風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

日本語

2007-06-28 | 風屋日記
昨日の日経文化欄におもしろい記事が載ってたよ。
全国の電話帳で変わった名字を調べている方の投稿。

その中で私が特に気に入ったのは小鳥遊さん。
周囲に鷹がいなくて安全だから「小鳥」が「遊」ぶ。
よって読み方は「たかなし」さん。
他にも同じようなトンチで
山がなくて月がよく見えるから「月見里(やまなし)」さん。
冬着の綿を抜いて夏着にする季節だから「四月朔日(わたぬき)」さん。
稲穂を摘むのが旧暦八月初めだから「八月朔日(ほつみ)」さんetc.
おもしろいねぇ(^-^)

以前もここに書いたけど、日本語の表現は洒落ている。
sunriseが「かはたれ時」で、sunsetが「たそがれ時」、
薄暗くて「彼は誰?」「誰?彼は」・・・どちらもWho is he?なのだ。
「スルメ」の「スル」という言葉は縁起が悪いので「アタリメ」。
(「髭をあたる」ってのも同じ表現だよ)
先日書いた記事でも、季節は初夏だけど黄金色の麦の季節だから「麦秋」。
これまた以前書いたけど、
5番まであるご祝いの歌を端折って3番まで歌うことを「さいわい」。
日本語の表現ってのは本当に奥が深い。
こんな表現方法が私は大好きで国文科だったのだ。

世界の言語の中でも最も難しいと言われる日本語。
確かに文字だけでも漢字、ひらがな、カタカナと3種類あり、
例えば先日の記事でも書いた「死ぬ」という言葉ひとつとっても
「逝く」「亡くなる」「命を落とす」「崩御」「逝去」etc.
たーっくさん言い方がある。
日本人だって間違えやすい表現だっていっぱいあるから
(例えば「図る」「計る」「諮る」「量る」などの使い分け)
外国人が頭を抱える(ってのもおもしろい表現だねぇ)
のも無理はない。

「美しい日本」の概念を躍起となって国民に押し付けるよりも
まずは「おもしろい日本語」の概念の方が定着するような気がするなぁ。
まぁ名字のトンチなどは「日本語」というよりも
洒落でひとひねりできる、柔軟な日本人の頭脳や文化を表している。
これは生真面目で堅苦しく、決まった型にはめようとした
「教育勅語」や「軍人勅諭」などの権力サイドのプロパガンダに
ささやかな遊びで対抗しようとする
庶民の密やかなレジスタンスのように私は感じるんだけど。
厳格な校則の目をくぐって密かなお洒落を楽しむ高校生みたいに(笑)
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2 コメント

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色々な苗字 (Dancho)
2007-06-28 19:56:51
風屋さん、こんばんは。

本当に、こうして並べると、実にユニークですよね。

小生も、それなりに大きな会社にいるので、本当に珍しい苗字の方…いらっしゃいます。

特筆は、入社年度が1年後輩にこの苗字の者がおります…何と読むか分かりますでしょうか?

「肆矢」…

こう書いて、実は「よつや」と読みます。

「肆」は、数字の四の意味…つまり、一=壱,二=弐,三=参と書くのと同じで、四はこの字らしいです。

簡単に言えば、「四本の矢」…。

彼とは夢のようで、一緒に仕事をさせていただく機会に恵まれ、大いに刺激を受けました。

今は神奈川の研究所にいますが、良い男です。
かっこいい苗字の男は、良い男!?なのでしょうかね?。

ちなみに、かなり脱線しますが、かつて、プロポーション抜群のグラビアアイドルさんの中に、本名が「鰯(いわし)」さんという苗字の方がいました。
さすがにこれでは「売れない」だろうということで、芸名を付けられたそうです。

本当に色々な苗字があって、こう考えると、日本の良さも再考できる気がします。
返信する
>Danchoさん (風屋)
2007-06-29 18:24:02
日本にある名字の種類は3万とも6万とも言われてますからね。
まだまだ聞いたことのない名字があると思います。

こんなトンチの利いた名字をつけちゃうところに
日本の文化のおもしろさがあると思うのですよ。
返信する

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