銚子・角巳之・三代目

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TPP④

2010年11月16日 | 日記・エッセイ・コラム

004 またまた遡って....。1929年、米国の株価大暴落に端を発する、世界大恐慌は、その後の経済・雇用情勢を著しく劣化させ、世界各国は他人のことなど構ってられるか....ということで、強烈な保護主義政策を展開する。これじゃ、まずかろうと言うことで国際的な是正政策などが提案されるけれど、出てきたのは自国に都合の良い仲間同士で繋がった“ブロック化”.....。この“ブロック”対“ブロック”こそが第二次世界大戦の構図。上記。ものの本などに良く掲載されている内容であります。昨今の世相と重ね合わせるといかがでしょうか?.....。経済情勢の悪化~保護主義~ブロック化~...、今までは抑止力とか、戦争の悲惨な語り部の存在とか、いろいろな要素が重なって、まさか戦争なんてね...、ということで有りましたが、戦後60年以上が過ぎ、語り部、生き証人の方々も一人、また一人といなくなって....。誤解を恐れずに言えば、戦争は最大の破壊・再生産の産業....。武器弾薬などはコスト意識も関係なく、消費されてまいります...。破壊の後には復興があり、膨大な物資が動き、雇用も発生してまいります...。さてさて、戦争の是非論ではありません。TPP,TPP....。今から30年前に提起され、20年ほど前に見直された“環太平洋連帯構想”もいわゆるTPP問題だったのだろうと思います。関税とか、経済ではなく、日本がこういう動きをすると、必ず出てくるのが“大東亜共栄圏構想”....。みんなで協力し、アジア人の繁栄を。ということだったのでしょうが、実態は南方資源地帯の確保を....。竜馬伝も佳境に入っておりますが、竜馬や幕末の志士達が目指したものは何であったのでしょうか?幕末も第二次大戦時も現代もパラダイムシフト(時代の構造転換)を迎えているということは事実。....。経済問題を経済で考える。農業問題を農業で....、いやいやみんな繋がっている。最終的に歴史観とか、哲学とか、宗教とか、最終的に生き方とか....。そんなの理想論よ....と言っているうちに、どんどん時代は進み、自らは年を重ねてまいります。年を重ねるほどに変化を拒み、どんどん守り(保護主義)に....。にも関わらず時代は容赦なく変化してまいります。こういう問題に正解は無く、自分達が生きている範囲で答えが出ないかもしれない...。評価は後世の方々が....。かつて時代の大転換期に大きな志を持って行動した方々に思いを馳せながら.....TPP問題、大いに議論が盛り上がることを...。忌み嫌うべきは無関心...。無関心は権力の暴走を呼ぶ....。歴史が証明しております。今回の写真も本文とは全く関係有りませんが....。船腹をぐっと沈めたまき網の運搬船....。ここ数日、サバの大豊漁が続いております。サンマは殆ど揚がらない...海のことは本当に分からないものです。


ちょっと休憩

2010年11月14日 | 日記・エッセイ・コラム

003 本日、私は所用ありまして千葉県印西市~成田市の周辺におります。TPP続きは明日以降に....。最近サボりすぎだ....バカヤロー....という声が多いので....。先制攻撃....?.....。これまたいい訳ですが.....。写真はまき網運搬船。今週はサバ、サバ、サバ....でありました。魚価低迷、魚食離れ、後継者不足.....。否定的な言葉が多く飛び交いますが、やはり港町。水揚が多く、活気があるのはいいことだ。そう思わねばなりませんね....。先日、マサバの(1尾)1㎏以上と言う凄いヤツを船の甲板で見掛けまして、物欲しそうな顔で見つめていたら船の人が持っていけ....と。いや~、この時期のサバは美味い。美味い、うまい.....。それでは次回に....。


TPP③

2010年11月13日 | 日記・エッセイ・コラム

015 農業は食料を生産する“だけ”の産業ではない。折りしも、生物多様性年であり、名古屋議定書なんかが出来上がっている訳であります。それはそれ、これはこれ....という議論ではない。全部繋がっている....。繋がっているのに分断して考えると不都合ばかり。全部か?ゼロか?という極論に至り、まあまあ折衷案を採りましょうか?というと全部駄目になる.....。これまた極論に聞こえるかもしれませんが、結論はあれもこれも。製造業の国際競争力を強くして、農業も守る....。個人的にヒントは田んぼの生き物調査と、それらを体験して感じるその世界観であります。地域活性化(あまり好きな言葉ではありませんが...)の議論にも通じるところがあります。外貨(地域外)で稼いだお金を、地域内で使ってはじめて活性化...。稼がねばならないけれど、稼いだものを地域で使ってはじめて....。地域で使うところがねえから、成田や千葉、東京にいくんじゃねか....と言うことでありますが、そういう方は今一度地域を見渡してみれば....。関税撤廃で国際競争力を付けた製造業が、その外貨を日本の食料だけを生産しているのではない農業に投じる....。それは自らが住む環境を守っているのは農業者である。このことに気付けばきっと...。国際社会と言えど、我々は日本語を話し、日本の空気を吸って、日本の水を飲み、日本の土から生み出される農産物を食べ、長い歴史を有する日本の先達に畏敬の念を持ちながら生活をしている訳であります。自給率は低いじゃねえか。なんでも安いほうがいいに決まっている....。こういう反論は良く出て参りますが、自らの根っこを否定する者は伸びていける訳きゃねえだろう....と。細かなことはバックナンバーをご参照.....。さて、今から30年前に、環太平洋連帯構想なる方向性が示されたことがあります。GUの時に、当時からすれば10年前のあの構想を見直そうという動きが出て参りました。たまたまその当時、私は大学生で授業で頻繁に出てきた言葉でして....。GNP世界1位の米国と2位の日本が市場をもっと開放して、地域全体としてのダイナミズムを....。横文字出てきました....。ダイナミズム...、原動力とでも訳すのでしょうか。当時は冷戦の真っ只中、中国では天安門事件が起きて....。続きは次回に。写真はこれまた本文とは何ら関係ありませんが、千葉県の漁業監視船・ふさかぜ・であります。我々は嫌われ者でね~。と乗務員の方々が言ってました....。が、嫌われ者になることを恐れず、職務に遂行されている訳であります。こういう方々がいないと、海は切り取り自由、そう共有地の悲劇になる訳であります。


TPP②

2010年11月11日 | 日記・エッセイ・コラム

016 今を遡ること17年前。米は一粒たりとも入れねえぞ。と臨んだガット・ウルグアイ・ラウンド(以下GU)にて、米を高関税で守る見返りに受け入れたミニマム・アクセス米は増え続け、現在80万㌧になりなんとしております。新聞報道などにによると、これらのうち行き場がなくなり国内で廃棄処分にされている米は1000㌧以上だとか....。何よりも、高関税で米や米農家を守れるはずであったのに、米価は1表24,000円から12,000円と暴落。農業従事者も410万人から260万人に激減....。高い関税を掛け、米を輸入しなければ米や農家を守れたはずなのに....と言うことであります。自分の周りを見渡すと、じいちゃん、ばあちゃんが昔から続く田んぼや畑仕事をしているけれど、子供達は継がない....。長男は家に残り、田植えや稲刈りは手伝うけれど、いつもは近隣の工場等でサラリーマンをしている。農業は専ら、じいちゃん、ばあちゃんとお嫁さんで。工場勤めをしていたご長男もそろそろ定年退職....。その子供達も農業は継がず工場勤務....。農業に戻るか?と思っても、じいちゃん、ばあちゃんも体がしんどくなってきて.....。農家の息子としてはTPP参加に反対と言わねばならないけれど、参加せずに日本の製造業の競争力が落ち、自分の息子達の工場が閉鎖になったら大変だ....。こんな声、良く聞こえて参ります。日本は資源に乏しく、海外から資源を購入して、それらを加工して輸出。その稼いだ外貨によって経済活動が成り立っているのは紛れも無い事実。近隣にある工場群が地方都市の雇用に多大な貢献をしていること、これまた事実。17年前、欧州や韓国は声高に農産物の高関税化を叫ぶのをやめ、農業は国民の総意によって直接支払いで守っていくという選択をしたんだそうです。高関税で入れないのではなく、市場は開放するけれど、買うか買わないかは自国民の選択。無理強いはしないでね....と。仮に市場開放によって農産物価格が半減しても、それは直接支払い政策によって差額分を埋める....。なぜならば農業は食糧を生産する“だけ”の産業ではないからだ....。続きは次回に。写真は本文とは全く関係ありませんがある日の銚子港。久しぶりのサバの大豊漁。水揚は夕刻を過ぎ夜中に及んでおりました。サバを購入した加工工場の方々はそれから選別加工....。仕事の終了は深夜を越えて朝方まで....。


TPP①

2010年11月09日 | 日記・エッセイ・コラム

010 もう言い訳はすまい....と思いながら.....。またまた久しぶりの更新、皆さんお元気でしたでしょうか....(最近は更新遅れ、開き直りです...すいません) さて、この間も色々有った訳ですが、気ぜわしいだけの酉歳....、三歩歩かなくても忘れる....。千葉県調理師会さんのイベントや、地元の小魚を使った食事会.....、で、写真は毎年恒例の日野市にて...。その他諸々...。日野市のイベント、今年で5年目になる訳ですが、この5年、これほどサンマが無い年は珍しい....。毎年楽しみにされている方々が大勢おりますので、気合は入れておりましたが、水揚がないものは無い....。形が似てるだろうということで、銚子港・小型底引き船水揚のカマス(写真)を持っていったのですが....。カマスは高級魚、予算は大丈夫なのか?と言うことでありましたが...。これは高級魚、これは雑魚....そういう区分けがおかしい訳でありまして。細かなことはさておき、日野の取り組みは本当に素晴らしい。詳細はいずれ..。前置きが長くなりました。連日TVで、TPPなる横文字が氾濫しております。正式には環太平洋戦略的経済連携協定というらしい...。要するにこれに参加した国々の間で関税を原則撤廃し、より野心的で大胆な(自国)産業の発展を。ということのようで、いつものように、日本は農業問題があるので、他のことを考えれば参加なんだけど、ちょっとね。と言っているうちに、はっきりしねえと、参加させねえか、参加他国の都合の良い条件を丸呑みさせるぞ.....と。農業は命の産業。故に安価な外国産が大量に入ってくることを防ぐため、高い関税をかけて守らねば....と言うことなんですが。農業が命の産業であることは全くその通り。人間は食べなければ死んでしまいますから。でも農業は食糧を生産する“だけ”の産業ではない。時あたかも生物多様性年。農業は環境はじめ、多くの活動に直結している。誤解を恐れずに言えば、国際社会の一員で、自動車等を海外に輸出して利益を上げ、その雇用や収益に依存している国が、農業は別だから関税を高くしますよ....では、筋が通らない。続きは次回に。


生き物調査&祭典から③

2010年11月01日 | 生物多様性

010 写真はいずれ詳細を。と思っております料理の数々。先日のはアクアパッツアで、本日はブイヤベース(中央)、左が地元野菜と地魚のサラダ(名前忘れました...)、右は小型の赤アンコウ(正式名称:ミドリフサアンコウ)....。売れないからと言う理由で銚子港で見捨てられていたものばかり.....。どうも私には生物多様性の議論と、自らが毎日通っている銚子港の魚のことがダブって見えております。名古屋会議も閉幕しました。議定書もまとまり、さあこれから....。と言うことなんでしょうが.....。複雑な多様性の話を端的に言い切ると、何かと誤解を生じますが、あえて言うなら、効率ばかりを求めないことなんだろうと思っております。諸問題はすべからく行き過ぎた効率追求と過剰適合....。振り子が右に振れると必ず反作用が左に起きて、その仕組みに過剰な適合をすると、その仕組みや組織が壊れた時に使い物にならない....。従って、柔らかく、しなやかに.....。柔らかく、しなやかでいるためには多様性が必要で....。さてさて、話はまたまた飛びますが、今回は卵のお話。ニワトリの卵であります。あのお馴染みの。世の中デフレが止まらない、お客様は価格に敏感と言うことで、物価の優等生・卵君は大活躍している訳であります。とにかく安い。10個入り・1パック100円。これで販売店も利益が出る?....。養鶏の専門家に聞くと、1パック100円で販売店も利益が出るような卵を作るには、最低100万羽以上のニワトリを飼育することが必要なんだそうです。売価から逆算して最適ロットを策定する、あの方法であります。今回はその否定ではありません。まあこれも多様性議論の一環。100万羽飼育しても、必要な社員の数は10人未満なんだそうです。一番高いのは人件費ですから...。完全に効率化されている。一方、知人の養鶏場の飼育数は4万羽。1パック・10個入りの平均売価は300円~400円。エサも自家製ゆえ、社員の方々が人力総動員....。ここは社員数25名。むろん、パートさんやアルバイトの方もおり、単純に比較は出来ませんが、何を言いたいのかというと、....ご察しの通りであります。多様性を失わせ、効率ばかり追うと、仕事が奪われていく....。極論かもしれませんが、その一面は絶対に否定し得ない。効率の中で椅子取りゲームか、非効率の中で働き方を変えながら新たな適合を探すか....。多様性の議論は深いと言われる所以でありますが、この問題は今後もずっと追い掛けます。一つのシリーズが長くなりましたので、本日でとりあえず一区切り。