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映画 『悪は存在しない』

2024-05-23 | 映画
久し振りに隣市の蔵の映画館へ映画を観に行きました。

常に車で行くので深谷駅を利用したことがないなぁ、と駅舎へ行ってみました。
東京駅舎にはこの深谷市の煉瓦が使われており、深谷駅の駅舎は東京駅に似ています。
 
7月(あと42日!)に発行される新1万円札の肖像 渋沢栄一の出身地であるこの地は、
大変盛り上がっていました!
 
ゆるキャラ「ふっかちゃん」の人気も健在で、6月末に誕生日パーティがあるとか。

映画は、濱口竜介による監督・脚本『悪は存在しない』
濱口監督は、「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー国際長編映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、
「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞されています。
この映画『悪は存在しない』はベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)受賞、
その他にも世界各国の映画賞を多数受賞していて、内容は調べずにいざ鑑賞。
以下、ネタバレありですのでご注意を。

舞台となるのは東京から高速道路で日帰りできる山間部、おそらく長野県でしょう。
そこで父と小学生の娘が木を切ったり水を汲んだりしながら自然に囲まれて静かに暮らし、
冒頭は人の手が入っていない雪の残る美しい自然の映像がしばらく続きます。
その地区へ、都内の会社からグランピング設備を作るという計画が持ち込まれ、
物語は大きく動き始めます。
その会社はコロナ禍で活動が止まってしまった芸能事務所、
国からの助成金をもらって所属のタレントたちを救うために計画したものでした。
ここから、地方の自然を守りたい地元住民VS芸能事務所の物語が展開されると思いきや、
主人公の娘が行方不明になり、衝撃的で良くわからない結末で唐突に映画は終わります!

エンドロールの後に何かヒントが出されるのか、とも思ったのですが、
そのエンドロールでさえ短くあっという間に映画館は明るくなり、
映画を観ていた観客は突然その場に放り出された気持ちになったことでしょう。
何を考え、何を思えば良いのかわからないまま、??と映画館を出ました。

監督の言葉では「答えを与える映画だけではなく、問いを投げかける映画もあって良い」
手がかりはタイトルの「悪は存在しない」だけ、ふとそうなのか?!と思ったのは、
万人にとっての「悪」というものはないし、「善」もないのでは?ということ。
対比はたくさんありました。
自然・文明、田舎・都会、地元住民・移住者、人間・動物、子ども・大人、善・悪、生・死、
善悪を判断するのが個人である以上、その人の持つ背景でしか判断は出来ません。
もう一度見てみたい、そんな気持ちにもなる不思議な映画でした。

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