ゴルドベルク・ヴァリエーション No.25

2024-03-14 | 【断想】音楽

 昨日、日本テレマン協会によるコンサートで、バッハの「ゴルドベルク変奏曲」を聴いた。チェンバロを弾いているのは、高田泰治という方だった。
 その中で、印象に残ったのが、第25変奏曲だった。
 なんだか、憂愁感があった。
 それで、レオンハルトで、聞いてみようと思った。
 やはり、そうであった。
 「ゴルドベルク変奏曲」をこのように、選んで聴くのははじめてだ。
 生で聴いたからこそのことと思う。
 CDだと、つい聞き流してしまう。


“タンゴ・アパシオナード”

2024-03-14 | 【断想】音楽

 アストル・ピアソラ/ザ・ラフ・ダンサー・アンド・ザ・シクリカル・ナイト(タンゴ・アパシオナード)
 レコーディング:1987、8~9/アメリカン・クラーヴェ
  舞台「タンゴ・アパシオナード」は、ホルヘ・ルイス・ボヘルスの作品のイメージに基づいているとのこと。
 そう言う由来の曲である。
 ボヘルスの名は知っていたが、読んだことがないようだ。
 本棚を探したが、ボヘルス作と思っていた本は、別の作者によるものだった。
 ボヘルスの詩集を読もうと、このまえの日曜、本屋に行ったが、なかった。
 このCDには、「タンゴ・アパシオナード」は、2トラック。
 このアルバムの録音は、「ゼロ・アワー」と「ラ・カモーラ」の間の時期。


“ミッドナイト・スペシャル”

2024-03-12 | 【断想】音楽

 ここのところ、ピアソラの演奏を聴く。
 バンドネオンの音が、ハモンドオルガンを誘う。
 ジミー・スミスのミッドナイト・スペシャル、どうだろうか。
 スタンリー・タレンタインのテナー・サックス、いいな。
 あくまでジャズ。
 ジャージーだ。
 精神の位相が異なる。
 体質が違うと言った方がいいか。
 でも、ハモンドオルガンで、ピアソラ風タンゴができそうな気がする。

 


“ゼロ・アワー:ZERO HOUR”

2024-03-12 | 【断想】音楽

 ピアソラのレコード「ゼロ・アワー」のはじめの2曲を聴いた。
 これは、ただ者でないと感じた。
 その音楽は、人のさまざまな感情、思いを刺激し、誘い出す。
 愛や死、憎しみ怒り、諦め・絶望や希望、嫉妬や奢り・・・。
 悲しみや歓び、戦争と平和、優しさ、嘲り・・・・。
 泥水をくぐりて浄き蓮の花・・・と言う感じ。
 3曲目以降も、しっかり聴きたい。
 それなりに、集中できる状態のなかで。

 君は梟になって 僕の近くに来てくれた
 黒い木立のなかで ホーッホーッと鳴いてくれた

 とてもやっかいだけど
 俺は生きなくてはならない
 愛するものを大切にしたい
 君の死臭で他人を不快にさせたくない
 愉しくはないが
 俺にできることはやりたい

 レコード(CDディスク1枚)には、楽曲7曲(46分)
 1 タンゲディアⅢ(04:40)
 2 天使のミロンガ(06:31)
 3 五重奏のためのコンチェルト(09:07)
 4 ミロンガ・ロカ(03:11)
 5 ミケランジェロ'70(02:51)
 6 コントラバヒシモ(10:19)
 7 ムムキ(09:39)

 どうしてこんなに波が立つのか。
 そうでなくても、生きていられるだろうに。
 必ず平穏はあるはずだ。
 3、4と聴いた。
 今は、「ミケランジェロ」。
 俺は決して赦さない。
 俺をこんなにしたものを。
 どうしても、この牢獄から逃れられない。
 こんなに、胸がかきむしられる音楽は少ないな。
 6曲目を聴いている。
 今夜は、ここでお終いにしよう。
 日が変わり、さて、ラストの1曲。


“ジム・ホール・イン・ベルリン”

2024-03-10 | 【断想】音楽

 IT'S NICE TO BE WITH YOU - JIM HALL IN BERLIN
 1969 MPS
 〈パーソネル〉
 ジム・ホール(g)
 ジミー・ウッド(b)
 ダニエル。ユメール(ds)
 〈収録曲〉
 1.ビートでジャンブ
 2.マイ・ファニー・バレンタイン
 3.ヤング・ワン・フォー・デブラ
 4.ブルー・ジョー
 5.イッツ・ナイス。トゥ・ビー・ウィズ・ユー
 6.イン・ア・センチメンタル・ムード
 7.ボディー・アンド・ソウル(身も心も)
 8.ロメイン
 美しく、淡い色合いで、穏やかな景色ガ描かれる絵がある。
 そうでない絵も多くある。
 ジム・ホールの音楽は、絵で言えば、前者のタイプである。


“ブエノスアイレスのマリア”

2024-03-10 | 【断想】音楽

 アストル・ピアソラによるタンゴ・オペリータ“ブエノスアイレスのマリア”
 オペリータは、通常言われるオペレッタ(イタリア語)。
 シナリオは、オラシオ・フェレール。
 1968年、ブエノスアイレスで初演されている。
 CDは、TELDEC。
 16場で構成されている。
 “ブエノスアイレスのマリア”、なんだか、きっといい作品という期待を持ってしまう。
 ナレーション、歌詞は、和訳をチラチラ読んだが、わかるのは傾向のみ。
  にもかかわらず、聴いていて、退屈しない。
 醸し出されている雰囲気、音楽が、惹きつけるのだ。
 CD2枚を少しづつ聴いた。
 そのうち、解説、和訳をしっかり読んで、ゆっくり聴きたい。

 


“ミンガス・リヴィジテッド”

2024-03-05 | 【断想】音楽

 チャールズ・ミンガスをリーダーとした大型編成での演奏である。
 ミンガスにとっては、初と言うことである。
 ガンサー・シュラーを指揮者としている。
 演奏者の中には、テッド・カーソン、ブッカー・アーヴィン、エリック・ドルフィー、ローランド・ハナ 他がいる。
 1960年の録音。レーベルはエマーシー。
 〈収録曲〉
 1.A列車で行こう
 2.プレイヤー・フォー・パッシブ・レジスタンス
 3.エクリプス
 4.ミンガス・フィンガス
 5.ウェアド・ナイトメア
 6.ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー
 7.ビモーナブル・レディ
 8.ハーフマスト・インヒビション
 ミンガスのグイグイ突っ走るような暴力的魅力からするとイササカ大人しいと感じさせるところもある。
 とは言うものの、そこらじゅうに雄叫びがあって、ミンガスならではである。
 改めて、ミンガスの卓抜さを感じる。
 人声・ヴォーカルも混じり、独特の世界が広がる曲もある。
 


“マイ・ファニー・バレンタイン”

2024-03-03 | 【断想】音楽

 マイルス・ディヴィスの「クッキン」での“マイ・ファニー・バレンタイン”。
 演奏しているのは、マイルス・ディヴィス、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ。
 1956年の録音だ。
 レッド・ガーランドのピアノを確かめたくて聴く。
 先日も聴いた。これで、二度目。
 レッド・ガーランドの1983年録音の「ラスト・レコーディング」を聴いた後に、これを聴くと、以前とは異なるイメージを彼にいだく。
 レッド・ガーランドには、もともと、「ラスト・レコーディング」で強く感じさせたものの素地があったことを。
 うまく言えないが、人の生にともなう孤愁感のようなもの。 


ラテン/ドルフィー

2024-03-02 | 【断想】音楽

 以下の2枚のアルバム、名前からして、同じ顔ぶれによる演奏かと思うが、そうではない。別ものである。
 ●キャリベ/ザ・ラテン・ジャズ・クインテット・ウィズ・エリック・ドルフィー(1960年8月19日録音 : PRESTIGE)
 ●ラテン・ジャズ・クインテット・ウィズ・エリック・ドルフィー(1960~1961年録音 UA/EMI) 
 「キャリベ」は、随分むかしに、LPで入手したものだ。
 もう一枚は、「キャリベ」とは中味が異なることに気づいて、最近入手したCDである。
 エリック・ドルフィーが好きな私としては、聴いておかなくてはと手に入れたのである。
  ラテン・ジャズ・クインテットのリーダーは、フェリペ・ディアスなるヴァイブ奏者だそうだ。
 〈収録曲〉
 1.ユーアー・ザ・キューティス・ワン
 2.スピーク・ロウ
 3.アイ・ガット・リズム
 4.チュニジアの夜
 5.チャ・チャ・キング
 6.アイ・ウィッシュ・アイ・ワー・イン・ラヴ・イズ
 7.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
 8.ラヴァー
 9.マンゴリーナ
 10.エイプリル・レイン
 ラテン・ムードいっぱいのアルバム。
 その中で、ドルフィーも愉しくやっている。
 全体として、悪くはないが、それだけ。


“ファニー”

2024-03-01 | 【断想】音楽

 ジャズ・ピアニストのレッド・ガーランドの「ザ・ラスト・レコーディング」。
 60年の生涯の最後のレコーディング。
 サンフランシスコのキーストーン・コーナーでのライブである。
 新宿のディスク・ユニオンで、たまたま見つけ、入手したCDだ。
 はじめに、収録されている一曲「マイ・ファニー・バレンタイン」を聴いた。
 凄く感じるものがあった。
 レッド・ガーランドは、ニューヨークで、マイルス・ディヴィスやポール・チェンバース、アート・テイラーらと活動した後、ダラスに引きこもってしまう。
 何があったのだろうか。
 自分の胸にだけ、しまっておくような何かがあったのではなかろうか。
 音楽上のことでなく、プライベートなことで。
 サンフランシスコでのラストの演奏を聴くと、そんな想像をしてしまう。
 人に語ることのない何かを心に秘めながら、ピアノを弾いているのでないかと。
 この想像は、違っているかも知れないが、そんな男の心が感じられる。
 優しげで、淋しげで、美しい。
 ハードバップ調だけではないのだ。
 「ラブ・フォー・セール」のしめ、沁みるね。
 このアルバムには、続くもう一枚があるようだ。
 RED GARLAND TRIO
   RED GARLAND(p)
   JAMES (b)
   EDDIE MARSHALL(ds)
 THE LAST RECORDING / My Funny Valentine
 1983Rec /  MELDAC JAZZ
 1.HAVE YOU MET JONES
 2.WONDERFUL WONDERFUL
 3.MY FUNNY VALENTINE
 4,LOVE FOR SALE
 5.THE SECOND TIME AROUND