ジェリー・マリガンに「アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード」と言うアルバムがあることをガイドブックで知って、聞いてみようかと思っていた。
新宿のディスク・ユニオンで棚を見たが、見つからなかった。
それで、代わりに手にしたのが、次のアルバムだ。
CDケース表面に、GERRY MULLIGAN WHO'S WHO IN JAZZとあり、“APPLE CORE”、“LIMELIGHT”とだけ表示されていた。
裏面に、収録曲が8曲ならんでいた。演奏時間も演奏者も、いつどこで録音されたかも記されていない、なんとも情報不足のものだった。
ただ、裏面にならんだ曲が、親しみをもてたので買った。
あとで、ケースを開くと、中には、ライナーノーツもなかった。
CD盤にプリントされた文字を見て、やっと、もとのアルバム名を知った。
以下の通りであった。
だけど、そこにも、演奏者名はなく、ネットで調べて判明。
「ライオネル・ハンプトン・プレゼンツ・ジェリー・マリガン」(1977 アメリカーナ・ソングス:SEEM)。
ジェリー・マリガンも演奏しているが、ライオネル・ハンプトンをリーダーとしたアルバムじゃないかと気づいた次第だ。
もともとのジャケットは、このCDケースのもとは、異なるようだ。
実際に聞いてみると、なかなかにグッドな演奏である。
きれいで、嫌味なく、ジャズの愉悦に満ちている。
ハイ・センスなおもむき、洒落た香り、上品な大人のただずまいを感じさせる。
「ブライト・オブ・ザ・ファンブル・ビー」は、ラテン・ムードで、コンガだろうか、よく響く。
全体に、ドラムのドンドンというかドスドスというのか、ちょっと邪魔。
「ジェリー・ミーツ・ハンプ」のヴィブラフォンは、ミニマル・ミュージックというのだろうか、この言葉の使い方が間違っているかも知れないが、短い旋律を若干のヴァリエーションで繰り返している感じ。
「ブルース・フォー・ジェリー」は、ジャージー。
「ライン・フォー・ライオンズ」は、落ち着いた定型ジャズ。ジェリー・マリガンの音の魅力が愉しめる。
「ウォーキング・シューズ」は、なんだかウキウキ、ウエスト・コーストの香り。
〈パーソネル〉
ハンク・ジョーンズ(p)
ジェリー・マリガン(bs)
キャンディド・カメロ(per)
グラディ・テイト(ds)
バッキー・ピザレリ(g)
ライオネル・ハンブトン(vib)
〈収録曲〉
1.アップル・コア
2.ソング・フォー・ジョニー・ホッジス
3.ブライト・オブ・ザ・ファンブル・ビー
4.ジェリー・ミーツ・ハンプ
5.ブルース・フォー・ジェリー
6.ライン・フォー・ライオンズ
7.ウォーキング・シューズ
8.ライムライト