吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

一般消費者(世帯)家計における食料費の変化

2017年08月09日 | Weblog
政府や日銀の言い分と少々異なる一般消費者の家計。ここ5~6年の消費者市場は、多くの方面において縮減傾向だ。総務省統計局の家計調査(総世帯平均/全国)をみると、ここ5年の世帯平均年間消費支出額は2012年の297万円、13年の302万円、14年の302万円、15年の297万円、2016年の291万円と低減している。勤労者の平均年賃金所得も、ここ5年410万円台を前後して停滞している。”入り”が上昇していないのだから”出る”を抑えるのは、当然の成り行きであろう。

より具体的に消費者家計支出の内容を日本チェーンストア加盟社合計の売上高を年次別にみると、2006(H18)年総販売額14兆円に対し2015(H27)年13兆円と1兆円も低減している。内訳をみると、食料品売上額こそ約8兆5000億円とこの十年ほとんど変化ない(増えてもいない)のに対し、衣料品は1.8兆円が1.2兆円に34%減少、その他の住関係費も2.8兆円が2.7兆円と5%減少している。サイフのヒモを堅くする消費者の家計行動は、衣料品や家庭用品などの支出に表れるが、食料品分野にも表れる。

前述の家計調査をみても、全体としての家計消費支出額が横這いから低減傾向にあるなか、家計の食料費支出額はここ5年微増している。2012年の769千円、13年の780千円、14年の793千円、15年の813千円、16年の815千円と、2016年は5年前(2012年)より平均4600円、率にして6%増えているのだが、その中身が変化しているのだ。ふつうは、年々低減しているのかと思っていたエンゲル係数が、ここ5年25.9%、25.8%、26.3%、27.4%、28.0%と2ポイントも上昇しているのが昨今だ。

なかなか楽にならない家計生活なのに、”食べること”の節約は難しいということなのだろうが、このような家計事情の中にあっても多くの女性消費者は、買うモノの価格や金額への節約以上に、時短や労短を指向するようだ。外で働いたり、家事や子育てで汗しているのだから、家事や食事づくりでは時短したいし、手をかけないようにしたいと、食事食料関係費での外食や中食にかける支出が増え、自分で調理する内食材料にかける支出が低減している。

土曜、日曜などだけでなく週日でも、「きょうは外食したい」「きょうは宅配食や出来あいにしたい」と思う人々が増えている。老いも若きも、買い物や家事や食事づくり以上に”したいこと”や”すること”が増えているということこそ、暮らしが豊かになり、レジャーや文化の生活シェアが高まった証左なのだろう。

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世界の牛乳と豆乳の飲用(量)事情雑話

2017年08月02日 | Weblog
日本は 国民一人当り年間30ℓ ほどの牛乳を飲む。乳児や70歳以上のお年寄りその他の”飲めない人や飲まない人”などが人口の30%ぐらいいるとすると、一般の消費者一人当り平均年間40~45ℓの牛乳(市販飲用牛乳)を飲んでいることになる。一日平均にすると、100ml~150mlの計算になるから、2日に一回200㎖から300㎖飲んでいることになろう。ブラジルや韓国などが、この日本と近い牛乳飲用レベルだ。

この牛乳飲用(量)に対し、日本や韓国の”豆乳”飲用をみると、それぞれ年間国民一人当り3~4ℓ ほどの豆乳を飲んでいる。ほぼ、牛乳の10分の1になる。

年30ℓ平均の牛乳飲用(量)は、世界平均でみると”中位”にあるが、下位にある多くの国には牛乳を”飲まない&飲めない”国も多いので、”低い”消費レベルになる。牛乳をたくさん飲むイギリスや北欧は、国民一人当り年間100ℓ以上や前後飲む。消費者一人当りでみると、100~150ℓになる。2~3日に平均1ℓ の牛乳を飲んでいることになる。一日平均300~500㎖ の牛乳を飲んでいる。日本の3~5倍の平均牛乳飲用(消費)量だ。

これらの牛乳をよく飲む国々で 豆乳もかなり飲んでいる国というと、まずはスペインとポルトガルおよびオーストラリアとニュージーランド。これら4か国は、ほぼ牛乳を3~4日に1ℓ 平均飲んでいる。一日平均一人250~300㎖ になる。これらの国の豆乳飲用は、国民一人当り年2.5~3.0ℓ と、ほぼ日本・韓国並みである。

アメリカやスペイン&ポルトガルを除くヨーロッパの多くの国は、牛乳を年間一人当り40~60ℓとそんなに多く飲まない(とはいえ、日本の2倍)のに、豆乳もあまり飲んでいない。一人当り日本の半分ぐらいなのだ。チーズやバターなどの乳製品やビーフステーキなどで、動物性たんぱく質を摂っているからだろうか。

国によってか、国に住む民族の嗜好によってか、たんぱく質その他の栄養や食事の摂り方がいろいろあるということなのでしょうか。牛乳で摂るも豆乳で摂るも、味や動物・植物などでの選択ではないのかも知れない。人それぞれ、国それぞれに、どのように対応して自分やモノや様式を受け入れてもらうか、結構難しいことにチャレンジする人々も多い。
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