まるでドラマのような劇的な結末となった《第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)》。日本対アメリカという組み合わせとなった決勝戦は、3-2と日本が1点をリードして9回に突入。日本のクローザーとしてマウンドに立った大谷翔平が、2死からエンゼルスの盟友マイク・トラウトを空振り三振に斬って取り、試合を締めくくったこのシーンは、WBC史上に残る名場面として長く語り継がれるだろう。
日本の勝因は、投手陣がアメリカ打線を抑え込んだことに尽きる。僕はもっとアメリカに撃ち込まれるのではないかと思っていたが、若い投手陣が物おじせず良く投げた。僕は個人的にダルビッシュの先発がいいのではと予想をしていたが、この結果を鑑みると今永昇太を先発させ、以降も小刻みにNPBの投手をつぎ込んだのは、素晴らしい戦術だった。そう考えるとMVPは栗山監督かも…。そのMVPだが、13打点の吉田正尚なのかと思いきや大谷翔平。巨大なプレッシャーがのしかかる9回にリリーフとして登板し、昨シーズンの首位打者ジェフ・マクニール(メッツ)、2018年のMVPベッツ、そしてトラウトを迎えながら、見事に1点のリードを守り切った。投球はたった1回だったが、今大会で最も重要なイニングを投げ切ったことはお見事。そしてまるでリトルリーグの選手のように打ち、走り、ブルペンで投球の準備をし、最後は抑えまで務めてしまうのだから、もう漫画のヒーローそのものである。まぁ文句なしのMVPだろう。ただ個人的には骨折をしても試合に出続けた源田壮亮にも準MVPを挙げたい!
今回のWBCだが、日本はもちろん世界で正直ここまで盛り上がるとは思わなかった。トラウト、ベッツといったビッグスターが参加し、さらに好ゲームの連続となったことも要因だろう。大会中にプエルトリコのエドウィン・ディアス(メッツ)、ベネズエラのホセ・アルテューベ(アストロズ)といったメジャーのトッププレイヤーが怪我をして、一部から批判が出たのは残念だが、それでも参加した選手たちの多くが、「このトーナメントは素晴らしい」と公に発信し続けたのは今後に間違いなく繋がる。ただ、次のステップに進もうと思うなら、やはりアメリカのベストピッチャーたちの参加は必須だろう。今回、故障歴によって保険に入れず、ドジャースのクレイトン・カーショウが出場辞退となったのは痛かったし、メッツのジャスティン・バーランダーやマックス・シャーザーといった大物が登板していたら、もっと大きな話題になっていたはず。3年後の2026年大会では野手だけでなく、投手陣にも豪華メンバーを揃えてほしいものだ。それから急にはできないだろうが、WBCを世界的なイベントにするには、主催のMLBは1次リーグの組分けをもっと公平にすべきだろう。例えばドミニカ共和国、ベネズエラがアジア開催のグループに入るということも…。もちろんそれが現実的でないのはわかる。それでもほかのスポーツのW杯のようにより透明性を持つべきである。そしてぜひMLBの各チームもよりフレキシブルに対応すべき。これほど素晴らしいイベントなのに、球団側が選手に「出場するな」とか「(必要以上に)球数を投げるな」といった指示を出すのを、もう少し考えてほしいものだ。まぁいずれにしろ、侍JAPAN天晴れ!
ゴルフの話題。米国女子ツアー《LPGAドライブ恩選手権》初日。競技は1組を残して日没サスペンデッドになったが、米ツアー3勝のギャビー・ロペス(メキシコ)、1勝のジェニー・シン(韓国)、未勝利のアリソン・リーの3人が7アンダー暫定首位でスタート。6アンダー4位にジョディ・ユワート・シャドフ(イングランド)とウェイリン・スー(台湾)が続いた。日本勢は6人が出場。ルーキーシーズン初戦を迎えた勝みなみ、今季3戦目の古江彩佳がともに6バーディ、2ボギー「68」で回り4アンダー16位につけた。勝と同じくルーキーシーズン初戦の西村優菜、笹生優花が「70」で回り2アンダー暫定48位。渋野日向子はダブルボギーをたたくなど「74」とし、上原彩子と並ぶ2オーバー暫定126位と出遅れた。勝、西村のデビュー戦での健闘を祈る!
米国男子ツアー《WGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレー》2日目。日本勢でただ一人出場している松山英樹はジャスティン・ソ(米国)に3&1で敗れ、通算成績を1勝1敗とした。同じグループのマックス・ホーマは2019年覇者のケビン・キスナー(ともに米国)を撃破。初日に続いて勝利を挙げ2勝目。松山は3日目にホーマと対戦。決勝トーナメント進出をかけたプレーオフに進むには勝利が絶対条件だ。そのほかのグループでは、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)が初日から連勝。同2位のジョン・ラーム(スペイン)はキース・ミッチェル(米国)に勝利し1勝1敗、同3位のローリー・マキロイ(北アイルランド)はデニー・マッカーシーに勝利して連勝となった。松山の次の相手ホーマ今期絶好調。もし勝ってプレーオフに進めたら上位が期待できるかも…。
国内女子ツアー《アクサレディスゴルフトーナメントIn MIYAZAKI》初日。吉田優利、川崎春花、藤田さいき、若林舞衣子、地元・宮崎県出身の山内日菜子が5アンダー・首位タイ発進を決めた。4アンダー・6位タイに山下美夢有、小祝さくら、小倉彩愛、内田ことこ、竹田麗央、濱田茉優。3アンダー・12位タイには昨年覇者の西郷真央らが続いており、首位と2打差位内に18人がひしめく混戦となっている。原英莉花は2アンダー・19位タイ発進。稲見萌寧は1アンダー・26位タイで初日を滑り出した。今季2勝目を狙う吉本ひかるは1アンダー・26位タイ。今季をもって日本ツアーを引退するイ・ボミ(韓国)はイーブンパー・41位タイスタートだった。大混戦の大会。3日目まで楽しめそう!
明日の予想。まずは中山メイン【日経賞】。本命は9番アスクビクターモア。昨年の【菊花賞】以来となるが、無理使いしないでここまで成長を待った。得意の中山で重馬場も苦にしない。相手は2,3,4,6,11,12番。阪神メイン【毎日杯】は5番キングズレイン。【ホープフルS】は小回り中山の15番枠。大外回して3着は負けて強しの競馬。中間熱発があったらしいが、重馬場が不安もこのメンバーで負けるとは思えない。相手は2,3,7,8,12,13番。中京メイン【鈴鹿S】は11番コルドンルージュ。前走はマークがきつく失速したが、中京は得意のコース。ハンデも54㌔の戻るし、このメンバーならハナを切れる。相手は4,5,9,13,14,16番。
今週の一口馬の出走はなし。純粋に馬券を楽しめそう!