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『ツバメ記念日 季節風・春』 重松清

2008-05-13 | 本の紹介
連休が終わるこの頃、「5月病」という言葉をよく耳にします。

春は進学、就職、配置転換などで環境が大きく変わる季節。
4月は新しい環境に緊張しているし、うまく適応しようと頑張ります。
でも、5月の連休を過ぎたあたりから
何となくうつ的な状態になってしまうことがあります。

・初めての一人暮らしや時間の使い方の変化など、新しい環境についていけない
・新しい人間関係が思うようにいかない
・入試・入社といった大きな目標を達成した解放感
・大きな目標を達成したことにより、次の目標を見失ったり、混乱したりする
・想像していた新生活と現実のギャップについていけない

『ツバメ記念日』はこんな不安定な人々が描かれた短編集です。
12人の様々な春が作者の温かい目を通して語られます。
私はこの中の「せいくらべ」と「ツバメ記念日」が心に残りました。
「せいくらべ」には切ないほどしっかり者の姉と
甘えん坊だけれど心優しい弟が登場します。
「ツバメ記念日」は乳幼児を抱えて仕事を頑張るお母さんが出てきます。
どちらの作品も他人事とは思えず、思わずジ~ン。。。

最近、ミステリー作品を読むことが多かったのですが、
重松清の作品を読むとホッとします。
平凡な毎日の中にあるささやかな幸せや温かな思いを抱えながら、
大部分の人は毎日を過ごしています。
だけどそれはかけがえのない大切な自分の人生。
そんなことに気付かせてくれる本でした。

出会いと別れの春に、ちょっとつまづいてしまっている方、
ぜひ読んでみてください。
みんな同じようなことで悩み、困り、悲しみ、苦しんで、
でも少しずつ前へ進んできたのです。

これは「季節風シリーズ」と名づけられた短編シリーズになっています。
今後、3ヶ月ごとに「夏」「秋」「冬」が発刊されるようです。

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2 コメント

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Unknown (藍色)
2008-06-08 03:35:14
はじめまして。
こちらの記事にトラックバックさせていただきました。
重松さんの温かい目線を感じられる短編集でしたね。

トラックバックやコメントなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
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はじめまして (holy)
2008-06-08 21:56:50
藍色さん、コメントありがとうございます。
ブログ、拝見しました。
たくさん本を読んでいらっしゃいますね!
これからもご覧くださいね♪
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