カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

裸踊りといえば

2012-04-23 | culture
デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」


 裸踊りといえば、一般的にこのデレク・シヴァーズの有名なスピーチのことになる。この考察以外にも色々な場面でこの映像は有名になった。共産主義革命やら組合運動なんかは、実際は社会の多数派でなくとも革命をおこせたのは、このような少数でも強固なフォロワーの力が大きいとも考えられる。つまりやらせのようなものでも人々は動かせるのだ。
 しかしながらこの映像を考えるときは、やはり背景のほうが大きいのではないかという気がしないではない。人々は踊ってもよい、というか踊ったほうが断然楽しいという状態にあったにもかかわらず、そのきっかけをつかんでいなかった。むしろのんびり音楽を聴くような環境になかったのではないだろうか。あるていどの飽和状態にジェット飛行機が飛んでいくと飛行機雲が発生するように、共感の得られやすいきっかけや見本がそこに生まれたからこそムーブメントになったのではなかろうか。
 きっかけを作った人が、いわゆるイケてない、裸の踊りのあまりうまくもない、ひょっとするとラリっている可能性のあるアブナイ人のような感じであることが、この映像の面白さを醸成しているとは思うのだが、しかし、考えようによっては、そのような人でも人々を先導できるような土壌がすでにあり、図らずもその発見を彼がしてしまったという偶然が、このような感動的なムーブメントの見本になったように思われる。どんな時でも踊れば成せるという話では、やはり違うのではあるまいか。
 もちろんこの意外性が、楽しさを倍増させているということは言えて、計算してこの状態を作ることは、やはり難しいとも感じる。作ろうとした流行は、やはりその計算という行為が面白さを半減させてしまうのではなかろうか。
 レアケースから社会運動を解説するのは、やはりちょっとばかり無理がありそうな気がしないではない。面白いが、それはやはり面白いくらい奇跡的だったのではなかろうか。
コメント (2)
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