広島市教育委が『はだしのゲン』を教材から外すとか。
どういう意図・経緯があってのことか知らないが、
象徴的な時代の変化であるような気はする。
さておき、僕らの世代はあのアニメがトラウマになった人も少なくないはず。
禍々しいキノコ雲の下で、どんな地獄絵図が繰り広げられたのか、
一切の妥協も容赦もない描写のおかげで、
原爆の恐ろしさは脳裏の奥底まで刻み込まれている。
禍々しいキノコ雲の下で、どんな地獄絵図が繰り広げられたのか、
一切の妥協も容赦もない描写のおかげで、
原爆の恐ろしさは脳裏の奥底まで刻み込まれている。
そして、何といってもゲンの父・姉・弟が崩れた家の下敷きになり、
生きながら焼かれていくのを見ながら母とゲンは逃げるほかない、というあのシーン。あれはもう…。
子供の頃も自分に置きかえてみて、怖くてたまらない思いだったけれど、
いま人の親となってみると、また少し感じ方が変わるのがわかる。
恐怖よりも、底知れない絶望。
半狂乱となったゲンの母の気持ちが実感としてわかるようになる。
「熱いよ〜かあちゃ〜ん…」
あの悲鳴を上げているのが我が子だったらなんて、想像することさえ憚られる。
生き地獄なんて言葉でも生ぬるい、どんな言葉をもってしても足りない。
いま人の親となってみると、また少し感じ方が変わるのがわかる。
恐怖よりも、底知れない絶望。
半狂乱となったゲンの母の気持ちが実感としてわかるようになる。
「熱いよ〜かあちゃ〜ん…」
あの悲鳴を上げているのが我が子だったらなんて、想像することさえ憚られる。
生き地獄なんて言葉でも生ぬるい、どんな言葉をもってしても足りない。
『はだしのゲン』の描写や思想的な偏りに対して批判があるのも承知だが、
何も馬鹿みたいな「公正中立」だけが教材に相応しいとは思えない。
僕個人の意見としては、事実の詳細や歴史的な評価は別に学ぶとして、
被爆者たちの悲惨な体験や切実な思いには、一度は触れるべきだ。
できるだけ多くの子供に読んでほしいと思う。
それには学校でその機会を担保するのが一番良い。
ネトウヨ隆盛、政権与党も極右に近い当世だ。
天皇制批判や共産党、中国や朝鮮へのシンパシーなどが気に入らない、
という人は多そうだが、あんな目に遭わされたら無理もない、
誰だってあれくらいの思いに至るんじゃないか。
僕だって、国の大失策(僕はあの戦争は概してそう断じている)で、
家族があんな目に遭わされたら、ゲンと同じことを言うだろうなと思う。
個人として天皇を崇敬したり、共産主義を嫌ったり、
日本の国に誇りを持つのは自由だが、
だからといって原爆投下の事実から目を背けたり、
被爆者の訴えに耳を貸さないのは間違っている。
国のやることに何だか妙にものわかりのいい国民が増えてきたような昨今の日本だ。
無邪気に防衛費倍増を喜んだり、やたらに隣国を敵視したり、
背筋に冷たいものを覚えつつあるのが正直なところではある。