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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

牛の骨折内固定への提言 手法

2015-03-03 | 牛、ウシ、丑

骨折内固定の手法の種類には、

スクリュー固定

ピンニング

髄内釘

プレート固定

がある。

馬ではラグ法、ラグスクリュー法で骨片や亀裂骨折を圧迫固定するスクリュー固定手術が多いのだが、私のところでも牛の骨折でスクリュー固定をしたことはほとんどない。

適応になる骨折がほとんどないのだ。

ピンニングは、ヒトでは手のひらや指の骨とか、鎖骨など、固定しておけるが、ずれてしまうのでピンを入れておく、というような使われ方をすることが多い。

小動物では髄内ピンが長骨骨折(大腿骨、脛骨、橈骨、etc.)に用いられることもある。骨が細く、荷重が小さく、術後おとなしくしている時間が長くいのでピンニングで大丈夫なことが多いからだろう。

ピンニング手術の利点は外科侵襲が小さく、骨折部を開けずに済み、コストが安いなど数多い。

しかし、骨折部を通過するように髄腔にピンを通すだけなので、骨は回転するし、近位遠位への固定力がない。

術後すぐに立ち上がるし、子牛と言えども数十キロ体重があるので、有効な固定をできる場合は少ないだろう。

ピンニングの欠点を減らすために、髄内釘(ずいないてい)と呼ばれる金属棒を骨髄内に打ち込むこともヒトの骨折固定では行われている。

断面がクローバー型した髄内釘を用いれば回転を抑えることができる。

しかし、ゴツイ髄内釘になるほど打ち込むのがたいへんで、打ち込む関節面のダメージも大きくなる。

ヒト整形外科では、インターロッキンネイルと呼ばれる横方向にスクリューを通せる髄内釘も用いられている。

このインターロッキングネイルは小動物用にもさまざまなサイズで市販されている。

しかし、とても特殊な器具器械と消耗品が必要で、手術が簡単で、なおかつ安く済むという点ではピンニングや髄内釘の利点は失われている。

小型犬に多い橈骨骨折にはインターロッキングネイルは使えない、と岡山で林慶先生が講演されていた。手根関節へのダメージが大きくなるからだそうだ。

                          -

プレート固定は、骨の上にプレートを乗せて固定するので、荷重中心と固定力がずれてしまう。その欠点は、技術上の工夫でおぎなわなければならない。

手術部位はプレートの長さちかく切り開くことになる。金属(インプラント)を残す手術なので感染すると異物としてのインプラントを抜くまで感染が続く。

感染は金属の周囲を侵し、固定を無力化する。

しかし、今のところ最も広い範囲に適応できる骨折内固定だろうと思う。

この動画は、ヒトの橈骨骨折をモデルにしていて3.5と呼ばれる小さいサイズのスクリューとプレートを用いていることに注意。

使っているプレートはLC(Limited contact)-DCPという、骨に当たる面に削った部分があり、少しでも骨膜への圧迫と、仮骨を妨げないようにデザインされたDCPの改良型。

チタン製しかなく、DCPより高いので・・・・大動物にはステンレス製のDCPで構わないはず。

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長くなったので、創外固定についてはまた次回。

岡山での講演で林慶先生も骨折内固定のアニメーションをいくつか見せてくれたが、

「こんなにうまくいくことはありません」とおっしゃっていた。

上で紹介したアニメーションもこういう風にやりたいものだ、という解説にすぎないし、

実際の手術の動画も、うまくいったから使われている。

「骨折は1症例ごとに異なっている」と林慶先生も述べられていた。

その辺、注意して観ていただきたい。

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10年近く歯医者さんには行ってなかったと思うのだが、

親知らずが虫歯になってきているのに気づいて、他の歯から手入れしてもらった。

そして、今日、肝心の親知らずを抜いてもらった。

馬の腹を切り、骨を削り、皮膚を切り取る私だ。

歯を抜かれるくらいなんでも・・・・・・・ちょっと怖かった;笑。

痛み止めと抗生物質を真面目に飲もう!

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OLYMPUS デジタルカメラ STYLUS TG-3 Tough レッド 1600万画素CMOS F2.0 15m防水 100kgf耐荷重 GPS+電子コンパス&内蔵Wi-Fi TG-3 RED
オリンパス
オリンパス

デジカメが半壊したので新しくした。

今度のは「顕微鏡モード」がついていて接写に強い。

上の歯はその顕微鏡モードで撮影した。

確かに以前のカメラのスーパーマクロより撮影しやすい。

OLYMPUS デジタルカメラ STYLUS TG-3 Tough用 LEDライトガイド LG-1
オリンパス
オリンパス

さらにライトガイドを着けると、暗い場所での接写のストロボ撮影もできるらしい。

さて、何を撮ろうか?

 

 


6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はとぽっけ)
2015-03-03 20:09:34
 牛さんと競走馬では、治療の到達点に少し違いがあるのでは?と思いますが、どうでしょ。
 知ってるから怖い。というのもあるでしょか?なんで歯の治療は怖いものなのでしょ。「頭部」だからでしょか?お大事になさって、おりこうさんしてください!
 デジカメ欲しいな、って思ってたとこでした。
 が、顕微鏡モードはいらないな。って思いました。はとぽっけは亀虎(♂だったんですよ)や鳥のうんこ見るだけだから。
 真菌症の診断にも使えそうですか?
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Unknown (piebald)
2015-03-03 20:56:46
「顕微鏡モード」って、すごいですね。
オリンパスならではでしょうか。
暗い場所での接写のストロボ撮影。
親不知を抜いたあとの穴なんてどうでしょうか?
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>はとぽっけさん (hig)
2015-03-04 05:31:44
馬では競走できるように治さないといけないことが多いです。その点、牛は搾乳や肥育に耐えられれば充分ということが多いのでハードルは低くなります。買ってもらえるかどうかはそれぞれその業界がかかえる事情があります。

痛いことされるのは誰もがイヤでしょうけど、治癒力が若い頃より衰えているのを感じている怖さもあります。だから、歯の治療をしておかなければとも考えました。

超アップの写真って面白いと思いますよ。肉眼では見えなくなってきてますし;笑。
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>piebaldさん (hig)
2015-03-04 05:34:29
親知らずを抜いた痕は、オリンパスの内視鏡の方が良いでしょうね。

携帯、スマホのカメラが能力が高くなって売れなくなっているコンパクトデジカメですが、GPS付き、防水水中撮影可能、高画質、顕微鏡モードなど、機能は進化しているようです。使いこなしたいと思います。
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Unknown (zebra)
2015-03-05 07:48:00
牛は感染に対して強固とはいえ異物を易々と受け入れてくれるわけではないですからね。
牛の手術で化膿したことないから感染はしていないはずという経験則は通用しないでしょう。
簡単な事は丁寧なのに難しいことに関してその程度が追従していかずあっさり投げ出すタイプがいます。
問題と対応の積が一定なんですよね。外科に向きません。
除が一定であること、つまり過給的対応が出来ることが必要だろうと考えます。
難しいことこそ徹底的に突き詰めるという話なのですが、寿命縮めますよね(笑)
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>zebraさん (hig)
2015-03-05 19:25:02
牛は感染に強い。と一概に言いたくはないのですが、馬と牛を診ていると、牛は強い、と言いたくなります。というより馬、とくにサラブレッドが弱いのかもしれませんが。
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