
側頭骨舌骨関節症はどのような部分に起こるのか・・・
画像はチクサン出版社カラーアトラス獣医解剖学より。
茎状舌骨は、側頭骨茎状突起と関節している。これは、馬や反芻獣の話。動物によって関節している部分は違うらしい。
側頭骨岩様部の中に、顔面神経管が通っている。
少し下から覗くように観るとこんな感じ。
側頭骨と舌骨の関節が動かなくなって、茎状舌骨が動くことで側頭骨が折れると、外耳の奥の骨が骨折するというのが納得できる。
薄い骨で構成された、取って着けたような骨の固まりだ。
そして・・・・
側頭骨舌骨関節症で表れる症状は、平衡感覚の障害、耳の下垂、眼瞼の運動障害、鼻の麻痺、下唇の麻痺、舌の麻痺、が多い。
耳の運動、眼瞼の運動、鼻・上唇・下唇の運動を司っているのは顔面神経だ。
その顔面神経が、側頭骨岩様突起の中の顔面神経管を通っているのだから、側頭骨が骨折したら損傷を受けても不思議ではない。
また、中耳炎や内耳炎から平衡感覚が障害を受けたり、側頭骨舌骨関節が関節炎や関節周囲炎を起こしやすいことも理解できる。
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獣医科学生だった頃から、加藤嘉太郎先生の解剖学の教科書を愛用してきたが、さすがに新しい本には新しい本の良さがある。
amazonの書評には、獣医師や獣医科学生じゃない人の評価が載っていておかしい。
さて、昔に獣医科学生だった皆さん、新しい解剖学の本を手に入れてみてはいかが?
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カラーアトラス獣医解剖学〈上巻〉 |
Horst Erich K¨onig,Hans‐Georg Liebich,カラーアトラス獣医解剖学編集委員会 | |
チクサン出版社 |
![]() |
カラーアトラス獣医解剖学〈下巻〉 |
Horst Erich K¨onig,Hans‐Georg Liebich,カラーアトラス獣医解剖学編集委員会 | |
チクサン出版社 |
今はさらに改訂版が出ている。
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今日は、Tieback&Cordectomy ダブルヘッダー。
1頭は2歳馬。
1頭は4歳競走馬。
専門外の方の書評でくすっとなることありますね!
そういうはとぽっけも、持っている馬の解剖の図録、耳絞っててちょっと怖い。おんまさんに遊んでもらっているとき、怒られたことないのに、というのが感想なのですけどね。
上の「記事を書く」を使って 「このブログ内で」検索マークをポチすると、hig先生の手術で回復したおんまさんの様子の報告があって、心から、よかったねぇ、と思いました。今夜はいい夢が見れるといいな。
馬の顔を描いたり、作ったりするときに、いつも悩む場所です。なぜか、形が決まり難くて、どう捉えたらいいのかわからなくなりるのです。
顔の表情は、ここで決まるようですね。筋肉や骨の図を見ても、ここの感じが全然掴めませんでした。この部分が顔全体と関わっていることに気づきませんでした。顔のバランスが崩れるはずです。長年の難題に光明が差した思いです。ありがとうございました。(こんなコメント、失礼しました)
下顎骨の間で、神経や下顎動脈がそばに通っていて、筋肉に包まれている角舌骨を取り出すという手術になるのですが、この病気によるほとんどの神経症状は完快が期待できるようです。
考案したDucharme先生に感謝。
多くの馬の絵やおもちゃを観て思うのは馬の眼を間違って描いています。人の眼を描いてしまうようです。
茎状舌骨は軟骨性の小さな鼓室舌骨を介して茎状突起と関節していると複雑な感じに本には書いてありますが、どういった関節なんでしょうかね。ちゃんとした滑膜性の関節なのか線維性の関節なのか。しかしまたなんでこんなにデリケートな部分に関節しているんでしょうか、不思議です。関節部分が固まる事により側頭骨が骨折したり罹患側の茎状舌骨が肥厚したり相当機能的に動いていると思われますので逆に角舌骨を除去してしまう事により何かしらの障害は現れないのでしょうか?もちろん神経機能の回復が優先なのでしょうが。
舌骨はいくつかの骨からできていますが、その間の関節もかなりかわっています。普通の関節というより軟骨でくっついている印象です。
そもそも舌骨は何をしているのか・・・両側の角舌骨を取ってしまっても良いそうです。
神経学の本ではおなじみの先生のとこで、馬の症例のことが。
しかし、神経症学的に詳細な観察・記録をできていないので神経学上の評価は低いでしょう。たまには異種討論会も面白いでしょうね。