しばらく立てないで、即死かと思ったらしいが、立って歩けるようにはなった。
鼻血の痕もある。
歩きは心もとない。
そして・・・・頚がヘンに屈曲したままだ。単に腫れているのではない。
第四頚椎前関節突起骨折。
第四頚椎仙尾骨折。
第四・五頚椎関節脱臼。
第五頚椎椎弓骨折。
第五・六頚椎関節脱臼。
第五頚椎仙尾骨折。
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剖検時に頚椎の屈曲、変位を整復しようと試みたが、できなかった。
第四・五頚椎の椎弓、関節突起が圧迫骨折してしまっているからだろう。
いつか助けられる、助けるべき症例に遭ったときのために、準備はしておきたい。
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学生の頃、頚椎が折れたポニーの子馬をもらってきて、数日看護したことがあった。全身麻痺だったが、哺乳ビンからミルクは飲めた。講義の間に何度もミルクを飲ませている間は元気だったが、私が介護できなかった日に死んでしまった。
生かしておくことさえ可哀想だったのかもしれなかった。
今回の子馬から、何も知らず、知らないから先のことも考えなかった頃のことを思い出した。
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この言葉の意味すごく良く判ります。
この時代を通って今の自分があるのですね。
でも判らない時代も好きでした。
未だにそれが残っているような、、、残していたい様な、、、残してはいけないような、、、
判っていただいて嬉しいです。
周りに止めならながらでも、可能性を信じられたころに戻りたいような、戻ってはいけないような・・・・・戻れはしないのですが。
>いつか助けられる、助けるべき症例に遭ったときのために
若い獣医師は、がんばっているhig先生の背中を見て健全に育っていると思います。
きます。頑張ってくださいとは、いえません頑張りましたねと。
最後の夕日の写真、象徴的ですね。
私も、仕事がうまく進まないとき、「明日の来ない今日はない、no rain,no rainbow」と自分を納得させていたことを思い出しました。
たぶん、一生続くのだと思います。
私たちの年になるともう新たな大きな可能性はなくなりますね。あとはこのままもう少しだけこの道を行くのみです。
その道の途中で、頚椎の固定手術をする機会があるかどうかはわかりません。
コメントありがとうございます。
頚の折れたポニーが死んだことを、ポニーを私にくれた獣医さんに報告したら、
「飼っておくのがまちがえてる」と言われました。
私も、今ならそう言うかも知れません。
雨が降らなければ、虹もでない。ですか。良いですね。
no pain, no gain. より良いじゃないですか。
この子馬にどんな衝撃が加わったのでしょうか。馬はヒトの頚部と比べて、長い分だけ衝撃に弱いんでしょうか。キリンもそうですが、どうして馬の首は長くできているのでしょか。昔のまたその昔・・・馬も高いところの植物を食べなければならなかったのでしょうか。
そういえばNHKの「ためしてガッテン」で首の痛みと首のトゲについて”扱ってた番組で、キリンの頚椎の数も7つである・・・と言うことでした。もっと多くの頚椎を持った動物もあるということですが、あのなが~い首の動物がなぜ7つなんでしょう。ふしぎなこと、わからないことがいっぱいありますね。
以前、前回の頚損の話題のとき、当院に2名の患者が前後して搬入された話をいたしました。1名はC3/4の完全損傷でした。その男性はまだ、厳しい状態が続いています。もう一人の女性の患者さんは、中心性脊髄損傷で、現在は右上肢の知覚運動不全麻痺がありますが、歩行できるようになりました。今日の昼はバイキング方式の昼食でしたが、明るい良い表情で食事をされていました。
Hig先生のこの子馬もこの2人の患者さんも、(受傷機転、受傷の程度など)どこか運命に操やつられているかもしれません。
頚は肢に比例して長くなるもののようですね。速く走る肢の長い馬を残してきたのがサラブレッドで、その結果頚も長いのでしょう。
長い頚には支えるために強い力が加わっていることも、整形外科的に考える時にはポイントでしょう。人のような固定用のカラー(頚への装具)は馬では役に立ちそうにありません。
それでも、いつか腰フラの馬や、頚椎損傷の馬を治せる日が来るのではないかと考えています。