風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「しようと思うことは ぜひしなくちゃならない」

2021-04-12 | 社会

朝ドラ「おちょやん」の根底に流れるテーマは
イプセンの「人形の家」に凝縮されていた。
「しようと思うことは ぜひしなくちゃならない」
この有名な名作戯曲は中学生の頃に読んだが
歳を経るごとにそのテーマの重みが理解できるようになってきた。
もちろん近代女性の自立が「人形の家」のテーマだが
現代においては女性のみならず
子ども達を含むすべての人に共通するテーマになってないか?

「しようと思うこと」ができず
「しなくちゃならないこと」にがんじがらめになっている現代人。
それは「権利」より「義務」を重要視する
国の姿勢によるものも大きいが
それより恐ろしいのは周囲の目によって縛られていることだ。
転ばぬ先の杖、効率、生産性、出る杭は打たれ、ネットで炎上する。
先週、地元のコミュニティFMで言っていたが
「最近の若者は酒に酔う時間がもったいない」と言うそうだ。
それもまた「生活が効率に支配されている」ことだろう。

人生に無駄はない。
どんなことでも後ですべて生きてくる。
「しなくちゃならないこと」より「しようと思うこと」をする勇気が
今の現代人に一番求められていることではなかろうか。
朝ドラは暗にそう言うことを伝えている気がする。
コメント
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