吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

日々、忖度して暮らす

2017年05月28日 | Weblog
日々忖度して暮らしていたのに忖度という言葉を知ったのは、つい最近のことだ。何人かで協同して暮らせば、お互い忖度して暮らすのは自然のことだ。他人の心を推しはかって暮らすのは当たり前のことだと思う。よくよく思えば”忖”も"度”も「はかる」こと。はかることを重ねて使っているから、重々はかることなのかも知れない。

いままでは、「おしはかる」ことを推量や推察と言ってきたが、相手などの事情や心中を推しはかったり、思いやるのは推察の方が近いのかも知れない。家族や職場に暮らすようになって半世紀を過ぎたが、わたしは常々「人のことや物事の道理を考えて暮らす」人のことや物事やその道理に思いをめぐらして、日々を暮らすよう言って来た。文字通り忖度して暮らすよう言ってきたのだが、最近は”言い方”を変えようと考えるようになった。

忖度の対象が、ひとや相手の希望なのか、所望なのか、懇望や宿望なのか、見えない無心や強情なのか解らないからだ。役所や法律や手続きには、申請や請願や訴願などがあるが、忖度の対象は、何なのであろうか。はかる対象が、見えない。ひとや相手の心意や内意、意向や思惑のはかり方が分からないのだ。

「はかる」にもいろいろある。計る、測る、量るなどに加え、図る、謀る、諮るなどあるので、よしなに考えていただこうと”ひらがな”にしている。このような世の中だから、知らない忖度が深耕するのかも知れない。
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ブリューゲル「バベルの塔」展日誌(上野/東京都美術館)

2017年05月21日 | Weblog
きょう明日の土・日は、30℃を越える真夏日だという。2017年5月20日(土)は、特別の宿題や予定もない。自宅のマンションは、先月より8月まで約半年に及ぶ大規模修繕中で、部屋で静かに休日する環境ではない。外は真夏日というが、外出するしかない。バベルの塔展の切符があるというので、上野は東京都美術館に向かう。

午前9時15分、JR上野駅は北公園口に出る。改札から美術館や動物園に向かう通りは、人、人、人。動物園の入り口まで、お子さん連れの家族、家族。間を縫うようにして美術館前に着く。9:30の会場までまだ15分あるというのに、こちらも人、人の列。列の流れにまかせ前に進むと15~6分もしないうちに、展示室に入れた。まずは、ブリュ-ゲルやそのバベルの塔に行く前の、ネーデルランド16世紀ごろの画檀や画家。

いまのオランダなのかベルギーなのか地理地方がよく解っていないが、当時ネーデルランド地域の人々や生活が、イエスやキリストの宗教ベースにあったことが理解できた。絵画や美術も、多くがいわゆる旧約聖書宗教画のようだが、やたら物語的版画やボスなどの模倣画が多いのにはビックリだ。そして、ブリューゲルの版画からバベルの塔へ。

バベルの塔のバベルが何で何処なのか解らない。16世紀やブリューゲルのVRなのかも知れないが、やたら大きい。限りない天空までも届く人々や世の中の欲望なのか希望なのか解らないが、宇宙や月に向かってすすむ現在の欲望科学風潮に重なる。この創世記バベルの塔が完成形を得ていない未完であるところが、何かほっとさせている。人類の欲望の果てしなさが戒めとして心される。2017年5月20日(土)の日誌でした。

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春から初夏は、感覚深耕の時節

2017年05月20日 | Weblog
春は冬眠から覚めたり、草木の芽吹きを感ずる時節。初夏は、若葉青葉の香りや小さな生きものの仕草に驚く時節。薫風なる初夏の風に、緑の香りや甘い薔薇の香りを乗せて感じる季節。

生きているという感覚を認識する時節でもある。視覚、聴覚、触覚、嗅覚や味覚という五感がよく働き出す時節が初夏。青い空や綿のような雲を仰ぎ見たり、山や田畑の緑や公園などの花々を愛でたりする(視覚)。小鳥たちの囀りや早朝のハスの開花音に驚いたりする(聴覚)。温む小川の水に足を入れてみたり(触覚)、木々の緑やバラの香りを嗅いだりする(嗅覚)。そして、春から初夏は何と言っても海の鰹や山の山菜や春夏の野菜と果物に、舌鼓を打つ時節(味覚)。

この味覚もまた、五つある。甘味、酸味、塩味、苦味や辛味だ。最も五感に第六感があるように味覚にも五味を合わせての旨味がある。食感などもある。甘味などの味覚それぞれには、濃い薄いやコクがあったり、さっぱり感があったりやその強弱があることに加え、人それぞれの丁度いいポイントがある。これらに、つるつる・ざらざらやなめらかなどの食感が加わる。一言で説明できないのが味覚なのだ。

春から初夏は、いわゆる緑や花の匂いや香りに季節を感ずる。若葉や新緑の香りと青麦や青葉の香りは、どのように違うのか。濃さや薄さでは説明できそうもない。薫風と青嵐の違いもハテナだ。薔薇の香りなどでよく聞くグリーンノートの香りや青リンゴの香りやフレッシュな香りは、それぞれどのように違うのだろうか。甘い香りやムスクの香りと赤ワインの香りやピーチの香りは、どのように違うのだろうか。

ことほど左様に、感覚や味覚や旨さなどは個人個人により心理的尺度が異なる。そのような感覚や勘や何かわからない第六感などを研ぎ澄ます時節が、春から初夏のように思う。読者諸氏の感覚深耕を願い祈る。
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消費者市場の現在閑話

2017年05月13日 | Weblog
2013年4月アベノミクス応援団長として登場した日銀黒田総裁のインフレターゲットの見通しを当の本人が、自分の任期中の達成は無理と発言した。アベノミクスが掲げたインフレターゲット2%どのデフレ脱却が、祝詞だけに終わりそうだ。政府や日銀の発表とわたしたち消費者国民の実感とのズレはいつものことだが、ホワイトシャツでデスク計画する方々と汚れシャツで汗する人々の実感との乖離は大きい。

このところの消費者のフトコロやサイフの動きを大手チエーン・スーパー グループ2社の4月実績でみると、前年同期比片や98%、片や99%と前年同期割れ傾向がつづいている。衣料品や住宅関連品や非食料品などの前年割れは毎度のことだが、この4月のそれは食料品も含む全カテゴリーでの前年同期割れだ。インフレターゲットは何も物価増だけをターゲットにする戦略ではないが、2%増から遠ざかるようにこれら大手チェーンは、価格切り下げ戦略を検討している。

20年ほど前の全国チェーン・スーパーの総販売額は16兆円ほどあったのだが、ここ1~2年の年間販売額は13兆円ほどに縮減している。20%減だ。21世紀に入ってからの15年をみても、食料品ひとり13%増だが、住居関連品35%減、衣料品65%減、その他のカテゴリー40%減の有様だ。

このような消費経済景気情況の中にあって、小職が帰属している日本の豆乳(類)市場は、成長に恵まれた。10年前に比べ総生産(出荷)量でみた市場規模は、約2倍になった。豆乳についての飲用経験者は、76.5%が96.5% へと1.3倍になった。現在(ここ1か月)飲用者も49.0%が68.0%へと1.4倍に、毎日豆乳を飲んでいるというヘビー・ユーザーも、7.5%が14.0%へと1.9倍に伸長した。植物性たんぱく飲料豆乳を、ご家族みんなで飲んでほしいと願う。
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「みどりの日」の緑の庭園

2017年05月05日 | Weblog
むかし国民の祝日や休日に挟まれた日は”祝休日”ということで恵まれた5月3日
(憲法記念日)と5日(こどもの日)の間の4日が、いつの間にか「みどりの日」という国民の祝日になった。少し前、みどりの日は4月29日だったが、この日が「昭和の日」になったためのスライドで、5月4日になったのだ。

薫風香る”みどり”の日の5月4日、みずみずしい初夏の緑を目に、深いみどりの風を顔に触れるべく、都会の下町は清澄庭園あたりを散策することにした。いまの緑を鮮明に感受するためでもないが、まずは深川江戸資料館・小劇場に井上ひさしの『雪やこんこん-湯の花劇場物語-』なる芝居観賞となった。

開演に少々早い午前10時、深川江戸資料館手前の霊厳寺に参内する。はじめてだが、松平定信ゆかりにふさわしい”みどり”深い浄土宗のたたずまいだ。30分ほど早く資料館は小劇場に入る。むかし田舎の田圃広場のムシロ小屋劇場で観たような芝居なのだが、とにかく面白く新しい人間味濃い演出の芝居だった。

2時間半の芝居を満喫し、13:30出て5分の清澄庭園に入る。みどりの日ということで入園無料。好天にめぐまれ多くの観賞者だが、人々の混雑が感じられない。大きな池の周りに配置されている名石の庭石や渡り石と周りに繁る緑が、池面にマッチしている。池の鯉や小亀たちへの配慮を忘れ、専ら緑を感受して清澄白河をあとにした。2017(平成29)年5月4日は、みどりの日でした。
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緑風薫風の時節

2017年05月03日 | Weblog
昨日八十八夜、明日みどりの日。新緑が深緑になる時期は、薫風に鯉のぼりが泳ぐ。ゴールデンウィークの真っ盛りは、5月3日(憲法記念日)から7日日曜日の5日。4月29日(土)30日(日)から中2日を休むと”9”連休と言うから、うらやましい。

八十八夜は、”夏も近づく・・・”立春から88日目の日ということで、茶摘みがイメージされるが、農耕民族日本においては、農業の夏支度に入る時節だと言われるが、同じような二十四節気の穀雨とはどのように違うのだろうか。八十八夜が、田植えや種まきなどの夏に向けての農作業をする時期なのに対し、穀雨は雪、霜や乾燥が終わり、雨に恵まれる時節になるから、春の農作業を支度せよということなのか。

穀雨が何となく、太陽暦や天文学からに太陽が黄経30°(地球360°÷24hs=15°×2=30°)に位置するのが4月20日ごろということなのに対し、八十八夜は、ずばり立春から88日目だという。まさに雑節が、末広がりの8がダブッたり、八十八は、漢字の米になったりと縁起がいい。

いずれにしても穀雨も八十八夜も、春から夏への農作業の好機。深緑が恵む薫風が、茶摘みや田植えに励む人々を癒やす。青空を鯉のぼりが泳ぐ。
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