カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

階段の下の睦月

2024-04-16 | 睦月ちゃん

 睦月ちゃんは体つきもしっかりしているし、体力も有り余るくらいだし、実際散歩でも終始リードを引っ張り続けてゼーゼー苦しそうにしながら歩くような獰猛さがある。駆けずり回ってカーペットの位置をずらしたり、モノを噛んで傷つける。いくら叱られても何にも思っていない(たぶん)。何か言われてもものともしないし従わない(そんなつもりがそもそもない)。
 しかしながらどういう訳か、階段を上ることができない。もちろん下りも難しい。これまで飼ってきた歴代のワンちゃんたちで、階段を登れなかった例が無いので、なんとも不思議に思えてしまう。身体能力として出来ない事ではなさそうでありながら、事実として登れないのは確かである。成長するにつれてそんなことも無くなるかもしれないとは考えていたのだが、一年と半年が来ようという現在に至るまで登れないので、ひょっとするとこれからも登れないのかもしれない。登れない理由は本人に聞かなければわかり得ないことかもしれないのだが、真相を勘ぐって考えるならば、単に怖いだけであろう。
 そもそも極端な怖がりで、子供のころは散歩もうまくできなかった。散歩の理由がよく分からなかったらしく、なんとか歩きだしても元に戻ろうとする。それこそ毎日のように少しこしづつチャレンジし続け、その結果やっとのことで、今は様々なコースを自在に歩けるようになった。体力はあるので、一時間歩き続けても平気になったくらいだ。それなりに気温が上がると苦しそうになる場合もあるが、しばらく後ろ足で耳の裏をかいていると復活する。口の周りはよだれで大変なことになりはするけれど……。
 散歩をしていても基本的には階段は難しい。多少の段というか、近所の田んぼのコンクリの段差などは、自分の体高くらいはあるが平気で飛ぶくせに、階段状になっているとだめらしい。公園にある少し幅の広い階段状の段差は斜めに走りクリアするが、これは階段と思っていない可能性がある。
 階段に限らず前にすすめなくなるのは、聞きなれない音を聞いたときとか、路地の風が顔に当たるときとかでもある。アスファルトとコンクリートの境目のコントラストがはっきりしたところも、何となく苦手である。点字ブロックも嫌いで、おそらく色の違いの境目が駄目なようだ。もちろん側溝の網蓋は苦手だが、飛び越えるので問題はない。それなりに広いものでも飛び越えられるようになった。今でも立ち止まってしまうのは、線路の境目と小さな橋などである。怖くて体が固まってしまい、抱えて歩かなければ先に行けないことがほとんどだ。橋などはたまにクリアするので、考えすぎなければいけるようになるのかもしれないが。
 しかしながら我が家の二階には上がれないので、それはそれで管理上はいいことかもしれない。二階にあるものは、荒らされる心配がなくなるからである。噛まれそうなものを高いところにおいておく必要が無い。
 そうして階段から降りようとすると、階段の下から上を見あげて待っている姿を見ることができる。この顔が何とも言えずかわいい。そもそもかわいい顔をしていると思っていたが、階段の下の顔は、一段とかわいい。ずっと登れず見あげていてほしいものである。
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