ケン・マッキンタイアーのリーダー・アルバム「ルッキング・アヘッド」。
1960年録音で、Swing-New Jazz-ビクター・エンタテイメントからの一枚である。
「ルッキング・アヘッド」と言うと、セシル・テイラーのアルバムの方が知られていると思うが、こちらは、エリック・ドルフィーの隠れ名盤と評されている。
ただ、このアルバムは、ドルフィーとはおもむきの異なるアルト・サックス奏者であるケン・マッキンタイアーとの共演で、そこに独特のおもしろさがあるとも評されている。
以前から、聞いてみたい一枚であったが、なかなかお目にかかれなかった。
ところが、先日、ひょっこりLP盤を見つけ、購入した。結構高い値がついていた。
そうしたら、その後、廉価なCD盤も見つけた。なんだか、がっくり。
演奏メンバーは、以下の通りである。
ケン・マッキンタイアー(as,fl)
エリック・ドルフィー(as,fl,bcl)
ウォルター・ビショップ(p)
サム・ジョーンズ(b)
アート・テイラー(ds)
〈曲目〉
A-1 ラウティア
A-2 カーティシィ
A-3 ジョーズ・チューン
A-4 ゼイ・オール・ライト
B-1 ヘッド・シェイキン
B-2 ディアンナ
無邪気に、巫山戯て演っているかのようなケン・マッキンタイアーのアルト。
なんとも摩訶不思議なムードが、そこにある。
それに、あわせて、ドルフィーもお茶目である。
ピアノもトイ・ピアノじゃないのと言う雰囲気。
名盤というと一般的、希(まれ)盤と言った方が、賛となりそうだ。
なんだか、ヘンテコで、気に入りました。
ちなみに、「ルッキング・アヘッド」は、〈前方を見る〉と言うような意味。
どこが、〈ルッキング・アヘッド〉なのだろうか。
懐かしい、単細胞。
ハード・バップのスタイルの一作である。
梁塵秘抄の有名な歌があたまに浮かぶ。
遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん
遊ぶ子どもの声聞けば
わが身さへこそ揺るがるれ