ひびレビ

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「耳をすませば(2022)」を見て

2023-04-04 07:31:08 | テレビ・映画・ドラマ
 2022年に公開された映画「耳をすませば」を見ました。

 本作は「耳をすませば」の10年後を描いた実写映画。大人になった雫たちが、自分の気持ちに素直になることや夢を追いかけることの難しさ、成長する過程でなくしてしまったものなどが描かれています。

 アニメ映画で聖司の祖父が担っていた「雫の物語の読み手」を聖司くんが担うなど、多少の違いはあるものの、台詞回しなどから「耳をすませば」の雰囲気を壊さないよう心がけていたのは伝わってきます。また、「耳をすませば」を見たことが無い人に配慮してか、10年前(アニメ映画)の描写を合間に挟まれていました。雫は少々幼く感じましたが、夕子の再現度は高かったと思います。

 一方で10年後を舞台にしているため舞台は学校から職場、海外へと移り変わってはいるものの、10年前をなぞっているような展開も見受けられたため、目新しさや面白さはあまり感じられませんでした。かといって「聖司くんの気持ちが揺らいでいた」「雫は本と関係の無い職に就いて、物語を書くのをやめていた」なんて辛い展開は見たくありませんから、難しいところですね。

 展開のみならずキャラクターもどこか薄味にも感じられました。一応恋のライバル的な人物が登場するのですが、言いたいことを言った後は何事も無かったかのように聖司くんと接しています。10年前の雫と杉村と比較して「気まずさを引きずる子供と、割り切る大人の違い」を描いたのかもしれませんが、あまりにもさっぱりし過ぎていて印象には残りませんでした。

 「耳をすませば」から学生時代の青春を引いて仕事と遠距離恋愛要素を足した映画というか、基本は舞台が学校から職場に置き換わっただけというか……正直アニメ映画を見れば十分かなとも思えてしまいました。悪いとまでは思いませんが、かといって良いとも思えない。可もなく不可もなく。何ともあっさりした作品でした……
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