カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

朝バナナな毎日

2008-08-05 | 

 朝バナナ・ダイエットというのがあるらしくて、というかその通り実践してみたりしている。朝にバナナ二本とヨーグルトをとる。後はそんなに制限がないらしいとは聞くが、実は暴飲暴食を避けるだとか、就寝4時間前までに食事を済ませるなどという制約はあるらしい。たぶんそれはバナナのおかげというより、一番効果のあるのは最後の就寝4時間前何も摂らないというのが一番ダイエット効果のあることがうかがい知れるのだが、まあそれはいい。総摂取量を減らすと効果のあることは単純に当り前なので、朝飯を減らせるというのは間違いないのだから従うべしということだろう。最近の僕は朝ごはんが何より楽しみになっていたフシがあるので、それを減らせるならいいんじゃないかということだった。朝飯を食べなきゃ健康がどうだという人は、目的外の忠告なので退場した方がいい。健康目的にダイエットをして成功するほど甘い世界ではないのである。ダイエットははっきり言って見た目の正当性を目的にしなければ何にもならない。見た目がどうでもいい人が(僕の思想的にはどうでもいい派ではあるにせよ)ダイエットに成功するということの方が奇跡である。僕としては太っているからどうこうという議論に付き合いたくないのでダイエットをするつもりになったのと、長年の貯金を返済してチョイ人生改革の一環としてダイエットを楽しもうという趣旨である。ダイエットの所期の大きな目的はすでに達成したという気の緩みがあって、ここ一年という長いスパンにおいて、目に見える大きな変化はなかった。そういう反省もあって心機一転ということである。
 しかしこの朝バナナは意外にいい感じであるのは確かだ。何がいいかという第一は、そんなにつらくないのである。バナナ二本というのはそれなりに食べ応えがあるというか、飽きるちょうどぐらいの量なのだ。いや、最初はちょっとやっぱり少ないな、と感じていたが、毎日食っているとそれなりに飽きてくる。またバナナかよ、というような感慨も芽生えてくる。しかし空腹感はあるので食いだすのだが、二本も食うと飽きるのである。そしてそれなりに持ちもいい。調子がいいとそのまま昼も抜くことができる。まったく満足度が高い。食わなければ便の方が滞るわけだが、その方面にもいい感じなのかもしれない。しかし絶対量が減るとどうにもならないので、少し長いスパンの観察は必要だけれど、実感としてなるほどなあと思えるような感覚はつかんできた。
 年長の人にとってバナナというのはそれなりに貴重品であったという話は以前はよく耳にした。病気になって寝ているとバナナを食えるのが楽しみだった(滋養にいいので親が奮発して買ってくれるということらしい)というような話は定番だった。僕らの世代には段々とそんなもんかねという転換の時期だったのでピンとくる人と来ない人がいるのかもしれない。僕は特にバナナが好きだった記憶はないが、後に南国に一時住んでいたので、みずみずしい青いバナナは好きだった。日本に帰ってくると黄色い香りの少ないバナナに戻って、あんまり興味を失った。こんなに毎日バナナを食べるなんて人生において初めての経験であることは間違いがない。
 中国語でバナナを食えというとかなりの罵倒語になるが、意味としては想像できるだろう。まあそういう連想をするような食べ物なのだろう。僕はそっちの方面の想像力が働かない方らしく、あっそうという感じだが、不良っぽい連中はしょっちゅうそういう言葉を使っていたのは懐かしく思い出される。
 しかしバナナは熟れている方が甘味が増して旨くなるということは段々と分かるようになってきた。新しい斑点のないバナナはまだ香りや甘みが足りない。おそらく日本に持ってくる前は青々としたバナナだったものが、時間がたって黄色くなるのだろうと思う。熟れたものを出荷すると、日本に来た頃には痛みが激しいのだろうことは容易に想像できる。バナナは傷みやすいものであるらしく、激しく痛んでいるものはなんとなく気持ち悪くて食う気がしなかった。しかし毎日バナナを食っていると、その多少は傷んだもの方が、かえって食いがいがあるというか、果物としての醍醐味があるということがだんだんわかってきた。水木さんは熟れた果物を食すということだったが、やはり果物は熟れているということが何よりの価値なのかもしれない。
 僕はほとんど果物を食う習慣がなかったのだが、不思議なもので、バナナを食いだすことによって果物を好ましい食物と思うようになってきた。子供の時は食べていたのだが、大人になるとほとんど果物は食べていない。むしろ敬遠していたきらいがある。バナナがその偏見を取っ払ってくれたような感じもする。今年はスイカやメロンはそれなりに口にしている。そして旨いと思っているようだ。しかし果物というのは曲者で、かなりの糖分が含まれているようでカロリーも高いものが多いようだ。果物だけ食べていればそれはそれでいいのかもしれないが、食事プラス果物という組み合わせは、用心が必要なのかもしれない。新しいというか、呼び覚まされた味覚の芽生えに、ちょっと警戒しなくてはならなくなったことは間違いがなさそうである。
コメント
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