その日は朝早くから小雨がぱらついていた。
…またか。またなのか。
先週もそうだった。
卒業検定という大一番の日に、水たまりだらけの検定コース。
土俵で例えるならば千秋楽を豆腐の上で。
サッカーで例えるならばワールドカップを干潟で。
甲子園で例えるならば決勝戦を流氷の上で。
それくらい、無理。
だって滑るんですもの、お母様。
現に先週は急制動で滑っちゃって動揺しまくりだったもん。
しかしこの日は違った。
路面を少し湿らせた程度で、水たまりができる前に雨は上がったのだ。
…今日は、何かが違う。
Rebirth時代から俺には一つのジンクスがあった。
いわく、
「どんな大きなライブでも、その日その会場でトイレ大をもよおしたなら、必ずうまくいく」
である。
これがどういうわけか、どれだけ声が出なくても、ネタがなくっても、
必ずそういう日は盛り上がってしまうのだった。
Rebirthの7年259本にわたるライブの中で、
俺のトイレにまつわる雑感や失敗談などがMCネタになったのは、
比率で言うと7%程度はあったのではないか。
そしておそらく全ライブの60%位はこの「会場でトイレ大」の実行により盛り上がっている。
トイレ大が盛り上がる、ってなんだか抵抗感あふれる言い回しだな。
そしてこの日、突如その吉兆が現れたんである。
それまで、俺はこの教習所で、もよおしたことはなかったというのに、だ。
なんかいいことありそう。
そして俺のジンクスはもう一つ。
そう、俺の時には必ずと言っていいほど、『T幹』の役目がついて回る。
『トイレットペーパー幹事』だ。
俺の番には必ず、必ず、美しい純白の衣をはぎ取られた、
見るからに貧相な感じの茶色い芯筒がカラカラカラと力なく回るのだ。
あの無力感ったらない。
やむを得ず、俺はたいそうな手間をかけて換えるのだ。
紙切れ一枚発行するのに、あるいは預けた金返して貰うのにまで、
「手数料」とかいう名目でえらくふっかける不届きな商売が多いが、
一体どんな手数がかかるというのだ。カネ要求するほどか?
だとすればまさに俺のこれこそ手数だ。
しかも俺が手数をかけて交換したニューロールの99%は、
見ず知らずの他人が、何の労苦もなく、思う存分使うのだ。
やりきれんぞ、おい。手数料くれ、俺にも。
社会に対する貢献度を考えて、俺だけ消費税2%とかさ。
閑話休題。
ともかく、2連続のジンクス炸裂。
そして順番もいい。
長時間の緊張感にとても耐えられない俺は、
早めの順番を望んでいたが、やったぜ2番。
さらに危険予測ディスカッションで一緒だった船堀在住のSくん、
彼は前回の卒検も一緒だったのだが、今回もまた(笑)。
彼はクランクに突っ込んだらしい。むむ、解るぞ同志よ。
一本橋とかクランクとか、どー考えてもねーぞあんな道。
あれで一発検定中止とは厳しすぎるだろ。
一本橋なんてあんな、道幅30センチ、あるかって。
仮に崖に幅30センチの板が渡してあるとしてもだ。
その板を、渡るか?普通。
俺は1億貰っても渡らん!
さらに続くラッキー。
道路はもうだいたい乾いているにも関わらず、規則により、
「急制動」の停止位置がやや緩和されたのである。
急ブレーキでここまでに停まらなければイケナイというラインが、
雨天用の、かなり楽勝で停まれちゃう位置まで離れたのだ。
いい条件が揃っての再挑戦となったワケである。
日本シリーズも、もうないしね…。
集中!集中!集中!
今回はコースを覚えるのを、やめた。
だって覚えてなくても教えてくれるし、減点にもならないって言うんだもん。
もうあんまし色々気にしないで、
目の前の課題とバイクの操作にのみ集中することにした。
これが功を奏した。
発進、坂道、スラローム、急制動、クランク、すべて順調にこなしてゆく。
あとは宿命のライバル一本橋。
これさえ越えてしまえば、あとは踏切通過だけ。楽勝だ。
深呼吸。もう一度深呼吸。
そしてゆっくりと…じゃない!今回は思い切って強気で行くのだ!
実際、一本橋のコツは最初の発進で加速しておくことなのだ。
慎重にやりたい余り、ついついスピードを落としてしまうが、
遅ければ遅いほどバランスを取るのが難しくなるのがバイクなのだ。
前日の補習教習では(先生なのに補習受けてるよ俺)
一本橋ばかり10回ほど集中して取り組んだが、
そのどれもがまったく問題なく、屁のカッパ状態なのである。
最初の加速を意識的に改善しただけだった。
やはりメンタル。最初の強気こそが肝心だ。
タイムなんていーじゃねーか。
多少減点食らったって、検定中止のあの屈辱よりは、いい。
だから思い切ってぐいっ。
すると…スルスルスル…やった、練習と同じだ。
しかし、やっぱり緊張していたのか気合いが入りすぎたのか、
あまりにも速い。
このままでは7秒以上かけなければならないところを4秒で通過してしまう。
減点15だ。これは痛い。
そこでブレーキをくいっ。
すると今度は減速しすぎてふらつき始めたではないか!
大ピンチ。こんな大ピンチ久しぶり。
もう開き直って体勢を立て直すべく、タイム度外視でアクセル全開。
いや、うそだ。さすがに全開は無理だ。
ともかく気持ちの上では全開。
一本橋を上をマッハで通過する俺の検定車。
いや、うそだ。マッハなら0.03秒で通過する。
まあそれも気持ちの上での話だ。いちいち言うなって?(笑)
後輪が半分落ちかけているのが解った。しかし、耐えた。
踏ん張って、踏ん張って、どーにか渡り終えたのだ!!
後ろのクルマ(これで追尾しながら採点する)で検定員が笑っているのが見えた。
やった、セーフだ。検定続行だ。
これですっかり調子を取りもどした俺、後はいたって問題なくクリア。
合格いたしました!!!
塾で同僚諸氏に報告。熱い祝福。なんて恵まれた職場だろう。
さらに生徒にも報告。
ああ~~世界のすべてが輝いて見える。
空はこんなに青いのね~。
いよいよ週明けには、免許証をゲットして、
バイクに…乗るのだ!!!
みんな、俺、やったよ!!
忙しくて更新できずにいたけど、みんな俺が落ちたと思って、
コメント控えてたでしょ(笑)。
その気遣いが嬉しいぞ。しかし俺は、受かってしまったのだ!!
いやったぁ~~い!!ばんじゃぁぁ~~~い!!!
…またか。またなのか。
先週もそうだった。
卒業検定という大一番の日に、水たまりだらけの検定コース。
土俵で例えるならば千秋楽を豆腐の上で。
サッカーで例えるならばワールドカップを干潟で。
甲子園で例えるならば決勝戦を流氷の上で。
それくらい、無理。
だって滑るんですもの、お母様。
現に先週は急制動で滑っちゃって動揺しまくりだったもん。
しかしこの日は違った。
路面を少し湿らせた程度で、水たまりができる前に雨は上がったのだ。
…今日は、何かが違う。
Rebirth時代から俺には一つのジンクスがあった。
いわく、
「どんな大きなライブでも、その日その会場でトイレ大をもよおしたなら、必ずうまくいく」
である。
これがどういうわけか、どれだけ声が出なくても、ネタがなくっても、
必ずそういう日は盛り上がってしまうのだった。
Rebirthの7年259本にわたるライブの中で、
俺のトイレにまつわる雑感や失敗談などがMCネタになったのは、
比率で言うと7%程度はあったのではないか。
そしておそらく全ライブの60%位はこの「会場でトイレ大」の実行により盛り上がっている。
トイレ大が盛り上がる、ってなんだか抵抗感あふれる言い回しだな。
そしてこの日、突如その吉兆が現れたんである。
それまで、俺はこの教習所で、もよおしたことはなかったというのに、だ。
なんかいいことありそう。
そして俺のジンクスはもう一つ。
そう、俺の時には必ずと言っていいほど、『T幹』の役目がついて回る。
『トイレットペーパー幹事』だ。
俺の番には必ず、必ず、美しい純白の衣をはぎ取られた、
見るからに貧相な感じの茶色い芯筒がカラカラカラと力なく回るのだ。
あの無力感ったらない。
やむを得ず、俺はたいそうな手間をかけて換えるのだ。
紙切れ一枚発行するのに、あるいは預けた金返して貰うのにまで、
「手数料」とかいう名目でえらくふっかける不届きな商売が多いが、
一体どんな手数がかかるというのだ。カネ要求するほどか?
だとすればまさに俺のこれこそ手数だ。
しかも俺が手数をかけて交換したニューロールの99%は、
見ず知らずの他人が、何の労苦もなく、思う存分使うのだ。
やりきれんぞ、おい。手数料くれ、俺にも。
社会に対する貢献度を考えて、俺だけ消費税2%とかさ。
閑話休題。
ともかく、2連続のジンクス炸裂。
そして順番もいい。
長時間の緊張感にとても耐えられない俺は、
早めの順番を望んでいたが、やったぜ2番。
さらに危険予測ディスカッションで一緒だった船堀在住のSくん、
彼は前回の卒検も一緒だったのだが、今回もまた(笑)。
彼はクランクに突っ込んだらしい。むむ、解るぞ同志よ。
一本橋とかクランクとか、どー考えてもねーぞあんな道。
あれで一発検定中止とは厳しすぎるだろ。
一本橋なんてあんな、道幅30センチ、あるかって。
仮に崖に幅30センチの板が渡してあるとしてもだ。
その板を、渡るか?普通。
俺は1億貰っても渡らん!
さらに続くラッキー。
道路はもうだいたい乾いているにも関わらず、規則により、
「急制動」の停止位置がやや緩和されたのである。
急ブレーキでここまでに停まらなければイケナイというラインが、
雨天用の、かなり楽勝で停まれちゃう位置まで離れたのだ。
いい条件が揃っての再挑戦となったワケである。
日本シリーズも、もうないしね…。
集中!集中!集中!
今回はコースを覚えるのを、やめた。
だって覚えてなくても教えてくれるし、減点にもならないって言うんだもん。
もうあんまし色々気にしないで、
目の前の課題とバイクの操作にのみ集中することにした。
これが功を奏した。
発進、坂道、スラローム、急制動、クランク、すべて順調にこなしてゆく。
あとは宿命のライバル一本橋。
これさえ越えてしまえば、あとは踏切通過だけ。楽勝だ。
深呼吸。もう一度深呼吸。
そしてゆっくりと…じゃない!今回は思い切って強気で行くのだ!
実際、一本橋のコツは最初の発進で加速しておくことなのだ。
慎重にやりたい余り、ついついスピードを落としてしまうが、
遅ければ遅いほどバランスを取るのが難しくなるのがバイクなのだ。
前日の補習教習では(先生なのに補習受けてるよ俺)
一本橋ばかり10回ほど集中して取り組んだが、
そのどれもがまったく問題なく、屁のカッパ状態なのである。
最初の加速を意識的に改善しただけだった。
やはりメンタル。最初の強気こそが肝心だ。
タイムなんていーじゃねーか。
多少減点食らったって、検定中止のあの屈辱よりは、いい。
だから思い切ってぐいっ。
すると…スルスルスル…やった、練習と同じだ。
しかし、やっぱり緊張していたのか気合いが入りすぎたのか、
あまりにも速い。
このままでは7秒以上かけなければならないところを4秒で通過してしまう。
減点15だ。これは痛い。
そこでブレーキをくいっ。
すると今度は減速しすぎてふらつき始めたではないか!
大ピンチ。こんな大ピンチ久しぶり。
もう開き直って体勢を立て直すべく、タイム度外視でアクセル全開。
いや、うそだ。さすがに全開は無理だ。
ともかく気持ちの上では全開。
一本橋を上をマッハで通過する俺の検定車。
いや、うそだ。マッハなら0.03秒で通過する。
まあそれも気持ちの上での話だ。いちいち言うなって?(笑)
後輪が半分落ちかけているのが解った。しかし、耐えた。
踏ん張って、踏ん張って、どーにか渡り終えたのだ!!
後ろのクルマ(これで追尾しながら採点する)で検定員が笑っているのが見えた。
やった、セーフだ。検定続行だ。
これですっかり調子を取りもどした俺、後はいたって問題なくクリア。
合格いたしました!!!
塾で同僚諸氏に報告。熱い祝福。なんて恵まれた職場だろう。
さらに生徒にも報告。
ああ~~世界のすべてが輝いて見える。
空はこんなに青いのね~。
いよいよ週明けには、免許証をゲットして、
バイクに…乗るのだ!!!
みんな、俺、やったよ!!
忙しくて更新できずにいたけど、みんな俺が落ちたと思って、
コメント控えてたでしょ(笑)。
その気遣いが嬉しいぞ。しかし俺は、受かってしまったのだ!!
いやったぁ~~い!!ばんじゃぁぁ~~~い!!!