吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

アフターケアもお役所仕事のポスト・グリーンピア

2007年05月04日 | Weblog
 巨額の年金資金がつぎ込まれ破綻した大型保養施設「グリーンピア」。もうこれ以上の年々の赤字補填は、国民の支持が得られないとの批判を受けた年金基金が、この大型施設や土地(跡地)を売却した。ほとんど”ゼロ円”に近い金額で地元自治体や民間に売った。

 補修や事業転換などで幾分のお金(投資)がかかったとはいえ、タダ同然で大型施設や跡地を入手した地元自治体や民間事業者。跡地の利用や大型施設の利用の多くは、グリーンピア時代の延長や経費縮小型だ。ホテル事業、レジャー保養事業、スポーツ施設事業や市民の健康増進事業などが、再開経営された。

 地元自治体が経営することになった11施設の再開経営の2004年から2006年の収支決算は、直営の9施設事業すべてが”赤字”だという。赤字補填という名目でつぎ込まれた公費(税金)は、トータルで概算8億円だという。宮城県岩沼のようなとび抜けた赤字施設(3億円の赤)を除いても、それぞれの地元自治体は平均3~5000万円の赤字補填をしている。財政規模もそんなに大きくない自治体にとっては大変な負担(税金投入)だし、これがつづきそうな気配なのだ。

 そこに土地(立地)があり、ハコ(施設)があり、”保養施設”などという祝詞(のりと)がある大型施設(立地、ハコもの)をただ”安く買った”自治体は、事業家でも実業家でもない。ビジネス・モデルやマーケティング戦略を考えたりできる人たちでもない。「予算」という税金の”使い方”だけを考えることが得意な人たちなのだ。

 ひとつの引継ぎ施設事業に、市民が50人働こうが100人働こうが、事業が採算とれずの”赤字”では、雇用の場や地域経済効果などとは言っていられない。公費(税金)補填をつづけるのでは「グリーピア」と同じだ。どのように赤字が解消できるのか、どのように黒字転換ができるのか、黒字の展望が得られなければ、事業(継続)を断念するのが常道だ。毎年”赤字”を見込み、毎年公費補填を続けることは、市民や納税者への背信なのだ。

 よくよく、事業性およびリバイバル可能性とその達成戦略を考え、シュミレーション検証し、確かな展望をし、地元自治体に収益還元できないまでも、迷惑(補填)をかけることはないという現実性のある構想を立て、開示してほしい。よくよく地元市民に説明し、承認支持が得られたら、事業の継続とそのサクセスに向け汗をかいてほしい。
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