今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

図書館便り 「LIBRARY NEWS 12月号」

2012-12-04 | 司書室より
図書館便り「LIBRARY NEWS 12月号」(Google版 Yahoo版)を発行いたしました。
(学校のHP更新によりPDFファイルの置き場所が変わりました)
今月号の特集は、「本・読書のちから ~読み聞かせPart3を終えて~」
先月行った朗読の感想を、各クラス2枚ずつ計100人分ほどいただきました。
冒頭の写真はその一部です。

生徒たちの感想を読んで、今さらながら本・読書が持つ力の大きさを実感しました。
作品の本質をついた感想が多数寄せられたのです。
生徒たちの力を見くびっていたわけではありませんが、
日頃、あらゆる刺激的メディアからの情報過多な世界にいる彼ら彼女らにとって、
朗読というのはあまりにも地味で面白みに欠けるだろうと思っていたのです。
わずか30分、文字も映像もなく耳だけで聞いた、初見(聞?)の作品です。
でも、生徒たちは、
登場人物の名前も、その関係性も、舞台となっている地名も、きちんと把握していました。
作品の題名「嘘」については、「優しい嘘」「許せる嘘」「悲しい嘘」という感想も多く、
中年男性と女子高校生の持つ切ない気持ちにきちんと迫っていました。

本というものはわずか30分の作品でも、これだけ心を揺さぶるものなのです。
子供でもなく、かといって大人でもない多感な青春期こそ、
本の力を借りて感情の複雑さと知識に基づいた思考力を養うべきでしょう。
目の前の現実だけが世界のすべてではない、と広い視野を持つことも必要です。
語彙力を増やすにも、本を読んで外から頭に入れてあげれば自然と増えるでしょう。
これらのことが「大人になる」ひとつかもしれません。

そんなあれこれを書いてみました。
学校の国語の授業でよく「登場人物の気持ちを考えてみましょう。」と生徒たちに質問していましたが、
実はこれがとても大切であることに改めて思い至りました。
登場人物の気持ちに寄り添うことは、現実世界で他人の気持ちを想像することに他ならないのです。
勧善懲悪でもなく、大団円に終わるハッピーエンドでもなく、
人間というものの業の深さを表現した作品が私は好きです。



ロクシタンのアロマキャンドルに癒されながらの読書する夜長が好きです。
今、石田衣良の著作『北斗』にかかりきりになっています。