【本の紹介】
●戦国武将の辞世/加藤廣著/朝日新書/2017年5月30日発行/760円
タイトルと中味がいささか違う。戦国時代の武将たちを中心に、辞世であったり、生前に語った言葉のアンソロジーである。例えば、蓮如が生前に語った言葉や毛利元就の「三本の矢」の話。
それぞれの武士他の人物評価、その言葉の背景等が記されているが、なんだかスカッとしたところがない。著者にある何らかの屈託のせいだと思う。
宮本武蔵では、「我ことにおいて後悔せず」がとりあげられている。一聞、いさぎよさをあらわすかのような言葉であるが、著者は次のように指摘。
「考えようによっては女々しい」として、「逆説的に捉えれば、その心中では、いつも、自分の人生は失敗ではないかと疑っていたのではないか」と。これには、納得した。そして、先日、友人達が、某氏を偲んで刊行した本の表紙に、「我ことにおいて後悔せず」の言葉が印刷されていたのを思い出した。某氏の好きな言葉だったのだろう。某氏の生き方のことが気になった。
以下、本の中にある歌で、いいなと思ったもの。
豊臣秀吉:露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢
佐々成政:かく計り 替り果てたる 世の中に 知らでや雪の 白く降るらん
黒田長政:此の程は 浮き世の旅に 迷い来て 今こそかへれ 安楽の空
武蔵坊弁慶:六道の 道のちまたに 待てよ君 後れ先立つ 習ひありとも
大谷吉継:契りあらば 六つの衢に 待てしばし おくれ先立つ たがひありとも
細川ガラシャ:散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なり 人も人なり
浅野内匠頭:風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん
●戦国武将の辞世/加藤廣著/朝日新書/2017年5月30日発行/760円
タイトルと中味がいささか違う。戦国時代の武将たちを中心に、辞世であったり、生前に語った言葉のアンソロジーである。例えば、蓮如が生前に語った言葉や毛利元就の「三本の矢」の話。
それぞれの武士他の人物評価、その言葉の背景等が記されているが、なんだかスカッとしたところがない。著者にある何らかの屈託のせいだと思う。
宮本武蔵では、「我ことにおいて後悔せず」がとりあげられている。一聞、いさぎよさをあらわすかのような言葉であるが、著者は次のように指摘。
「考えようによっては女々しい」として、「逆説的に捉えれば、その心中では、いつも、自分の人生は失敗ではないかと疑っていたのではないか」と。これには、納得した。そして、先日、友人達が、某氏を偲んで刊行した本の表紙に、「我ことにおいて後悔せず」の言葉が印刷されていたのを思い出した。某氏の好きな言葉だったのだろう。某氏の生き方のことが気になった。
以下、本の中にある歌で、いいなと思ったもの。
豊臣秀吉:露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢
佐々成政:かく計り 替り果てたる 世の中に 知らでや雪の 白く降るらん
黒田長政:此の程は 浮き世の旅に 迷い来て 今こそかへれ 安楽の空
武蔵坊弁慶:六道の 道のちまたに 待てよ君 後れ先立つ 習ひありとも
大谷吉継:契りあらば 六つの衢に 待てしばし おくれ先立つ たがひありとも
細川ガラシャ:散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なり 人も人なり
浅野内匠頭:風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん