銚子・角巳之・三代目

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合成の誤謬(ごびゅう)③

2006年09月16日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0445_1 先週の日曜日、NHK特集にて“マグロが食卓から消える日”という番組が放映されておりました。資源保護の見地から漁獲量が激減、日本以外にもマグロを食べる国が増えて、今までは日本の独断場であった水産物輸入の現場で、次々と“買い負け(日本より高く買う国が増え、日本に商品が集らない)”しているとありました。水産関係者の間では数年前から言われていた事ですが、これが一般向け、しかもNHK特集で放映される事、事態の深刻さを物語っております。安くて美味しいマグロは庶民の味方。なれどその殆どが輸入。次々と実態が明らかになっております。安い、安いと一皿100円、200円のマグロの寿司を楽しんでいたら、実はそれには構造上の無理が沢山有って、気が付いたらマグロが食卓から消えるかも。そんな状況なのだそうです。これまた合成の誤謬の一端。個人、個人の行動は安くて美味しいマグロ寿司が食べられて幸せ。これは賢明な行動でありますが、供給側は売れ筋商品になってしまうと、それが構造上無理であっても、消費の減退が怖くて無理に無理を重ねる。しわ寄せは上流へ(仲買、市場、漁師...)と向かい、水産物のように世界的な資源となると、他国の動向とか、資源保護とかそういう要因も加わってさらに複雑になって行く訳です。そもそもマグロは安い商品なんでしょうか?トロだけのマグロは居るはずもないのに...。ご馳走が無くなった弊害でもあるし、このマグロ問題は水産のみならず日本の食の構造上の象徴的事例であります。続きは明日。写真は第三漁港。突然の高波に泳ぎ上手のカモメが流されてました。