銚子・角巳之・三代目

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生き物調査&祭典から②

2010年10月25日 | 生物多様性

018 写真はプロのシェフが作った本物のアクアパッツア(イタリア料理の定番)....。多様性を料理にたとえるとこの一皿に凝縮されるでしょう。銚子港に水揚されながら、キズがある、サイズが不揃いと言う理由“だけ”で価値を見出されずにいた小魚達....。アクアパッツアの詳細は後日....。さてブログの読者である某高校の先生から、多様性の話をすると、生徒から次のような質問がある....と。曰く、私はトキやコウノトリ、家で飼っている犬や猫は大切にしなければと思いますが、ゴキブリやネズミがいなくなっても私は何も困りません。むしろ不快なので消えて欲しい.....。間違ってますか...と。天然記念物やそれらに準ずる各地方の動植物、愛玩動物、それらは大切にと思うけれど....。高校生なら当然出てくるであろう疑問....。ここでゴキブリやネズミが自然の中でどんな役割を担っているのかを理路整然と述べたところで、不快というただそれだけで心を閉ざすことでありましょう。ゴキブリやネズミは動物の死骸の処理や、他の生き物のエサ....とにかく沢山役割があって、これらが死滅してしまったら生態系のバランスが崩れ....と、これまた閉ざした心には響かない....。あいつは俺より仕事が出来ないのに出世した、給料が多い....、大人の愚痴話の定番も同じようなものかと...。しかしながら多様性を語る時、そこには他者を認めるとか、自分だけのモノサシで物事を決め付けないとか、実に様々な与件が絡んでまいります。そういえば、私がかつて所属していたところでは帷幕(いばく)なんていう言葉も。帷幕、幕の裏の意で、裏方役を指しております。帷幕を大切にしないチームは勝てない....。これはスポーツの世界に限らず、絶対の真理であります。冒頭のアクアパッツア.....。今までは意味がないと思われた、小型ホウボウの頭とか、カワハギの皮とか、それが一つに合わさると、何じゃこりゃ.....という味になる訳であります。多様性の話は宗教とか歴史観とか、最終的には生き方とか、実に様々な要素が絡んで参ります。続きは次回に。


生き物調査&祭典から①

2010年10月24日 | 生物多様性

005_2 田んぼの生き物調査のタイトルが少し長くなってきたので、タイトルを変えました。また今年は多様性年ですので、今までの整理を含めて生物多様性のカテゴリーを追加しました。今まで掲載させて頂いた項目を整理し、いずれカテゴリーをまとめます。さて先般のマグロの例え?、あれは?というご指摘をいくつか頂きました。何も含むところはありません。例えの出し方が相変わらず下手だったようで....。秩序あるものは必ず崩壊に向かう....。エントロピー増大の法則から逃れられないとするならば、それを上回る、より強いものを作ればいいじゃないか?と言うことになるのですが、歴史を見るまでも無く、そうならないのが世の常でして....。より強くでは無く、より柔らかく、よりしなやかに、時に自らを壊してまで変化に対応していく....。生物の世界で頻繁に起こっていることであります。そして“多様性”を保つこと.....。大企業と中小企業、都会と地方都市、これまた例えが適切かどうか分かりませんが、大企業や都会のほうが多様性に満ち溢れている。一般的に言って、数が多ければ多いほど多様性に富み、変化に対応する“節目”が出来やすい...。その節目の形や結ばれ方が多岐に渡るほど、その集団は強靭になり、変化対応力を持ち、強い復元力を持つ....。4番バッターばかりを揃えたチームより、個性豊かな選手とそれらを束ねるリーダーの存在があるチームの方が強い....これまた例えが....。生物は弱肉強食で、強いものが弱いものを食べることで生き残っている訳ですが、強いものが弱いものを食べ尽くせば、それは逆説的に強いものの消滅も意味します。消滅しないのは多様性が保たれているから....。昨今、その強いものの消滅、多様性が局所的に綻びるという現象が多発しており、TV報道のような、クマやイノシシ被害などもそれらに入るかと思われます。いや被害なのだろうか?という声も....。続きは次回に。写真は日比谷公園某所にて。遠くに洋食の名店の看板が見えます....。


田んぼの生き物調査⑥

2010年10月22日 | 生物多様性

004 013“あいつはマグロのようなヤツだ....。忙しく動き回っていないと死んでしまう....” と、皮肉交じりに、自らは安全地帯にいて評論する方々がおります。動き回っている方は、それが非効率的であろうが何だろうが、“動き回る”という一点において生きている意義を見出している。一方、自らは動かず、動いている方々を冷笑する方々もいる....。動き回る方がいて、動かない方もいる....。さて、また更新が遅れ、何のことか?と思われる方も多いと思いますが、以降の動的平衡に繋がる前説のつもりで....。世の中すべからく、ある秩序が出来上がると、必ずそれを破壊しようという勢力が生まれる。形あるものを壊し、輝くものを色褪せさせ、熱あるものを冷まし、若さは老いに向かい、下腹は出て、なかなか元にはもどらない....。最後は余計でした。これいわゆる“エントロピー増大の法則” エントロピーはいずれ掲載することとして、この作用と反作用の関係の中で、社会全体としてかろうじてバランスを保っているのだそうです。動くヤツがいて、動かないヤツもいる...。人間の体の中でもこれと同じようなことが起こっており、恒常性などという言葉で表されたりします。ちょっと難解でしょうか。絶えず消えたり、交換されたり、変化したりしながら、それでも社会全体として何とかバランスが保たれた状態にあること。これを動的平衡状態と呼ぶんだそうです。動的平衡に関しては高名な生物学者の先生が出版された書籍多数。このブログは論文ではなく、あくまで私的な戯言集ゆえ、出所その他を明らかにせず、自らのにわか知識による文章であること、何卒ご理解下さい。さてさて、では何故動的平衡が保たれているのか?というと、その答えは“多様性”が保たれているから.....。その多様性は互いに他を律しながら関係性を維持しており、それぞれが相互に依存しながら、補完している....。長くなりますので続きは次回に。写真は既報の“土と平和の祭典”のひとコマ。3万人くらいの人が出ていたようです。凄い熱気でした。 


田んぼの生き物調査⑤

2010年10月17日 | 生物多様性

052 本日は東京・日比谷に向かうためいつもより早く活動を開始しております...。その空き時間で更新を....。本日の日比谷には全国各地から、生物多様性....、その情緒から哲学的意義、何から何まで先駆的な取り組みをされている地域や団体、個人が沢山参集していることと思います。こういう活動に参加させて頂き、また新たな何かが見えてくるものと思います。さて先日の続き。生物の多様性ということを国際条約で取り決めをしなくてはならなくなった背景。そこには乱獲、乱開発など人間の活動が引き起こした要因もさることながら、人間が自然を放置してしまったこと、さらには地域の特性に無関心のあまり外来生物の大繁殖を生んでしまった....、こういう相反する要因もあるようです。だいたいこういう問題は経済優先で人間が壊した、だから反省して、修復を....。いやいや生物多様性の問題はこんな単純じゃない.....以前ある流通グループの社長さんから、作業と仕事...この区別が必要ですよ....というお話を聞いたことがあります。何か食べないと死んでしまうので、山に行って木の実を獲って食べた....。これ作業(稼ぎとも言ってました)。人が少なくて食べ物が潤沢に有ればよいけれど、人は増え、食べ物は減る....。それに対して、今後も木の実が食べられるように、下草刈りをしたり、間引きを行ったり...それが仕事ですよ....と。さてさて、生き物調査に幾度と無く参加させていただくと、最終的には自然に対する“まなざし”とか、“情念”の世界観を感じる訳であります。写真のバッタ君は、自らが生息する環境が住み難くなってきたら、①変化に耐える、②生きられるところへ移動する、③その場で進化するという選択肢があるのでしょうが、残酷な話ながら、環境の変化が起こった時、上記①~③の選択肢いずれも選択出来なかった場合、その場で死に絶える....という答えしか残っておりません。ちょっと表現が乱暴かもしれませんが、バッタの環境を人間社会や会社。バッタ君が人そのものと置き換えると....。この領域は深い....。来週は月曜から水曜まで、イベントその他への参加のため、続きの更新がまた遅れてしまうだろうこと、何卒ご了承下さい。次回は高名な生物学者さんが生物多様性を読み解くキーワードに挙げておられる“動的平衡”から見ていきたいと思ってます。


お知らせ

2010年10月16日 | 生物多様性

001 明日(10月17日(日))、私は東京・日比谷公園で開催される、土と平和の祭典に出没しております。たぶん、生物多様性農業支援センターさんのブース付近にいると思います....。銚子・旭からは8名で参加....。印旛からも....。詳細は以下HPご参照下さい。http://basc.jp/ 写真はイベントとは無関係でありますが、一昨日の銚子第三漁港付近の空であります。この時期の夕方は、こんな感じの雲が出ることが多いです。サンマの時期なので私は勝手にサンマ雲と呼んでおります.....。


田んぼの生き物調査④

2010年10月15日 | 生物多様性

070 074085 調査の終了後はお楽しみの食事会となる訳で....。地域の自然に触れ、関心を持ち、地域の食べ物に関心を持ち、そして食べる....。もうこれだけで目的達成でありますが、生物多様性年の記事はこれだけでは.....と。折りしも先般のCOP10開幕から、NHKを中心に意欲的な特集が多数放映されております。難しいことなど分からなくとも....と、こういう話題からは逃げがちでありますが、その姿勢が危機を招いたのだ....との指摘は多いです。よく自然は先達からの贈り物だと言われておりました。贈り物だから有り難く使わせていただこう....。ちょっと前なら模範解答でしょう。しかしながら最近それでは×が付くんだそうです。曰くそれらは次世代からの“借り物”である.....。最近は今回のように世代を越えた共通作業や集まりは少なくなっているようでありますが、大人が子供を前に、この子供達のために豊かな自然を....と言えば言うほど結果は逆説的になる。確かに、これら子供達から借りていると思えば、上から目線は消滅し、何故か謙虚な気持ちになったりします。むろん目線は短期的ではなくて長期的。部分最適でなく全体最適(バックナンバー:合成の誤謬参照)....であります。こう考えると、コウノトリやトキの郷にて起こっていることを考えると、生物多様性なんてね....と皮肉混じりに答える大人の狡猾さが際立ってまいります。ちょっと逸れましたか....。生物多様性条約の骨子は①生物多様性の保全、②生物多様性の構成要素の持続的な利用、③遺伝資源の利用から生ずる利益の公平な分配の3つだと記載されております。特に③の遺伝資源の利用云々に関して、また儲け話が絡むのかよ~、胡散臭え~。となるようでありますが、何を思おうと、生物多様性に配慮した生活に舵を切らねばならない状況であることは、肌で感じております。私は水産業者なので漁獲量の減少という一点においても....。遺伝資源....。ちょっと難しい表現ですが、例えばインフルエンザの特効薬・タミフルはアジアのある地域に生息する八角という生物(香辛料)から作られるのだとか。その成分はその自然と共生してきた八角の遺伝情報に基づいて、最新の科学技術との融合から生まれた人類に寄与するものでありますが、タミフルを作った、あるいは販売した人や会社だけが利益を得て、それら生物が自生する環境を維持してきた国々に利益がないのはねえ~。ということらしいのですが....。続きは次回に。


田んぼの生き物調査③

2010年10月08日 | 生物多様性

047 044農産物は、その地域の“水”と“空気”と“土”が作り上げるものであります。水産物も同じかもしれません...。動植物昆虫は環境に対する感受性が人間より遥かに強く、言葉も発しないことから、彼ら、彼女らは環境の変化に文句を言うことも出来ず、死に絶える...と言うことで人間に警鐘を鳴らす....。またその逆襲は全国各地、いや世界中から報告されております。で、生物多様性年....。日本でも条約を受けて、2008年に生物多様性基本法が施行され、法に基づく様々な施策が各地で進行しております。生物多様性国家戦略なる仰々しい文言もありますが、都道府県・市町村単位で単独あるいは地域と共同して生物多様性地域戦略を定めるよう規定されており、2010年現在6県・4市において、それらが策定されており、各自治体ともに策定に向けた手続きが進んでいるようです。基本法と言うのは調べてみると、ある分野における基本的な理念や骨格などを明らかにするために制定されるもので、その分野のうち特定の事項についての施策や手続きを定めた個別法の上位に位置するんだそうです。教育(教育基本法)とか重要な分野にのみ制定されるのが基本法。生物多様性基本法....。そんなに重要な位置づけなのか.....と。水路に入ると、昔は腕白小僧(失礼な言い方ですいません・敬愛の念を込めて)だったろうな~と思しき方々が、嬉々として自慢の仕掛けを投入....。獲物が入る入る.....。すっげぇ~.....。それを見た子供達の昔の腕白小僧を見る尊敬のまなざし.....。昔の腕白小僧の勝ち誇ったような、弾けんばかりの笑顔...。昨日はこんないがいカモチンもはいってだど....。(昨日はこんな大きなライギョもはいってたよ)ライギョも確か外来生物。獰猛で周囲の在来種を食い尽くす.....。でも、水路の仕掛けには、メダカ、タナゴ、カワエビにカエル....カニまで....。話題のジャンボタニシもかなり....。多様な生物がその地域で生き残っていられると言うことは、それらが生き残れる“水”と“空気”と“土”があるということであります。この用水路と、田んぼは千葉県が定めた千葉エコ農産物に果敢に挑戦してきた地域。ああ、みんな繋がっている....。続きは次回に。 


田んぼの生き物調査②

2010年10月07日 | 生物多様性

072 071いつもの事ながら、連載遅れにお詫びの言葉から....。いつもすいません....。更新の遅れている時はサメ君と格闘中とお思い下さい...などと生意気なことを書きながら、最近はサメに加えて、小アジやセグロイワシの手開き、カスゴ(チダイ)のウロコ取り...。まあこんなの筋トレよ。笑いながらやっちまおうぜ~と周囲に言っておきながら、その後、全身筋肉痛となり、ハリ灸、整体、マッサージに岩盤まで.....。昔はこれでも運動部。これくらい根性で.....。というバカさ加減がさらに拍車を掛ける.....。これではいかんと思いながら、農業・水産業の現場を鑑みると、lこれから誰がこの作業を担っていくのか?....と。精神論、使命感....こういう言葉を排除して、機械化できないか? もっと工夫は? 機械にお金が掛かるなら、道具の改良はどうだ?.....。こう考えると肉体労働もまた楽しい....。苦痛の先には虹が見える....。これではまた悪循環......。いやいや...。さてさて、言い訳はこの辺で、生き物調査、その②。今年は生物多様性年で今月は名古屋でCOP10という会議が開催されます。COPとは(conference of the parties)の略で、国際条約を締結した国々がその約束事を誠実に履行するための協議の場であり、10とは、それが10回目の会合であることを表しているようです。第一回は1994年に開催されている。そもそもこの生物多様性条約は1993年の国連環境開発会議(別名:リオ・サミットあるいは地球サミット)において署名~発効しており、日本もそのメンバーであります。同時に採択されたのが気候変動枠組条約(いわゆる地球温暖化対策)であり、この2つの条約はセットで双子の条約とも.....。生き物調査に参加した多くは、そんな難しいこと知らない。私も含めて....。でも10年近くそれら活動を間近で見続けてきた私にとっては、上手く表現できないけれど、もしかしたら、.....と言うことなのか?.....と。続きは次回に。


田んぼの生き物調査①

2010年10月01日 | 生物多様性

038050生物多様性...、バイオ・ダイバーシティーとも。そう言えば、最近は新聞・雑誌、テレビ...等々において、これら特集がかなり目に付くようになりました。本年が国際生物多様性年だからです....。関連書籍も多い....。さて、今を遡ること9年前、銚子のお隣、千葉県旭市において“田んぼの生き物調査”は始まりました。むろん、それぞれの地域において、地域の子供達と一緒に、地域の環境保全運動など、田んぼに入って生き物を探し、終了後はみんなでバーベキュー....。そんな取り組みは行われていただろうと思います。それが体系化してきて、消費地と産地を繋ぐ、産地交流会のような形になって....。産地交流会は初期においてはそれなりの成果があったようです。農業を放棄した都市生活者が、せめてもの貢献活動として頑張る産地を応援する。具体的に、その交流会の産地商品を指名買い、あるいはプレミアム価格で購入...。産地の人間も、そんなお客様方に応えよう....と一生懸命に....。 交流会は一大イベント。産地側は気合を入れて準備し、消費者の方々と語り合う....。意気投合し、商品は売れていく....。朝まで飲み明かしても、二日酔いでも元気一杯だった産地の人間も気が付けば30代は40代に、40代は50代に....。交流会の終了後、都会の方々の乗るバスをお見送りした後、あまりに疲れて、その場に座り込んでしまう方々の姿を良く見かけるようになりました。それじゃいかん!...と。田んぼの生き物調査....。何度か掲載しておりますが、その情緒を含みながら、これからの地域、食糧問題....沢山の問題提起を行うその世界観をどうお伝えすべきかと....。いつもそう思いながら、結局、そこに参加する小学生の楽しそうな姿に接すると、ああこれは、ただそこに参加し肌で感じるものだ.....と思うに至ります。しかしながら、自分なりに少し整理しておこうと思い、本日からこの話題を数日続けます。サメ君との格闘、その他の合間ゆえ、また掲載日が飛び飛びになってしまうであろうこと、いつもの事ながらご容赦下さい。