるためには、市民社会の連帯と努力が必要だと強調している。彼は「韓国の真実和解委員会のように、各国の市民らが中心となった東アジア真実和解委員会を作る必要がある。これを通じて共同研究して共同認識を作っていく過程が必要である。簡単ではないかもしれないが、地道に努力していけばいい」と話した。彼は「平和達成のためには偏見のない交流が前提条件となる。平和構築は相互交流であり、相互理解」だとしたうえで、「何より重要なのは信頼だ。信頼を構築して武装しなくても安心できる関係を作らねばならない」と指摘した。彼の平和認識は「朝鮮籍」を持った在日同胞の問題につながった。

 

 彼は「朝鮮籍の在日同胞たちは故郷に行きたくてもいけない。朝鮮籍であるため、韓国に入ることもできず、済州の故郷に墓参りもできない人が多い。このような非人間的な仕打ちがどこにあるのか。信頼を築くためには、このような障壁を撤廃しなければならない」とし、「文在寅(ムン・ジェイン)政権にかける期待が大きい」と話した。

 

 最近数年間、開発ブームが起きている済州道の状況について、徐教授は「済州島が2005年1月『平和の島』に指定されたが、内部には開発主義が蔓延しているようだ。済州海軍基地も平和を掲げている。総論は平和を叫ぶが、各論に入ると、開発至上主義、環境破壊、軍事主義に走っている」と指摘した。

 

 済州で開かれたろうそく集会に参加したこともある徐教授は「私たちがろうそく集会で認識したのは、『私たちが主人であり、決定権者だ』という意識」とし、国民主権意識をまともに認識できるようになったのは、ろうそく集会の最大の成果であり、民主主義の基礎だと評価した。

 

済州/ホ・ホジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)