カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

長期のリーダーを切望しているけれど

2012-04-24 | culture

 日曜の新聞を読んでいたら、ジャック・アタリが日本の首相をある程度の年数交代させない制度にすべきだと提言していた。
 日本に足りないのは長期的ビジョンであり、日本の産業の成功例は長期ビジョンのしっかりしたものが多いという指摘もなされていた。また、特に政治においては、国民に不人気な政策でも(つまり痛みを伴うもの)実行させる必要がある場合があると思われる。圧倒的多数や、強権的にならなければそれが出来ない訳で(それでも日本は出来なかったが)、そのためには、やはり不人気になってもある一定期間はそれが平気である必要がある。交代できないというのは、やはり長期的には利点が大きいようだ。もちろん大きく損なうことも可能そうだけれど…。
 まったくもってその通りなんだとは思うが、結論としては地方の首長制度を見本とすべきだということのようである。大統領制では無くと断りをしているのは、暗に日本には天皇がいるということなのかもしれない。いずれにしても、国民が直接首相を選ぶ制度にするということになれば、大統領制との違いはそんなに無いだろう。
 大賛成なのだが、これが簡単そうではないのは、やはり日本の政党政治制度において、直接選ばれた首相であっても、総出で国会が足を引っ張ることが目に見えているように思われてならない。米国でもレイム・ダックなどと揶揄されるように、手足を縛られる状態になってもリーダーシップを発揮できるのか微妙な時期がある場合がある。もちろん万能な制度などは無いのだから、今よりいくらかはましになるという程度なのかもしれないが、やらないよりやった方がいいということなのだろう。
 さらにまた問題に思えるのは、そのような大統領制なり長期首相制に移行させる議論も、今の国会で議論できる状態になりうるんだろうかということも、追い打ちをかけて不安である。何も決めきれない彼らに、そのような改革なんかが出来るはずもなさそうだ。国民世論が、そのような案に猛烈に支持をするということにならなければ、かなり難しいことであるだろう。
 そういった気運の高まりは、橋下市長人気を見ると相当ありそうな気はしないではない。しかしながら、橋下さんが国政に打って出ても、これが実行できる可能性は極めて低そうだということも、また事実として知っておくべきだと思う。マスコミでは盛り上がっているが、日本の国政選挙で維新の会が大局を占めるというのは、ほとんど夢物語だ。そうするとどのような連立を組んでという話になるが(その前にやはり選挙だが)、そういう政策調整が可能な政党など、やはり現在の日本には存在していないようにもみえる。
 結局は相当先に気運を見てやれるかやれないか問題であるということで、このような議論は不必要ではないにせよ、やはり今の状態を打開しうる案では無いという悲しい現実を思い知るのである。
 まあ、夢を見てなきゃやってらんないわけで、アタリさんには次の提言も期待しておこう。
コメント
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