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ボエームの音楽的素敵さを

2023年08月20日 16時36分35秒 | オペラに挑戦
5/28の1回目に続き、今日マエストロ講習の2回目を聞いてきた。今日の講義は当然「ラ・ボエーム」、公演2週前で、宣伝と事前講習の意味もありますね。
指揮者から見た「どういいか、なぜすごいか」なんだけど、当然音楽的な視点に立ってだ。ストーリー面ではない。僕としても、ストーリーは知ってるわけで、僕なりの感想は持ってる。だからそこはさして感心が無い。やはり分析力が無い音楽面の話を聞かせてくれるのはいい。よって、全て感心する話。 なるほど作曲家の芸術的精神性とはこういうところにかくれてるのかの話ばかり。
登場人物にその人のテーマメロディー(モティーフ)を用意し、そのモティーフを場面場面でいろいろ変奏して表現する方法が採用されてることから解説が始まった。こういう手法を最初にやったのはワーグナーとの補足もつけて。ぼくが今まで経験してきた演目はだいたいこの手法がつかわれてたよう。 だからそれが当たり前のように思ってたけど、そうだよな、だれかが発明した手法だわな。変奏するって調(ハ調をヘ調にみたいな)を変えるのは一般的、長調を短調に変えるわ、リズムも変える。それが微妙な心理描写をしてるんですね。「う〜んここか、そこはかとなく僕を捕まえに来る素敵さは」で、めっちゃ納得。
もうひとつ解説してくれたテク。 「和音をあえて未解決で場面を変化させる」です。説明難しい。ギターのコード進行でやるよ。「C-F-G7-C」と進めるのは教科書的でだれでも納得する、違和感を感じない進行。 この最後の「C」をそれ以外に変えるんです。これを専門家は「和音の未解決」と言うみたいです。ここでもそれまでの長調から短調のコードに変更することだったあえてやってる。こうくると、聴く側の人間にはいろんな感情が生まれるようで、そこを敢えて狙ってるんだそうです。
まだいくつかあったようだけど、なるほどね、こうして作られてる音楽なんだ。聞くものを引き摺り込んでいく音楽、仕組まれてるんだし、作曲家はそこを仕込んでる。 
ここのリズムはベートーヴェンの運命のここをパクってるとか、ワーグナーのこのメロディーを真似てるとか、そうそうボエームの先頭ででてくるメロディーはプッチー二が音楽学校の卒論で書いた交響曲のメロディーと言う話もあった。指揮者ってさすが音楽のプロですね。
こうして解説されると、そういう観点でメロディーを聴き込んじゃいます。舞台の上では危険なことです。
コメント (2)
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