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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

追悼 瀬戸内寂聴氏

2021-11-12 | 本の紹介
『夏の終り』『美は乱調にあり』など、情熱的な愛と生をつづった小説や、
法話などの活動で知られる作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが99歳でお亡くなりになりました。

大学在学中に20歳で結婚、夫の教え子の文学青年と恋に落ち、3歳の娘を残して家を出、
その後、近現代の新しい女性の生き方を描いた小説で人気を集めた作家でした。
その頃の名前は瀬戸内晴美さん、ずっと親近感を持っていました。

新潮同人雑誌賞を皮切りに、田村俊子賞、女流文学賞、谷崎潤一郎賞、
芸術選奨、野間文芸賞、文化勲章、泉鏡花文学賞、朝日賞、と
多くの賞を受賞されていますが、今までほとんど作品を読んだことがありませんでした。
作家としての「瀬戸内晴美」さんより、僧侶としての「瀬戸内寂聴」さんのほうが馴染みがあります。
(家には手つかずの瀬戸内寂聴 訳『源氏物語』があるのですが・・・)

寂聴さんの生きた時代を考えると、その生き様や作品が大きな物議を醸したと思います。
でも、そういう方の存在が社会の考え方や風習を変えていくもの、
女性や弱い方々の道を広く、選択肢を多くして下さったことと思います。
反戦・平和を訴える社会活動にも精力的だったそうで、
様々な立場の人に寄り添い、世間に率直な思いを発信し続けてこられたことに敬意を示します。

冒頭画像は本校図書館の蔵書、17歳の特別教室シリーズ『97歳の悩み相談』
自分を愛せない人、人間関係に悩む人、将来が不安な人、等、
様々に悩む高校生たちからの問いかけに、力強く温かいお答えを示されています。
(昨年、同じシリーズの岸見一郎 著『哲学 人生問答』を紹介しました。)
 
同じく蔵書の「現代の女流文学全集」に1963年の女流文学賞を受賞した『夏の終り』があり、
これからこの作品を読もうと思います。

「愛した 書いた 祈った 寂聴」 何者にも流されず貫いた自由に天晴です。
謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
合掌