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ひびレビ

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「ざわざわ森のがんこちゃん エピソード0」を見て

2017-01-03 09:05:34 | テレビ・映画・ドラマ
昨年末に放送された「ざわざわ森のがんこちゃん エピソード0 ざわざわ森とさばくのひみつ」を見ました。

 今日は小学校の大掃除。がんこちゃんは地下の理科室の掃除をする途中で、自分と見知らぬ女の子が写った絵(写真)が柱時計に飾られていることに気づく。その絵を友達に見せようと外したところ、突如柱時計の時間は逆回転。がんこちゃんはまだ両親が幼かった頃に、更には人間が生きていた時代へとタイムスリップするのだった・・・


 という、放送20周年を記念した特別エピソードなわけですが・・・まさか、がんこちゃんでここまで切なくさせられるとは思いもしなかったです(汗。

 がんこちゃんたちが暮らす「ざわざわ森」の外は一面の砂漠が広がっており、その秘密に迫るのが今回の物語。最初は両親が幼かった頃へとタイムスリップし、互いにそうとは気づかぬうちに、幼い両親は女の子が生まれたら「がんこちゃん」と名づけ、がんこちゃんのように育って欲しいと願う・・・という、温かなエピソードとなっています。

 しかし、続く人間の兄妹、兄のシンと妹のスイが生きている時代では、結構ショックな出来事が描かれていました。タイムスリップした先で、謎の「すなのきょじん」に襲われた兄妹を助けたがんこちゃんは、彼らの家に招かれて寝食を共にすることに。怒ったり喧嘩したりしない「優しい」子のスイも、次第にがんこちゃんの前では感情を顕わにしていきました。
 この時、栄養素が十分な固形食糧を食べて「美味しいけど楽しい気持ちにならない」と言ったり「怒ったり喧嘩したりしないのが優しい子なのか」と疑問を投げかけるがんこちゃん。久々にがんこちゃんを見たのですが、こんなにサラッと深いところを突いて来る番組だったのか・・・


 そして一晩あけて、がんこちゃんとスイがサボテンを採りに出かけて戻ってくると、シンの姿は無く、彼がいたベッドの上には砂だけが残されていました。聞けば母親がいなくなった時も、家の中に砂が残っていたとのこと。
 これは「すなのきょじん」の仕業によるものかとも思いましたが、「すなのきょじん」はがんこちゃんが遠くに放り投げたと言っていましたから、考えられるとすれば、この時代の人間は体が砂になってしまう現象に見舞われている可能性が高いです。シン自身もどこかそれを覚悟していたかのような口ぶりでしたから、自分ではどうしようもないのかもしれません。水が必要というのも単なる水分補給に留まらず、砂の身体を保つために必要なことだったのかも。
 つまるところ、ざわざわ森の外に広がる砂漠は、砂になった人間の慣れの果て・・・そう考えると、かなり怖いですね(汗。


 無事に元の時代に戻ってきたがんこちゃんは、いつ2人が来てもいいように、ざわざわ森をいいところにしようと決意。そして夕陽に向かって「スイちゃ~ん!シンく~ん!早く遊びに来てね~!」と叫んだ直後、がんこちゃんの足元の砂が風に吹かれて舞い散る・・・このシーンの切なさが尋常じゃなかったです。
 がんこちゃんが住んでいる家も、もしかしたら兄妹の家かもしれず、そして足元の砂もシンとスイかもしれない・・・


 そんなことを匂わせつつ、OPが流れて終わり。何故砂漠になったのかなど、具体的な説明はなされませんでしたが、ある程度推測できる材料は与えられました。「子供向けなんだから、口頭である程度説明して、それにがんこちゃんが驚くといった物語になるんだろう」と思ってましたが、その予想の遥か上を行く、子供のみならず、大人でも考えさせられるエピソードに仕上がっていました。

 兄妹がいた時代のざわざわ森は、単なる演出かもしれませんが、砂漠のオアシスといった感じでさほど大きなものではありませんでした。ですが、がんこちゃんの時代ではかなり大きな森になっています。それは砂漠がこれ以上広まることが無くなったから、つまり人類がみんな滅びてしまったからではないか・・・そんなことも考えさせられます。

 正月早々、予想以上に深いものを見たなぁ・・・と感じる今日この頃です。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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予想外のSF作品でした。 (すず)
2017-01-03 19:08:39
 明けまして、おめでとうございます。

「ざわざわ森のがんこちゃん エピソード0」ですが、思いがけない作家さんのツイで、感想を書かれているのを読みました。

アルさまの「こんなにサラッと深いところを突いて来る番組だったのか」という感想と同じく、NHKのこども番組ってこんなに深いの?!という驚きを書かれていました。

この脚本を書かれた「赤尾でこ」さんは、別名で声優さんもなさっていると、今回ぐぐって初めて知りました。
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すずさんへ (アル)
2017-01-04 07:48:41
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

)NHKのこども番組ってこんなに深いの?!という驚きを書かれていました。
深い話であっても、子供番組だからこそ、子供の視点から何気なく問題提起するのは、さすがだなぁと感じさせられました。

)この脚本を書かれた「赤尾でこ」さんは、別名で声優さんもなさっていると、今回ぐぐって初めて知りました。
色々なところで活躍されている方なんですね。
返信する

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