昔は、それが何であれ知らないことは損だと思っていたし、
恥だと思っていたし、罪だとさえ思っていた。
知ることで自分を守ることもできるし、不正義を挫くこともできる、
だから僕は何でも知りたがり、それらについていちいち考えて、
自分の絶対的なスタンスを築こうともがき続けていたように思う。
二十代まではそんな感じだったかな。
「理屈じゃない」なんてのは、
考えようとしない人間の言い訳だと思っていた。
スタンスの定まらない根無し草のような人間の、
その場しのぎだと決めつけてもいた。
いわゆるアタマでっかちですね(^^)
いまはといえば。
いろんなことがあって、
僕は知らなくて良かったことまで知ってしまうことの怖さを学んだ。
知ることに疲れた、と置き換えてもいいかもしれない。
知りたくなかったことまで知ってしまうと、
考えずにはいられなくなる。
そのことが自分の心や体を蝕んでいくことだってある。
そして僕は自分でかくありたいと願うほどに強くはない。
むしろ、ある意味極めて弱い。脆い。か細い。
考え始めてしまうと死にたくなるほど論理的に、
そして明晰にあらゆる形に繋がってしまう。
しかも呪わしいほどにバリエーション豊かに。
これは最大の取り柄であると同時に、
最大の急所でもあると自覚している。
であるなら、そもそも真相にこだわって、
開けてはいけない箱を開けてしまうこと、
これ自体を放棄した方がいい。
知らないことは存在しないのと同じだからだ。
自分だけが知らなくても、
自分だけが騙されていたとしても、
それに気づいてしまうことのダメージの深さを思えば、
知らないまま人生が過ぎ去って、
幸せな錯覚のもとに幕を閉じた方が余程いい。
そもそも、「本当のこと」なんて、あるのかどうかも疑わしい。
みんな、すべては
「…ということになっている」
「そういうことにしておきたい」
というだけのことなんだろうと思う。
不正義も不道徳も罪も罰も愛も夢も、
みんなドーナツの穴みたいなもんだ。
穴だと呼ぶその場所には、
ただ何もないだけなんだ。
根無し草で、いいと思う。
根なんかあったって、引っこ抜かれりゃおしまいだ。
どこまでも流されていって、
見えなくなるまで逃げていって、
疲れたら枯れてしまえばいい。
大地に根を張って、太陽に向き合って、風雨に耐え、
それでもメゲずに生きていくなんて、
僕以外の誰かが頑張ればいいことだ。
わかってもらおうだなんて、とうの昔に諦めた。
敵も味方もなくていい。
ただ死ぬまでの間なるべく心地よく生きていく。
それだけ、がんばる。
恥だと思っていたし、罪だとさえ思っていた。
知ることで自分を守ることもできるし、不正義を挫くこともできる、
だから僕は何でも知りたがり、それらについていちいち考えて、
自分の絶対的なスタンスを築こうともがき続けていたように思う。
二十代まではそんな感じだったかな。
「理屈じゃない」なんてのは、
考えようとしない人間の言い訳だと思っていた。
スタンスの定まらない根無し草のような人間の、
その場しのぎだと決めつけてもいた。
いわゆるアタマでっかちですね(^^)
いまはといえば。
いろんなことがあって、
僕は知らなくて良かったことまで知ってしまうことの怖さを学んだ。
知ることに疲れた、と置き換えてもいいかもしれない。
知りたくなかったことまで知ってしまうと、
考えずにはいられなくなる。
そのことが自分の心や体を蝕んでいくことだってある。
そして僕は自分でかくありたいと願うほどに強くはない。
むしろ、ある意味極めて弱い。脆い。か細い。
考え始めてしまうと死にたくなるほど論理的に、
そして明晰にあらゆる形に繋がってしまう。
しかも呪わしいほどにバリエーション豊かに。
これは最大の取り柄であると同時に、
最大の急所でもあると自覚している。
であるなら、そもそも真相にこだわって、
開けてはいけない箱を開けてしまうこと、
これ自体を放棄した方がいい。
知らないことは存在しないのと同じだからだ。
自分だけが知らなくても、
自分だけが騙されていたとしても、
それに気づいてしまうことのダメージの深さを思えば、
知らないまま人生が過ぎ去って、
幸せな錯覚のもとに幕を閉じた方が余程いい。
そもそも、「本当のこと」なんて、あるのかどうかも疑わしい。
みんな、すべては
「…ということになっている」
「そういうことにしておきたい」
というだけのことなんだろうと思う。
不正義も不道徳も罪も罰も愛も夢も、
みんなドーナツの穴みたいなもんだ。
穴だと呼ぶその場所には、
ただ何もないだけなんだ。
根無し草で、いいと思う。
根なんかあったって、引っこ抜かれりゃおしまいだ。
どこまでも流されていって、
見えなくなるまで逃げていって、
疲れたら枯れてしまえばいい。
大地に根を張って、太陽に向き合って、風雨に耐え、
それでもメゲずに生きていくなんて、
僕以外の誰かが頑張ればいいことだ。
わかってもらおうだなんて、とうの昔に諦めた。
敵も味方もなくていい。
ただ死ぬまでの間なるべく心地よく生きていく。
それだけ、がんばる。