銚子・角巳之・三代目

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合成の誤謬(ごびゅう)②

2006年09月15日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0443 2006年版の中小企業白書によると、(中小企業の)01年~04年の年間廃業数は29万社に達したと報告されております。このうち少なくとも1/4が後継者がいない事に起因しているそうです。さて昨日の続き、畜産業も水産、農産同様に後継者不足が著しい。これら産業は3Kだとか、労働の対価(報酬とか社会的地位など)が低いとか、様々な事が言われ、食糧生産は国の根幹と言われながら、なかなか後継者になろうとか、それら産業に身を投じようとする方は少ないようです。昨日からの話、儲かれば後継者は増える。この話が発端でした。儲かって魅力のある産業であれば黙っていても後継者は増える。これは一理有ります。ただし十分条件ではない。畜産の後継者とこんな事を話しをした翌日、魚の処理を朝方まで行っていた時、一緒に行っていた方々から、この仕事は、仕事であるが故に儲かるようにしなければならないが、同じ1万円を稼ぐだけなら、他にもっと肉体的苦痛の少ない職業はいくらでもある。何故この仕事を行うかについては根底に使命感とか責任感という事が不可欠で、最初に儲かるでは続かない。そんな話が有りました。合成の誤謬と言う言葉を初めて聞いたのが大学4年の時、皆が経済合理性ばかりに囚われて行動すると将来的に多くの不都合が生じる。就職に際してはその事を熟慮し、20代、30代はむしろ合理性を排除し、人間力を磨けと経済学の先生から言われたことが有ります。当時は全く意味が分かりませんでしたが....。続きは明日。写真はアオサギがいたところに今度は白サギが居ました。恐らくチュウサギかダイサギかと思います。


合成の誤謬(ごびゅう)①

2006年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0444_1 経済学用語に“合成の誤謬(ごびゅう:間違い、誤り)という言葉があります。部分最適の総和は全体最適ではない。と言うものであります。例えば、安価で美味しい外国産の商品(例えば魚など)があったとします。安くて美味しい商品ですから、多くの方は家計が助かるとそれらを支持します。個人、個人のレベルで考えればこれは賢明な選択と見ることが出来ます。ただし、すべての人がこう考え行動すると、国内商品は廃れ、国内産業に携わる人の職が奪われ、経済成長が鈍化し、自給率が下がる。個人のレベルでは最適であっても(安くて美味しいものを買って何が悪いんだと言う事です)、その個人、個人の最適を重ねても全体の最適にはならない。そういうことであります。何故こんな話を持ち出したかと言いますと、先日、畜産業の後継者とジックリ話す機会があったからで、彼と話していて突然、合成の誤謬と言う言葉を思い出した次第です。この詳細、続きは明日にします。写真は数日前の銚子港。こんなところにまでアオサギがきてました。


なめろう

2006年09月13日 | 銚子のうまいもの

100_0461 昨日のサンマの押し寿司はプロの作った逸品。こちらは家庭で作ったアジのなめろう。銚子では総称してアジのたたき。と言っているようで、あまり“なめろう”という名前は一般的でないように思いますが、名前はともかくこれまた絶品であります。アジを三枚卸、ひたすら叩いて味噌と生姜。以上です。“なめろう”、焼いて“さんが焼き”という名称は房総半島南部、九十九里の漁師町の呼び名のようですが、本当に名前はともかく、アジはこうやって食べたら最高。その典型です。漁師町ではこれらを酢で〆て、“水なます”という郷土料理などもあります。サンマ同様、アジもたくさんの食べ方があります。アジフライ、叩き、一辺倒ではこれまたアジの魅力が半減です。因みにアジは“アシ”と言われる身の弾力性が強く、ツミレ等に加工すると弾力が強く、歯ごたえがあるツミレに仕上がります。サバ、イワシは反対で“アシ”が弱く、ツミレにすると弾力が弱い。最近は魚の特性関係ナシに食品添加物で如何様にも。という時代ですが、前浜で活動している以上、この魚の特性にはこだわりにこだわって参りたいと思っております。因みにアジですが、最近は日本中で品不足。築地の仲間に昨日聞いたところ、築地市場で高いものは4000円/㎏を越えているとか。回遊性のクロアジ(銚子のアジ)、根付きのキアジ(関アジ等)に関わらず、アジも高級魚の仲間入り。そんな状況なのでしょうか。


サンマの押し寿司

2006年09月12日 | 銚子のうまいもの

100_0459_1 サンマの美味しい季節です。銚子港にもサンマ船が入港し、賑わっております。やはりサンマは塩焼きが一番なのでしょうが、いくら美味しくても塩焼き一辺倒では飽きてしまいます。サンマは非常に料理用途が広いのですが、あまり知られていないのが実情ではないでしょうか? さて写真ですが、銚子大橋近く、A寿司店の名物・サンマの押し寿司です。9月に入って3度食べましたが、あまりに美味くて言葉が出ないと言うくらいの逸品であります。サンマの脂、酢の加減、シャリの具合....、絶妙です。ここの若旦那は非常に研究熱心で、何よりも“おもてなし”という事を非常に大切にしておられます。店内を飾る花や装飾も自らアレンジし、おまかせコースで2回目のお客様が来店されたときは前回と同じ料理は出さない。という徹底振り。若旦那は私より年下でありますが、こういうおもてなしの姿勢は見習わないと。といつも感心しております。料理は作った人の人柄がそのまま出る。この寿司はこの典型例だと思います。


犬岩

2006年09月11日 | 銚子の風景

100_0361 今年は戌年、記事の内容に戌年をちなんだものを。と思っておりましたが、思っているだけでもう9月になってしまいました。ちょうど犬岩(いぬいわ:何となく犬の形に見えると思います)付近を通り掛りましたので掲載します。銚子の観光ポスター等に良く使われる風景ですが、プロのようには上手く撮れませんでした。悪しからず....。


華子さん

2006年09月10日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0463 本日はちょっと休憩。写真は私の恩師の愛犬(愛娘)華子(はなこ)さんです。恩師が近くの里山を散策していたら、今にも死にそうな、つぶらな瞳の子犬が、私を連れて帰ってと震えながら訴えていたそうです。以来、人間様以上の環境を与えられ、ご覧のような無防備な姿で日々安穏と暮らしております。犬の居る生活はいいものです。恩師の家を訪問させて頂く度、人間様の前に花子さんに挨拶に行ってます。全身で喜びを表して大歓迎してくれます。それにしても、幸せそうな寝顔です。


家族団らんは豚肉で...

2006年09月09日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0465 昨日、豚のTシャツを掲載しましたら、思いの他?反響が大きく、少々驚いております。どこで売っているのですか?というメールが多かったですね(これは非売品なので....)、あまり知られていないかもしれませんが千葉県は養豚王国でもあります。酪農の発祥地でもあるし、野菜、水産物の出荷量も全国トップクラス。要するに食べるものは何でも有る訳です。何でも有る豊かさに気が付かず、東京の隣の田舎という烙印を押され、私の住んでいる銚子のような利根川流域は、千葉と茨城の合成、“ちばらき”という褒め言葉さえ頂いております。ただしこれは今までの話。多くの方が千葉の魅力に気が付いて、特に食糧生産に関しては首都圏の命の維持を担う、最も重要な県の1つである。そういう認識の方非常に増えております。写真は銚子の隣、旭市に掲げられていた看板。旭には衛生的で非常に大きな食肉処理場があり、周辺には農業、畜産業がバランスよく配置され、近郊に飼料の基地・鹿島港が控えております。まさに畜産に関しては絶好の立地です。旭は肉のまちとして市内の至るところに写真のような看板を見つけることが出来ます。銚子を含めて、これら地域全体で宮崎参協グループ(ブログ左側にカテゴリを作りました)のような活動が出来たら最高だろうなといつも思っております。


豚のいない人生なんて...

2006年09月08日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0433 水産の現場で日常を過ごしておりますが、12年携わった畜産とのご縁は、離れてなお強くなっているように感じています。水産から畜産を、畜産から水産を眺めると多くの共通項があったり、思わぬヒントがあったりします。さて写真、畜産専門誌の編集部の方々から頂いたTシャツです。No Pig , No Lifeと書いてあります。さしずめ、豚のいない人生なんて。とでも訳すのでしょうか。豚は沢山子供を生む事から転じて、幸多かれに通じ、世界各国で幸運の動物として大切にされております。値段も庶民的。なれどその庶民的な値段を実現する過程で、日本に戦後100万軒近くあった養豚家が現在は6000軒前後へ激減。国内生産者も後継者不足、環境対策、衛生対策、飼料の確保....など様々な問題に直面しております。都市生活者の方々は豚肉は知っていても、豚は見た事がないかもしれません。私、未だに豚に接する機会も多く、これから豚さんや牛さん、鳥さんの事なども掲載していこうと思っております。


台風の余波

2006年09月07日 | 銚子の風景

100_0456_1 写真は一昨日の銚子港の風景。快晴でしたが海上を台風が北上し、海はご覧のような姿に変貌しました。まさに怒涛(どとう)という形容がピッタリ。岸壁からこの写真を撮ったのですが、豪快を通り越して恐ろしいと感じました。銚子の波は非常に強く、“突然”物凄く大きな波が襲って参ります。海に囲まれながら遊泳禁止が多い所以でありますが、この“突然”が非常に恐いと漁師さんが言ってました。近海の小型船はシケのため休漁となりましたが、この模様でも何隻か操業しておりました。ビルの3~4階に持ち上げられ、一気に落とされる。これが“絶え間なく”続く。考えただけでも漁師さんと言う職業は壮絶です。当たり前の事ですが、漁師さんがいなければ魚は無い訳で...。魚に限らず、農畜水産物が生産(漁獲)されている風景や、それを職業としている方々の存在。これを考えると目の前にある食べ物への感謝の念が益々強くなって参ります。


マツダイと言うそうです

2006年09月06日 | 銚子で揚った珍しい魚

100_0414_1 名前や素性が分からないけれど、銚子で揚がって写真に収めたストックの掲載を3日ほど続けました。日常が伝わらなくなるので、この辺でと書きましたが、早速投稿を頂いたので再掲します。この魚、マツダイと言うそうです。かなり獰猛な魚だそうです。この写真は手の平くらいのサイズなのですが、大きいものは1mを越えたりするようです。また食べると非常に美味いとの事でした。投稿頂きました“あんこマイスター様”(正体は分かってますよ...いつか一緒にルアー行きたいですね....)有難うございました。


キミは誰ですか?③

2006年09月05日 | 銚子で揚った珍しい魚

100_0146 あまりこういうのばかり掲載しますと、“日常”が伝わらなくなりますので、このシリーズはひとまずここまで。あと10枚くらいありますが、暫く自力で調べてみます。これまた不思議な魚。マンボウか?とも思いましたが、大きさは手の平くらい。マンボウの子供か?とも思いましたがちょっと違う気もする。ネズミのような風貌で、これまた可愛らしいと気持ち悪いに分かれました。昨日もそうですが、揚がった魚に、気持ち悪いでは失礼で、とにかく名前や素性を明らかにしてあげようと思っております。どちら様かお分かりの方がおられましたらご一報頂ければ幸いです。


キミは誰ですか?②

2006年09月04日 | 銚子で揚った珍しい魚

100_0144 この魚を見かけた時、周囲の方々の感想は、“可愛らしい”と“気味悪い”に分かれました。確かにちょっと可愛らしい気もするけれど、気味悪い気もする。しかも名前や素性がわからない...。以前掲載しました、アブラソコムツ(食用流通禁止の魚)と同じ網に入ってました。さて、この魚は何なのでしょうか?


キミは誰ですか?①

2006年09月03日 | 銚子で揚った珍しい魚

100_0414 名前は分からないけど珍しい魚の(写真の)ストックが何枚もあると申し上げましたら、何人かの方から、どんなものがあるのか一度掲載してくれと連絡を頂きました。自分で調べても全く分からないし、掲載したら誰か教えてくれるかも。と思いました。よって何枚か掲載します。写真の魚は何でしょうか? 大きさは手の平くらい、表面はヘビのような色や模様。持つとズシリと重量感、少々怖い風貌....。さてさて、これは何と言う魚なのでしょうか?


オアカムロアジ

2006年09月02日 | 銚子で揚った珍しい魚

100_0430 セグロの網の中に尻尾の赤いアジが混ざっていたので調べたら、オアカムロアジ(の子供)だと判明しました。ムロアジはマアジに比べ胴体が細く見た目で判明しますが、この魚は尻尾が赤いので一目瞭然でした。写真上に写っているのはゴボウセグロと言われるカタクチイワシの大型のもの。先般掲載しました唐揚げの原料です。これくらい大きいと刺身で食べると言う方もおります。それもこれも産地にいるからの話(鮮度劣化が非常に早いので)なんですが...。今週はアジの掲載を3度致しました。アジの仲間は非常に多いです。先日TVを見てましたら、アジの習性を紹介しておりました。サメに襲われた時、アジは逃げるのではなく、サメにまとわりついて離れないそうです。こうするとサメには食べられないし、マグロやカジキもサメの側には近寄れない。何とも頭の良い巧妙な自己防衛です。自ら敵の懐に飛び込んで窮地を回避する。何て度胸があり、頭がいい魚だろうと感心しておりました。アジの仲間が多いのも、そんな生き残り術を身に付けた種族だから。なのかもしれません。


持続可能

2006年09月01日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0412 本日9月1日、新学期が始まり、銚子の底引き網も解禁....、何かと節目の日であります。節目の日に当たり、何を掲載しようかと悩みましたが、出てきた答えが“オーガニック”でした。オーガニックという言葉、良く聞くようになりました。有機などと呼ばれたりもしています。有機野菜という表示もスーパー等でよく見かけます。“有機”と名乗るからには、そこには厳格な基準がある訳ですが、難しい事はさておき、有機とは“持続可能な方法で生産された生産物の総称”と勝手に解釈しております。この“持続可能”非常に大切な考え方であると思います。長くなるので本日はキーワード“持続可能”を持って節目の日の掲載に代えさせて頂きます。本日で267日継続しましたが、これまた持続可能を考える一助となっております。オーガニックに関しては以下HPをご参照下さい。オーガニックに関する初歩的なことから、専門的なことまで本当に勉強になります。http://www.joia.jp/