カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

生存に適さない環境

2022-05-11 | Science & nature

 宮城県に金華山という島がある。信仰の島のようで、鹿が生息していることで有名なようだが、ニホンザルも生息している。250頭ほどが6つの群れをつくっている。周囲26キロという限られた環境の中、また東北で冬場が寒い中、野生で暮らしている。厳しいのは環境だけでなく、季節になると単独行動をしている放浪オスが、群れの周辺に集まりメスを争奪する。もちろん群れのリーダーと激しく争うことになる。
 夏場などは木の実などを食べているが、冬になると食べられる食料が減ってしまう。そこでサルたちは海岸べりに降りてきて、海藻を食べるようになる。海藻を食べるサルというのは珍しいらしい。
 また、食糧が不足すると、そもそもメスは出産を減らすらしい。栄養が足りないと妊娠しなくなる可能性もあるが、限られた環境下で自然に出生数を制限する働きがあるのかもしれない。または、オスを受け入れなくなるのだろうか。
 猿の考えと人間の考えは同じではないが、なんでも擬人化して考えてしまう現象のようにも思われる。特に日本と韓国の出生率の低さというのは問題になっていて、子供を持ちにくい社会になっていることは間違いない。昔は貧乏人の子沢山ということも言われていたが(ほかにすることが無いという意味もあったんだろうけど)、先立つものが無ければ、そもそも子供を持たないという考えはあるのではないか。子供は授かりものではあるから、望んだからと言って必ずしもその通りになるものでは無いにせよ、今の子育て世代が、明らかに自然な感覚として子供を持たない(もしくは少なく)、あるいは持ちたくないという考えを持ち、それはおそらく、防衛的な自然な反応である可能性が高いのではないか。
 日本が社会的に子供を育てるのに適さない環境になっているからこそ、自然に制限がかけられているようなことになっていると考えられるだろう。もっとも生命種の本能としては、将来的に生き残る数以上の個体を残すのではないかと考えられている。人間は本能の壊れた種であるとも言われているので、そこらあたりは定義通りに行くかは分からないけれど。
コメント
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