改革性向の“コントロールタワー”と“実務型”が経済改革のツートップに
登録 : 2017.05.22 04:06 修正 : 2017.05.22 07:35
[政策室長・経済副首相の人選]
文大統領、チャン・ハソンカード持ち出し
「大企業中心の経済パラダイムから脱却し
人・中小企業中心に導く適任者」
経済官僚出身のキム・ドンヨン亜洲大学総長
強い推進力・危機管理能力に定評
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左からキム・ドンヨン新任経済副首相兼企画財政部長官候補者、チャン・ハソン新任大統領府政策室長、キム・グァンドゥ新任国民経済諮問会議副議長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社
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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日、新政府の“経済改革のコントロールタワー”の役割を果たす大統領府政策室長に改革性向のチャン・ハソン高麗大学教授を任命し、政策室長とともに“経済のツートップ”を担当する経済副首相には実務に強い経済官僚出身のキム・ドンヨン亜洲大学総長を内定したのは、経済改革の意志を示したものと評価されている。
チャン取引政策室長は1990年代半ば、参与連帯で財閥改革と経済民主化運動を始め、一時期「財閥狙撃手」と呼ばれていた代表的進歩派経済学者だ。また、20年以上にわたり経済改革運動をしながら、関心分野を韓国社会の不平等構造などに拡大し、幅広い研究を行ってきた。文大統領は「過去の財閥・大手企業中心の経済パラダイムから脱却し、人中心、中小企業を中心に経済・社会政策を変化させ、経済民主化と所得主導の成長を主導する適任者」だと評価した。チャン政策室長も「ここ20年間、韓国経済は、国は成長したものの家計所得は増えず、GDPの中で消費が占める割合が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最低水準」だったとしたうえで、「雇用を創出して所得を増やし、これを通じて、需要拡大、投資活性化が行われる好循環構造を作ることが不平等解消の最も根本的な解決策」だと強調した。文大統領はチャン教授を適任者と見て、早くから迎え入れに力を入れてきたが、難色を示す彼を粘り強く説得した末、最近になってようやく承諾を受けた。第18代大統領選当時、安哲秀(アン・チョルス)候補陣営で国民政策本部長を務めたチャン政策室長は「今回の大統領選挙では一切政治に参加していないが、新政府の人事に感動を受け、決心した」と打ち明けた。
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チャン・ハソン政策室長が21日、大統領府の春秋館の大ブリーフィング室で人選発表後、感想を述べている/聯合ニュース
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文大統領はこれに先立ち、公正取引委員長に「財閥改革の伝道師」と呼ばれてきたキム・サンジョ漢城大学教授を指名した。結局、経済改革のコントロールタワーと主務省庁にいずれも改革性向の人物で布陣を組んだのだ。文大統領は、大統領選挙期間中にキャンプ内部で「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の経済改革が失敗したのは、経済に自信を持てず、官僚と財閥に頼ったため」と分析し、新政府はその二の舞を踏まないと強調したが、これを実践した。
改革陣営でも新政府で経済改革が成功するためには、改革性向の人が共にチームワークを高めていかなければならないという点を強調してきた。それは過去に盧武鉉政権でも様々な改革性向の経済学者らが参加したが、一つの勢力になれず、個人に断片化され、改革の失敗を防げなかったという反省に基づいたものだった。チャン・ハソン政策室長とキム・サンジョ公正取引委員長候補者は20年間、市民団体で経済改革運動を共にしてきた緊密な関係だ。新政府の経済改革のための土台が金大中(キム・デジュン)政権、盧武鉉政権時代より一層確固たるものになるという見通しが示されているのも、そのためだ。キム公正取引委員長候補者も「チャン政策室長は経済だけでなく、労働、福祉、社会全般を総合的に研究してきた学者であり、ただ研究室に座っているだけではなく、仕事を企画して執行した経験とリーダーシップがある方」だとし、「心強い」と話した。チャン政策室長とキム公正取引委員長候補者は、国民経済諮問会議副議長に任命されたキム・グァンドゥ西江大学特任教授(国家未来研究院院長)と2015年から保守・進歩合同討論会を共同で主管し、韓国社会の改革課題を一緒に論議した縁もあり、今後“3角協力”も期待されている。
大統領府政策室長が新政府の経済改革のコントロールタワーなら、経済副首相は改革を具体的に施行する総責任者だ。もともと経済官僚出身であるキム・ドンヨン亜洲大学総長を経済副首相に内定したのは、経済改革のためには強い推進力と安定的管理能力がともに必要だという判断によるものと見られる。文大統領は「キム総長の危機管理能力と推進力が優れている」と強調した。過去、キム候補者と働いたことがある元次官も「キム候補者は代表的な努力家で、上司にも最善を尽くすことで有名だ。 自分の色を強く出すよりは、大統領が定めた政策を強力に推進することに重点を置くだろう」と話した。新政府は、大統領府より内閣を中心に運営する方針だ。しかし、キム候補者が改革性向の大統領府政策室長と真っ向から反対したり、対立する可能性は高くないと見られている。
クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)