ドラマの影響もあってチキンラーメンの話題などもそれなりに聞く。久しぶりに食べてみたという話も。そこでびっくりしたのは、改めて美味しかったなどという感想があることだ。
インスタントラーメンは美味しいと素直に僕も思うのだが、チキンラーメンはどうなのか。僕は子供のころ友人の家で初めてこれを食べたが、あまりのまずさにびっくりした。当時すでにマルタイ・ラーメンやら別に袋ラーメンは売られていたと思う。食べるようになったのは小学校高学年になってからだと思われるが、その時であってもチキンラーメンというのはすでに少数派だったのではなかったか(少なくとも九州ではそうである)。明星にチャルメラというのがあったが、これがしょうゆ味で今一つである。他もしょうゆ味というのは大手に多いが、やはり九州では今一つなのではないか。転校生が長崎に来て、しょうゆスープが少ないので旨くないといっているのを聞いて、なんという狭量な子供だろう、と思った思い出がある。その後満を持して「うまかっちゃん」が登場すると、それらのラーメンには見向きもしなくなった。一部の人がノスタルジーで「これだ」を食っている、という感じだったのではなかろうか。
インスタントは体に悪いという印象がずっとあって、だから親から隠れて食べるおやつのような位置にあった。家庭でも食べはするのだろうが、基本的には親のいない半ドンの土曜日などに皆で集まってワイワイ食べる。金持ちがカップラーメン(値段が袋めんより高い)を食べる。そういう階層はあったかもしれないが、それなりに平和な日々だった。しかしチキンラーメン買ってくる奴なんていなかったな。
まんぷくさんは偉い人だと思うが、その時代になるとすでに過去の人だったかもしれない。いや、その後神格化していったのか。九州を離れると見たことも無いインスタント麺が売ってあったりして驚きもした。ご当地で生産されている商品は違ったのだろう。また中国に留学している時も、実に様々なインスタント麺を見ることができた(実際に食べた)。これは国際的な潮流なんだなあと思ったものだ。そうい意味でパイオニアは凄かった、ということなんだろう。
今はノンフライ麺が主流である。ますます発展の余地が見て取れる。本格的なものを手軽に食べるというのは、実際ものすごく難しい開発が必要なのだろうけど、しかし実現していくのである。そういうことを考える人たちがいて、本当に良かったなあ、と思うのであった。