“ルッキング・アヘッド”

2023-08-22 | 【断想】音楽

 ケン・マッキンタイアーのリーダー・アルバム「ルッキング・アヘッド」。
 1960年録音で、Swing-New Jazz-ビクター・エンタテイメントからの一枚である。
 「ルッキング・アヘッド」と言うと、セシル・テイラーのアルバムの方が知られていると思うが、こちらは、エリック・ドルフィーの隠れ名盤と評されている。
 ただ、このアルバムは、ドルフィーとはおもむきの異なるアルト・サックス奏者であるケン・マッキンタイアーとの共演で、そこに独特のおもしろさがあるとも評されている。
 以前から、聞いてみたい一枚であったが、なかなかお目にかかれなかった。
 ところが、先日、ひょっこりLP盤を見つけ、購入した。結構高い値がついていた。
 そうしたら、その後、廉価なCD盤も見つけた。なんだか、がっくり。
 演奏メンバーは、以下の通りである。
 ケン・マッキンタイアー(as,fl)
 エリック・ドルフィー(as,fl,bcl)
 ウォルター・ビショップ(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 アート・テイラー(ds)
  〈曲目〉
 A-1 ラウティア
 A-2 カーティシィ
 A-3 ジョーズ・チューン
 A-4 ゼイ・オール・ライト
 B-1  ヘッド・シェイキン
 B-2 ディアンナ
 無邪気に、巫山戯て演っているかのようなケン・マッキンタイアーのアルト。
 なんとも摩訶不思議なムードが、そこにある。
 それに、あわせて、ドルフィーもお茶目である。
 ピアノもトイ・ピアノじゃないのと言う雰囲気。
 名盤というと一般的、希(まれ)盤と言った方が、賛となりそうだ。
 なんだか、ヘンテコで、気に入りました。
 ちなみに、「ルッキング・アヘッド」は、〈前方を見る〉と言うような意味。
 どこが、〈ルッキング・アヘッド〉なのだろうか。
 懐かしい、単細胞。
 ハード・バップのスタイルの一作である。
 梁塵秘抄の有名な歌があたまに浮かぶ。
  遊びをせんとや生まれけむ
  戯れせんとや生まれけん
  遊ぶ子どもの声聞けば
  わが身さへこそ揺るがるれ