1)「行く秋を惜しむ」の詠句:
・行く秋を惜しむ赤い実ナナカマド ・野にありて吾も花よと吾亦紅
・行く秋を惜しむ山茶花花五つ
藪椿に先んじて花を咲かす山茶花が 家々の庭先を演出する一方、里山の麓や野原などには 紅葉や落葉の木々の間にあって 赤い実のガマズミやナナカマドなどが行く秋を惜しむ。
野山への道脇や土手などに群れ咲く吾亦紅なども「吾も紅なり」と主張するが、モッコウ(木香)の香りはしない。ただ、花の形や咲き方を他の野花と差別化してツンツンと天に向って赤く咲かす。
2)「晩秋の巷の日々」の詠句:
・ハロウィーン狭い坂道棒倒し ・日溜りをゆらゆら探す冬の蚊よ
・晩秋のワールドカップ一喜一憂
この(2022年)秋は 何かと騒がしかった。10月29日ハロウィーン(11/1)前の前夜祭と、韓国はイテウォン(梨泰院)路地坂道での群衆雑踏圧倒死事故。サッカー・ワールドカップ-カタールでは、日本が予選第1戦(11/23)で強豪国ドイツに勝利すれば その4日後の第2戦(11/27)でコスタリカに思いがけずの敗北。
収まり見せないコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の世情に輪をかける巷の喧噪に、落ち着きののない社会情況でした。
3)「コロナ禍と気象異常禍」の詠句:
・コロナ禍の収まり見えず神渡し ・アニメ顔大きなマスク孫威張る
・霜月や脱いで又着るTシャツよ
新型コロナウイルスもデルタ(株)からオミクロン(株),、オミクロンもBA.1からBA.5と種や顔を変え、この夏の酷暑や世情の変化に合わせ 生きている。第7波を越えて第8波への対策急務の日本。
少子高齢化の世の中、幼い子どもに対するマスクやワクチンも大事。 温暖化阻止などと異常気象や脱炭素などの施策と合わせ、日々働く人々への気配りを政策によろしくです。
4)「秋深まる風景」の詠句:
・肌色で差別しないで吾亦紅 ・八手花いい月いい日 平和の日
・深秋の伊勢路を競ふ大学生
11月は霜月。秋の深まりや冬への構えが 気になる時節の一方、秋を惜しんだり 深秋を感じたりする”祭りやイベント”が多いのが11月。いい月いい日(11/11)、陰陽の”陽”の七五三(11/15)や文化の日(11/3)や世界平和のの日(11/11や21)に加え 勤労感謝の日(11/23)など、お祝いやお祭り行事などの多い11月。
5)「晩秋の里山景色」の詠句:
・ふる里の赤黄みどりの山眠る ・鈴の音を遠くに聞いて獣道
・限界村人居ぬ庭の木守柿
少子高齢化が 地域社会の構造的変質や限界村や地域と人居ぬ家(無人家)の増加を生んでいる。文字どおりの”山眠る”にならない里山や地方の森や林は、荒れ放題になっている。
都会の街中にも無人家や荒廃家屋があちこちに見られる近年だが、行方不明の所有者や相続者も後継者もいなくなって 倒壊寸前になった無人荒廃家屋をどのように解体始末すればいいのか、悩むばかりに過ぎている地方自治体だ。