風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

本当の「有害」とは?

2021-04-11 | 社会
私は喫煙者だ。
そして近頃の度を過ぎた嫌煙風潮に眉を顰めるものの
当事者としては何も言えずにいた。
しかしコトは嫌煙に留まらなくなってきたので
少々このことに触れなければならないと思い始めた。

まずは煙について。
実は↓こんな記事がある。


「発がん性はタバコに限らず煙全般にある」というもの。
それなら鰻屋や焼き鳥屋、炉端焼き屋などはすべてアウトになる。
喫煙者に厳しい目を向ける人はそういう店もダメだろう。
さらにいうと、BBQや焼き魚も食べられない。
地方に住んでいると野焼きや籾殻を焼く風景を目にするが
それらにも厳しい目を向けることになる。
しかし、そういう声はついぞ聞かない。
有害という意味では車の排気ガスの方がよほど有害。
それでも嫌煙を叫ぶ方々は渋滞が頻発する都会に住むのだ。
ちなみに、ここ20年ほどで喫煙者は40%ほど減ったらしいが
肺がん患者は7倍になっているという。
わかりやすい「タバコ」だけスケープゴートになってないか?

要は「攻撃しやすい人」だけピンポイントで攻撃しているのだろう。
なぜここでこの話題を取り上げようと思ったかというと
全く同じことがコロナ禍でも顕著だから。
他県から来た人を攻撃する。
感染者を叩く。
鵜の目鷹の目で営業している飲食店や複数人の飲み会を腐す。

実はコロナで顕になっただけで、
これまでも様々な場面でこういうことがあったと思う。
宗教の違い、出自の違い、国籍の違い、
あるいは特定の国や人種、出身地域、生活慣習・・・。
「攻撃しやすい人」をあからさまに攻撃する。
普段の温和な顔の裏に隠れている人間の醜い部分が
「攻撃しやすい人」を見つけた途端にちらりと顔を出す。

「有害」というだけで攻撃するのならば
焼肉も焼き魚も焼き鳥も食べなければいい。
「タバコは嗜好品だから生きるのに必須なものじゃない」
と言うなら、胃がんや肝臓がんの原因になる酒も飲まなきゃいい。
子宮頸がんの原因になるからセックスもしなきゃいい。
日光は皮膚がんの原因になるから暗闇の中に閉じこもっていればいい。
「毎日、日常的に晒されているわけじゃないから」
と言うなら、排気ガスやPM2.5が充満する都会に住まなければいい。
もっと言うなら
農薬を使い定型的に栽培された野菜も食べちゃいけない。

もちろんマナーは必要だ。
マナーを守れない人は喫煙する資格はない。
でもそれは酒やBBQ、焚き火も同じことだろう。
しかし服に付いたタバコの粒子まで気にするぐらいなら
もっと自分の身の回りのことに気をつけるべきだろう。
呼吸する空気も。
コメント
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