カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

長い夜

2017-12-18 | 掲示板

 僕は日常的に酒を飲むので、どこか酒を飲む日常というのを当たり前のように思っているところがある。もちろん下戸という人達がいるらしいというのは、頭の中では分かっている。それに体調のことを考え(させられて)休肝日だってあるので、自分自身が酒を飲まない日がある。入院して何日間か連続して飲まなかったこともあるし、10代以前の記憶はほとんど無いにもかかわらず、その頃には飲まなかったはずだ。だから飲まない日というのは、理解しているのである。しかしその、飲まない日常というのが、やはり今一つピンとこないというか、僕は自己中だから、理解しようとしてないというか。
 でも時々飲まない人の日常のことを聞いていて、なるほど、それで成り立つのか、とそれなりに驚く訳だ。
 以前知人の玄関のところに、ドアが風などで閉まらないようにだろう、重石がわりに缶ビールの塊をビニールテープで巻いたものが置いてあった。その色あせた缶ビールを見て、当然中身が入っているのを見て、ちょっと愕然とするものがあった。その人は「いやー、下戸にはこれくらいしか(缶ビールの)使い道が無くて…」と言っていた。
 吉行淳之介の短編(エッセイだったか)に、女の人が生花をもらって、高級ウイスキーか何か(たぶん洋酒)をドボドボと捨てて花を生ける話があった。読んだのは高校生くらいの時分だったろうけれど、十分その恐ろしさは理解できたものである。
 酒瓶などが溜まると邪魔になるというのは理解できる。しかし中身があるものでも邪魔になるなんて、ちょっと想像を超えている。もちろんつれあいは、そう考えているのかもしれないが。
 夜に酒を飲まないと、時々本当に時間を持て余す。テレビなんかを見ていても、特に面白くも何とも感じない。やることはあるはずだが、酒を飲めないまま何もやることをしなくていいなんて、とても不都合な感じがする。そのまま眠るのが、とても変な感じがする。そうしてやはり眠れるのかとても不安になる。早く朝になってしまえばいいのに。そう考えるだけで夜が長くなるような気もする。でもなんとなく眠くなってきて、しかし眠いと思いながら寝られなかったらどうしようと思う。飲まない日は、そんな余分なことを考えるから長くなってしまうのかもしれない。
コメント
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