カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

こんな父にはなりたくない   きょうのキラ君

2017-12-23 | 映画

きょうのキラ君/川村泰祐監督

 原作は漫画らしい。映像を見ていても少女マンガだろうとすぐに分かるが、それでこそこの作品の良さである。
 恐らくいじめが原因で前髪で目を隠して人の顔を正面から見ることすらできないネクラのクラスメート女の子(ニノ)が、前から憧れているキラ君に突然告白し、何故か受け入れられて付き合うようになる。キラ君は心臓に病気を抱えており、それが原因で笑う事すら忘れていた。しかしこの天然で純粋なニノと付き合っていくうちに、確実にキラ君そのものが変化していくのだった。
 まあ、ストーリーはどうでもいいのかもしれない。学園生活の中で行われる可能性のある恋愛のシチュエーションの中で、少女の妄想を実現するとしたらどうなるのか、という事を忠実に再現した映画である。憧れのキラ君は、横柄なところはあるが理想的なカッコいい男の子。ちゃんと影も過去も女子のライバルもいる。そういう中で、時にはぐいぐいキスしてくるし、ちゃんと嫉妬もしてくれる。
 キラ君役は中川大志という人だが、ネットでみると当然のごとく福士蒼汰との比較がみられる。本当に似ていて、途中でなんだか分からなくなるくらいだった。まあ、ちょっとだけ不良っぽいという感じは確かにしたが。
 僕は美男では無いという自覚があるからどうしようもないが、女の子の多くは、このようなカッコいい男の子と、学園生活での妄想生活があるのではないだろうかと妄想した。こんなことがあると、確かに楽しいでしょうね。僕も映画を観ていて多少恥ずかしいとは思うものの、やっぱり楽しいな、と思いました。もうこの時代に戻りたいとは思わないけど、こんな映画を観て恥ずかしいと思うのは悪くないです。
 そういう映画なんでケチつけても仕方ないが、ニノの親の世代としては、ニノの父親の気持ちはこれっぽっちも共感できなかった。下手をするとこの子に生涯恨まれても仕方のない、どうしようもない親だと思った。子供は親の持ち物じゃないし、感情を逆なでされるような暴力を一方的に受ける存在では無い。もうちょっと考えましょうね。まあ、原作の所為かもしれませんけど。
 ということで、特にいい映画という事ではないけど、娯楽作なのでいいのである。
コメント
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