銚子・角巳之・三代目

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フカヒレ(ヨシキリザメ)

2023年01月30日 | 銚子のサメ

サメついでに...。写真はヨシキリザメのフカヒレ(を乾燥したもの)...。フカヒレと言いますと、
高級中華料理店などで姿煮...。ひと皿~千円、万円となかなか食べられるものではありませんが
写真は市販のレトルトパック等に使われる端材の部分であり、比較的お手頃価格です...。

それでも作業は尋常でないくらいに手間が掛かる...。その手間は仕事ですから...と言えばそれまで
ですが、その掛ける手間が水産資源に対する感謝であり、具体的な行動そして姿勢であります。
資源保護など、言うだけなら誰でも言える...。まずは揚がった魚を区別なく有効に利用させて頂く...。

話は変わりますが、かつて飼料を入れるフレコンバック(布で出来た飼料の入れ物とでもお考え
下さい)について、コストが合わないとそれ(バック)を洗う業者さん方、次々と撤退。洗って
使うより捨ててしまった方が安上がりですよ...と。あれから10年...、捨てるとは何事だ!...です。

サメ(食用、皮等の副産物利用)について、日本では1,000年以上に渡る伝統・文化を有して
おります。途中、サメなんて...となりまして、昨今は何事だ!...上記の話に近いです。サメの生命力
は強い、環境変化にも強い...。そして銚子港は気仙沼に次ぐ全国2位のサメ水揚げ港であります...。

サメ皮のこと...。

2023年01月29日 | 銚子のサメ

サメ皮について、今まで何度か掲載して参りました...。日本全国、サメの水揚げの有る産地では
(サメの)肉だけでなく、内臓やこの皮についても有効利用することで、資源を無駄なく有難く
利用させて頂いて参りました。これ則ち地域の伝統でありひいては日本の文化であります。

サメの水揚げある...と記載しましたが、これはサメを主として漁獲する場合、意図せず混獲して
水揚げされてしまった場合、双方を含みます。いずれにしてもその港、港で水揚げされた貴重な
水産資源としては何ら変わりはありません...。

写真のサメ皮は、海底に生息するカスザメ(英名:エンジェルシャーク)であります。(日本の)
伝統の極致、日本刀の柄に使用されたり、近年ではワサビ卸などに。銚子での利用も古く、主に
だいこんの生産者さんなどにご利用頂いておりました(ここでも海と山の共生であります)

だいこん生産者さんは確か、ダイコン表面のひげ取りに...。その他、版画家さんなど多種多様です。
伝統ありながら、面倒くさいと放棄され、今再び貴重な資源と見直されております。写真下はカス
ザメのヒレ部分...。窮すれば通ず...で、これからまた様々な用途のアイデアが生まれると思います。

メジロ・カス!

2022年09月20日 | 銚子のサメ

久しぶりにサメ...。銚子で唯一のサメ工場訪問時、写真手前(左)はいつものカスザメ...。
奥はメジロザメ(ヒレの形などの特徴から)と思います...。違っていたらご容赦を。さて
サメに付いてはこの10数年、自らの想いを込めて掲載し続けて参りました...。

サメは(こう書くと語弊あるかもしれませんが)、もともと無駄なく使われていた貴重な
資源...。身を蒲鉾(主にハンペン)加工するだけでなく、皮や骨、抽出されたエキスから
薬効成分など、実は他の魚よりも利用価値が高いものでありました。

銚子のサメ水揚げ量は年間1,000㌧超。これは気仙沼に次ぐ全国二番目の水揚げ量かと
思います。すべての魚種を含む全体水揚げは10年以上、銚子が水揚げ“量”日本一ですが、
今問われているのは“量”よりむしろ“質”...。その転換は世界情勢を鑑みるまでもなく待ったなし。

質とは言わば、揚がった魚を無駄にしないこと。身だけでなく皮、アラ...すべてを使い尽
くすこと。最近やたらとお魚に付加価値を!なんて言葉を聞きますが、早晩そんな悠長なこと
を行っていられない時代が到来するでしょう。その時、サメは間違いなく主役となります...。

久しぶりにサメ!

2022年04月27日 | 銚子のサメ

イワシの水揚げ場所(銚子第二魚市場)を通り掛りましたら、見慣れたサメの山...。アオザメ、
ヨシキリザメが揚がっておりました...。どちらも水揚げ直後の非常に綺麗な魚体...。両種の特徴
表皮の青色(群青色)が輝いておりました...。ヨシキリは世界一美しいサメと呼ばれているようです。

サメの水揚げ...、これからイワシの水揚げが本格化するにつれ、目撃する機会も多くなるかと
思います。銚子で揚がるサメは重量ベースでいうと、1)ヨシキリザメ、2)モウカザメ、
3)アオザメ...の順。その他、ホシザメ、カスザメ等々...多種多様のサメ類を目にします...。

先日、アオザメの身をステーキにして食しました。周囲はいつもの反応でした...。この魚美味しい。
カジキですか?マグロですか?と問われたので、サメですよ...と回答したら、やはり美味しくない
かも...と。まだまだ先入観が抜けないようですが、このサメ...本当に美味であります。

ヨシキリザメは(練り製品関係者内では)別名:水鮫...。水分が非常に多く、市場から持ち帰った
あとは漬物石などを上に載せて脱水していた...。幼少期に見た風景です...。サメ類に付いては今後、
もったいない...ではなく、美味しい...と言う理由で食す機会が増える(と確信)しています。








アオザメ②

2021年08月29日 | 銚子のサメ

サメを食べる習慣はもともと日本にはありました。蒲鉾の起源は平安時代まで遡ると言われて
おりますので1,000年以上の歴史があります。蒲鉾に限らず、サメ食は殊に日本の内陸部
で多く、これは冷蔵、冷凍流通が発達していなかった時代の名残だろうと言われております。

サメ肉の特徴...、水揚げしたばかりの鮮度の良いものは無味・無臭でありますが、常温で放置
などすると、強烈なアンモニア臭がして参ります。実はこのアンモニア臭がサメ肉を腐敗から
守り、冷蔵・冷凍流通に寄らずとも内陸部に届けることが出来た...。そう言われております。

昨日、本日と写真はアオザメ...。頭と内臓、ヒレを除去したもの。本種はサメ肉の中で最も
美味と言われており、東京でも築地あたりの食通が江戸時代から珍重していた、煮こごり...等
はこのアオザメを原料としております。白身魚フライの原料としては最高の部類に属します。

飲食店さん等で、原料の名を明かさず、この白身魚を食べてみて下さいとお客様方に...。一同
美味しい...。これ何の魚ですか?...実はサメです...と答えると表情一変、やっぱり不味いかも...。
なるほど...。時代背景(SDGs)を鑑みれば、普通に食卓に上がる素地は出来上がってきたな..と。

アオザメ①

2021年08月28日 | 銚子のサメ

久しぶりにサメ類の投稿であります...。既報の通り、銚子港は統計資料に掲載されている水揚げ
量だけで年間1,000㌧超。水揚げ状況を見るに統計資料に乗らない数字を合わせると発表
された数字の3倍以上はあるかと思います。このからくりは、以下のようなことによります。

銚子港の主力はイワシやサバの青魚...。サメを主目的に漁をしている漁師さんは私の知る限り
今はいません。イワシやサバを購入された方が、選別作業をしている際に、サメが混獲されて
いた。こういうケース良くあります。このサメは統計資料には掲載されない。そういうことです。

イワシもサバも揚がる時は数千㌧単位...。この数字が大きければサメの混獲率も上がって参ります。
昔(30年くらい前)までは、このサメを蒲鉾屋さんが購入し、ハンペン・蒲鉾の主原料として
きましたが、蒲鉾屋さん激減、残存する蒲鉾屋さん使わず(タラの冷凍すり身で代用)...。

銚子港では出漁するすべての漁船でサメが入ってしまう。数量が多い順にヨシキリザメ、アオザメ
モウカザメ...。以下、ホシザメ、カスザメ等々。SDGsの時代、揚がったサメをフカヒレだけ
取って、身は使わない(最悪の場合、廃棄)これが許されるだろうか...と(続きは次回に)

ネズミ(モウカ)

2020年12月27日 | 銚子のサメ

サバの大量水揚げの後に残されたもの...。いつもの風景...サメ...。写真は銚子でいうネズミザメ...。
そういえば本年の干支はネズミでありました...。神様から元日、私の所に挨拶に来た者、先着12名
(匹?)を一年ずつ順番にその年の大将にしてあげましょう...。日本神話、昔話の世界です...。

足が遅いと自覚している牛は大みそかの夜に出発。ネズミはネコを騙して集合の日に来れないよう
にし、ちゃっかりと牛の背中に乗り、ゴール直前でダッシュ...。私が一番...と。この行為を神様が
許したのか否か不明ですが、ネズミ年には何故か政変等、大きな変化が起こるのだそうです...。

さて写真のネズミ(ザメ)、東北地方ではモウカ...と。知人の東北の漁師さんに聞くと、真ダイ、
真アジなど、その種を代表する魚に“真”の字が付くことが多く、東北では真鱶(マフカ:魚へんに
養)と呼んでいることからそれが訛ったのだろう...と。他に、モロと呼ばれたりします...。

神話の世界も、写真のサメも、ネズミが悪いという話ではありませんが、ジンクス通り大きな
変化(しかも人々の生活様式を根底から変えてしまうような)が起こりました。ネズミに先を
越されても怒ることなく寛容な牛さん...。この寛容さということ、来年の課題の一つかと思います。



活・カスザメ

2020年05月01日 | 銚子のサメ

籠城中の毎日...。カレンダー見たら、本日5月1日でありました...。だから特別何が...という訳では
ありませんが...。籠城と言っても、自宅から事務所まで車通勤。時々、魚市場には行くし、事務所
周辺を散歩もする...。遠出は全くせず、決まった範囲内で数か月...。淡々と時間が過ぎております...。

既報の通り、創業時の大失敗で引きこもり状態に陥り、全世界の人がすべて敵のように思えた...。
実際そんなことはなく、勝手にそう思い込んでいただけなのですが...。今は全世界の人が難儀。自分
だけじゃない...。不遜な表現ながら、あの時に比べれば、私の場合はまだ気持ちが楽でして...。

引きこもり時の教訓、ささやかなことに喜び、楽しみ、感動を...。で、市場に言ったら活きたカスザメ
が揚がっておりました(写真上から2枚)。因みに3枚目は季節外れのアンコウであります。ちょっと
似ている気がする...。活きたカスザメは銚子でも非常に珍しい...。見ているだけで何故か楽しい...。

正確には、様々な経験から、楽しいと思えるようになった...ですかね。カスザメの英名:エンジェル・
シャーク...。天使のサメ(詳細はバックナンバー:銚子のサメご参照ください)、由来を調べるのも
楽しいですし、何よりこのサメ、美味しいです。皮の利用価値も高く、凄いヤツなのであります...。

モウカ、他...。

2020年01月12日 | 銚子のサメ

サバの水揚げが続いております...。多い時は5,000㌧超/日、少なくても1,000㌧/日くらい...。
既報の通り、サバ等の水揚げが増えれば、サメの混獲率も非常に高くなる。写真はモウカ、他シュモクザメ
(ハンマーヘッドシャーク)など...。

モウカ、銚子でネズミザメ。関東であれば北関東地域などスーパーマーケットでも販売されている
一般的なサメであろうと思います。クセもなく、淡白で非常に美味しい魚です。が、サメ肉...、年々販売
が厳しくなっている(売れない)...。

サメと言えば練り製品でありますが、その練り製品工場が減少しているのも一因であるし、何もサメ食べ
なくたって...。このことも遠因の一つかと思います。サメも捕まろうと思っていた訳でなく、サバの群れ
に入ってお食事中に、人間様の網に掛かってしまった...。

サメもサバはじめ銚子港であがるその他すべての魚同様、海の恵みであります。漁獲時にサメを逃がす事
が不可避であるならば(恐らく不可能と思います)、このサメ類、カマボコ以外の用途で販売する術を
見出さないと...。いつも同じ内容で申し訳ありません。ただしこのサメ、地域の最重要案件の一つです。


ヨシキリザメ(の身)

2019年12月18日 | 銚子のサメ

ここ数週間、銚子港ではサバが沢山揚がっております。沢山...という表現では伝わり難く、それでは
1日5,000㌧くらい...という表現になると...、なお分かり難いでしょうか。1尾400gくらいと
して考えると...。1日数百万尾であります。サバは鮮度が命。関係者の皆さん、とにかく早く処理を。

ということで、この膨大な数量が職人技ともいえる素早さで処理されております。そんな中、人知れず
サメを回収している方がいる...。現在、私が知る限り(駆除等は別にして)サメのみを狙って漁をする漁師
さんはいない...(はず)要するに銚子港で水揚げされるサメは、このサバ漁等の混獲(サバ等の魚を食べに

来たサメが、漁の網に入ってしまう)として水揚げされるものがほとんど。しかも数百万尾単位でサバ等が
水揚げされる銚子港、それに比例してサメ水揚げも多くなる訳であります。さらに銚子に残されたサメ処理
業者さんは1社のみ。実は地域の課題の一つ...既報の通りです。過日、サメ工場を訪ねたところ、やはりサメ

の山...。サメも鮮度劣化が早く、一刻も早く頭と内臓を処理してドレス(写真)の姿にしなければなりません。
こちらも歳月は人を待ってくれず、個人的な用事が有ろうが何だろうが後回し、とにかく早く処理をしないと
サメ肉としての価値が無くなってしまうのであります。写真のヨシキリザメは別名、水鮫と呼ばれるほど水分量

が多く、昔はドレスにした後、漬物石を上に載せて脱水していたようです。サメ...実は非常に奥が深く、素人
考えで手を出すと大変な目に遭う...。サメの種類によって処理方法が変わり、脱水の“塩梅”、その後の、水洗い
水さらしという様々な過程をおろそかにすると強烈な匂いが...。ここで匂いが出たら最終製品に加工しても

匂いが消えることはまずありません...(経験則として)今までヨシキリ=ハンペンという構図でありましたが、
すでにハンペンだけでの利用は限界。ハンペン、練り製品以外の利用方法を探すこと、急務になってます。
サメについては今後も、見掛けたら掲載致します。

シャークジャーキー!

2019年11月26日 | 銚子のサメ
水産経済新聞さんという、水産の専門誌を見ていて、ああこれ...。いつかは出るだろうと
思っていた商品、シャークジャーキー...。気仙沼にておつまみや珍味、缶詰を製造されている
高名なメーカーさんの製造...。非常に興味があり、ネットで買おうか、メーカーさんに直接問い
合わせしようかと思っておりました...。先日、茨城方面訪問の折、常磐道の(確か谷田部東インター)
にて偶然発見...。で、早速購入してきたという次第であります。原料はモウカザメと書いてあり
ました。モウカザメ(銚子のサメ参照)はクセが少なく、非常に美味しいサメ。北関東から東北に
掛けて、スーパーマーッケットでも良く販売されているサメであります。銚子の呼び名、ネズミザメ。
ネコザメ(こちらもバックナンバー参照)というサメもイワシ、サバの混獲で揚がることがあり
ますが、どう見てもネズミの方が強そうで...。さて肝心の味ですが...。感動的だ、ビックリする
くらい美味しいという訳ではありませんが(申し訳ありません)、普通に美味しい...。サメと書
いておらず、白身魚のジャーキーだったら、知らず知らず酒の肴でバクバク食べていることと思います。
表示の問題もありますが、正直にサメと書いて世に問う。この姿勢、感服しております。サメは
美味しい。健康効果もある等々。以前、こんな生意気なことを書きましたが、その意識は今も変わらず。
従来はサメ肉=練り物・ハンペンという構図でありましたが、年々練り物屋さんが減っていき、
練り物だけでサメ肉を使い切ることは不可能なご時世になって参りました。またサメ肉の有効利用は
社会的課題(特に銚子のような水揚げ港では)になっております。自らの力不足は承知の上で、サメ肉
は美味しい。健康効果もあって資源の有効利用に繋がる...これを発信し、商品化にもチャレンジして
参りたく思います。まずは出来ることから、1パックのシャークジャーキー購入して食べる。非常に
僅かで笑われそうですが、これまた出来ることから一つ一つであります。

サメのこと...。

2019年10月06日 | 銚子のサメ

最近、自分でもこの話題多い...と思っております。自分自身の関心事であるだけでなく、
地場産業(銚子の水産業)にとって、非常に重要だからであります...。歴史を遡ると、
銚子で水揚げされるサメが、同じ千葉県、多古周辺で収穫される山芋(大和芋)と出会い、
ハンペンが生まれた...が、時代と共にハンペン屋(練り製品、かまぼこ屋)さんは減少し
銚子では練り製品組合の組合員が7社(人)を残すのみ...。原料のサメを処理する会社は
1社を残すのみ...。サメなんか喰わなくたって、他に美味しい魚はいくらでもあるだろう...。
ということですが、さにあらず。サメは巻き網、延縄、底引き...全ての漁法で混獲される。
ヒレは貴重だから、ヒレだけ切って...これご法度。ワシントン条約はじめ世界的な決め事で
厳しく罰せられます...。要するに揚がったサメは捨てることなく大切に扱いなさい...。
ヒレも、身も、皮も...。銚子は統計資料によると気仙沼に次ぐ、サメ水揚げ量全国二位。
年間1,000トンもの水揚げがあります。それを残された1社のみで対応...。この会社の
存続はもはや私企業の問題ではなく、銚子水産業全体の問題...(決して大袈裟ではなく)
ブログ開設当初、銚子港で揚がるサメを扱っていながら、自らの力量不足で廃業してしまった
者として、せめてこのサメ処理工場に協力をと思い、無い知恵を絞り奔走しております...。
サメのこと...。これからできるだけ多く記事にしたく思っております。写真は先日掲載の
カスザメ(の皮)、実はこのカスザメ、既報の通りたいへん美味なサメであります。先日、
あるお店で、この白身魚美味しいですね、何と言うお魚ですか?と聞かれ、サメですと正直に
申し上げましたら...。う~ん、やっぱり美味しくないかな...と。まずはこういう偏見を
撲滅すべく努力致します。

そしてサメ皮①

2019年09月14日 | 銚子のサメ
写真はサメ皮のわさび卸...。以前、何度か掲載したかもしれませんが...。
このサメは、昨日掲載のフカヒレ原料になるような、ヨシキリザメ、アオザメ
とは違い、海底に生息し、独特の姿をしたカスザメの皮。カスザメについては、
似た形のコロザメ同様(バックナンバー・銚子のサメ参照)...。サメ皮のわさび
卸、最近は高級料理店に限らず、一般的にも見受けられるようになっているかと
思います。このサメ皮の表面、工業製品では表現できない、細かく複雑な突起物
があり、わさびの風味を最大限に引き出せる...と珍重されております。また、
いつもお世話になっております日本刀、柄巻師の方はじめ芸術家の方々、特に
版画家の方とか、様々な用途でお使い頂いております。もったいない...だ。
資源の有効利用...だ。最近ではSDGS...。こういう言葉が飛び交う、遥か
以前から、様々な形で資源を無駄にしない、有効活用する方策を、それこそ全産業
を俯瞰して考える...。まさしく日本人の叡智の結晶かと思っております。
続きは次回に。

久しぶりにフカヒレ...。

2019年09月13日 | 銚子のサメ

写真、久しぶりにフカヒレ...。銚子で1軒を残すのみとなったサメ工場にて...。
このサメはヨシキリザメで、銚子港でも比較的良く見掛けるサメ。アオザメ同様、
その身はハンペン等、練り製品の主原料であり、ヒレはご存知、高級中華のフカヒレ...に。
世界的にはサメと言う生物の資源保護を巡る論争があったり、ヒレだけ珍重し、身を
有効に使っていない等の批判があるようですが、狭い、狭い地域(銚子)と言う単位で
見ると、サメを食したり、その皮を有効に利用することは地域の文化...。クジラ同様、
それ(サメ)を食べなくたって...という声も聞こえて参りますが、ハンペン等を食せば、
サメを食したのと同じであるし、ちょっと高級な和食店で刺身を食べれば、そこに
出て来るワサビは間違いなくサメ皮で卸したもの...。サメ文化と言えば、気仙沼で
ありますが、銚子は気仙沼には遠く及ばないものの、水揚げ量で気仙沼に次ぐ全国2位
(統計資料より)銚子港に水揚げするすべての漁船の漁法(底引き、巻き網、延縄...)
どれをとってもサメは必ずと言って良いほど混獲される...。サメを狙って獲っている
のではなく獲れてしまう...。サメを避けてとか、逃がせとか、そういう話も聞きますが、
これ机上論...。ならば、せめて有効に...と、各地で長い年月を掛けて地域文化として
育まれてきたものと思っております。この話題、少し続けます。

久しぶりにホシザメ

2019年02月17日 | 銚子のサメ
昨日、掲載忘れました...。写真はホシザメ...。都内某老舗練り物店で、幻のサメ
と評され、その身はハンペンに加工され、某有名百貨店に並んでおります...。
ホシザメそのものは、日本近海のどこでも見掛けることが出来ますが、釣りや
刺し網のような漁法では、ハンペンに加工し商売にするほどの量に足りず..。
銚子のように、九十九里沿岸、砂地で、エサが豊富(腹からはエビ、カニ、シャコ
が出てきます...)、そこで底引きなどで。また昨日のサメたち同様、迅速に処理を
すること、等々、一定の条件が揃わないと原料として適さない。更にはその身を
使ってハンペン等に加工する職人技..。あれも、これも考慮に入れれば、ホシザメ
そのものは珍しくないけれど、幻のサメと評されること、むべなるかな....と。
10年ほど前は、連日このサメと格闘しておりました...。他の魚の捌き方はいつも
ダメ出しされてますが、このホシザメ処理だけは褒められる...。質はまず量をこなす
ことによってのみ磨かれる...であります。このサメですが、たいへん美味であります。
鮮度の良いものは刺身でも。味はタイに似ている。もちろんハンペンはじめ、練り物
として、スケソウなど冷凍すり身では実現できない、上品な味が致します。
サメはフグなどと同様、非常に生命力が強い..。生命力の強い魚を頂く事で、人間も
元気を頂く...。そんな効果があるんじゃないかとこの10年ずっと思ってきました。
科学的な根拠がある訳ではありませんが、多分にサメ好きなので....。