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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

狼歯は下顎にも?

2012-10-08 | 歯科・口腔外科

私自身は育成馬の狼歯抜きを頼まれることはない。

しかし、手術のために麻酔をした馬でチェックしていると結構な率で下顎にも狼歯を見つける。

ところが、

Pa083032 加藤嘉太郎先生の家畜比較解剖学図説に載っている馬の歯式では、第1前臼歯(狼歯)は上顎だけに出ることがあるように記載されている。

(左)

そして、もし下顎には狼歯が出ないのであれば、第1前臼歯は狼歯のことで、実際の大きさのある前臼歯は第2~4というのは上顎前臼歯だけの話になってしまいこれまたややこしい。

                         -

Pa083031 JRA総研編、「馬の医学書」でも上顎にはしばしば狼歯が生える。と書かれている。

そして、馬の歯式は加藤嘉太郎先生の家畜比較解剖学図説と同じ。

下顎には狼歯は出ることがないように示されている。

      -

                         -

                         -

Pa083030 一方こちらは、Equine Dentistry 馬歯科学の成書。

番号式の表示方法が表示されていて、

上顎、下顎ともに○05番の狼歯が描かれている。

      -

どなたか、狼歯について詳しく正確な情報をご存知でしょうか?

日本の、あるいは世界のサラブレッド、あるいはサラブレッド以外の馬で、上顎と下顎の狼歯の保有率を調査した文献はないものでしょうか?

                        ///////

オルフェーブル、残念だった。

しかし、世界最高峰であることは立派に証明された。

はるか遠くに高い峰があると伝え聞くのではなく、観にいけるところに世界最高があるというのは素晴らしいことだ。

おめでとうと、ありがとうを言いたい。

                         -

Pa083037 臭い。と言われていたので、

今朝は朝風呂に入りました。

毛色が変わって、驚きました。

ゴワゴワだったのが、サラサラになりました。

しばらく、Goldenと名乗って良いでしょうか・・・・?;笑

・・・・次回の入浴は・・・・・・雪が融けて、大地が乾く5月の予定です。


15 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
おっしゃられる通りだと思います。 (returny)
2012-10-15 21:28:32
おっしゃられる通りだと思います。
下顎の狼歯は珍しいとはいえ、抜かれた跡が残っている馬の数はもう少し多いです。
下顎の狼歯は上顎のものよりも口向きに影響するようですので、歯を診せるきっかけになりやすいのだと思います。抜かれずに、すり抜けている例を本州にいる私がみているのだと思います。

恥ずかしながら比率は把握できていませんので、今後、記録を残してみたいと思います。(抜かれた跡を追うのでどれくらい正確に調査できるかわかりませんが。)
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>returnyさん (hig)
2012-10-15 18:39:27
>returnyさん
 その8年間の5000頭はそれ以前に狼歯抜きをされている可能性はない馬でしょうか? 私の経験ではもっと多く下顎に狼歯があるように思います。

 オーストラリアの犬歯についての伝説は、迷信っぽいですね。この辺りでは昔よく言った左後一白の馬は走る。というのは言う人が居なくなりました。
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馬に臼歯が7本あったころの名残と言われています... (returny)
2012-10-15 13:50:33
馬に臼歯が7本あったころの名残と言われていますので、上にも下にも生えて不思議はないと思います。
国家試験にも馬の歯式は出ますが、牝馬で犬歯がある馬は特段珍しくもないので何が正解なのか疑問ですね。。。

ここ8年で5000頭以上のサラブレッドの歯を見ていますが、下顎の狼歯が生えていたのは5頭です。共通して言えるのは下顎に狼歯が生えている馬は、ハミをつけると頭を捻るしぐさを見せます。

オーストラリアでは犬歯の生えている牝馬の姉妹を見つけて繁殖につかうとか。犬歯が生えている牝馬は妊娠しづらいと思われており(そうは思いませんが)、その姉妹の仔馬に思わぬ走りをする馬が出ると言われているそうですが、真偽のほどはいかに。
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>ゆめさん  (hig)
2012-10-14 04:02:33
>ゆめさん 
 そうですよね。サラもまれにメスでも犬歯があるのもいますし、下顎に狼歯があるのもいます。
 そうか、狼歯が大きくて下顎にも出る馬を扱っている北米のホースマンが狼歯を抜くことに執着するのかもしれませんね。

 6本指の動物がいるんですね!?別に5本じゃなきゃいけない理由はないのでしょうけど・・・・
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こんばんは (ゆめ)
2012-10-13 22:46:28
こんばんは

確かに、クォーターや在来種は雌にも犬歯があったり、狼歯も大きいですね。下顎に出てくるのも多いのですし。
ハミ受けに影響があるかどうかはケースバイケースだと思います。

ピレネー犬等は狼爪が2本ある(だから6本指)なのが純血のステータスとされてますから、ブリーダーさんたちも切らずに残してます。
診察する立場としては、爪そのものも延びやすいし、切るのもいやがるし、引っ掛けて怪我もしやすいので、関節のしっかりしてない狼爪は切って欲しいのですが…。
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>kinakoさん (hig)
2012-10-11 03:51:07
>kinakoさん
 失礼しました;笑。狼歯は議論が多い所ですね。ハミ受けに影響すると言うライダーも居れば、あんなところにハミは当たらない。というライダーも居ます。
 抜くというよりへし折っていることが多いのではないかと思います。折れば尖って、そのうち伸びてくると・・・・・
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>yu-ko(QHライダー)さん (hig)
2012-10-10 18:26:06
>yu-ko(QHライダー)さん
 データありがとうございます。QHで半数に狼歯、そして下顎は1/10ですね。けっこう生えることがあるのだから、下顎の狼歯も歯式に入れておくべきだと思いますね。

 狼爪が2本となると、指が6本になりませんか??
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うちにいたクォーターホースのメス(Dun)も上下に... (yu-ko(QHライダー))
2012-10-10 10:01:39
うちにいたクォーターホースのメス(Dun)も上下に狼歯(ブライドルティースですよね?)がありました。
我が家の今まで見てきた10頭くらいの若馬で、半分くらいは狼歯があって抜歯してもらいました(下は1頭だけ)

原種に近いと割合高いとか、なにかそういう品種によるものもあるのかなと感じました。

犬でも種によって狼爪が出やすいとか、狼爪が2本ずつあるものもいますし(でも爪とはちょっと違いますね 苦笑)
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hig先生こんにちは。 (kinako)
2012-10-09 18:59:50
hig先生こんにちは。
 
 日本の在来種などはどうなのでしょう・・・あまりハミ受けが問題とならない品種は注意されてこなかったかもしれないとおもいます・・ドサンコの歯はよく見たことがない経緯より^^;
サラブレッドでも生えやすい血統などあるのかもしれませんね、しかし調査対象となる前に飼養者に抜かれるのかもしれないですね・・昔、狼歯をマイナスドライバーとハンマーで叩き取っている方がいましたから^^;でも根が深いと折れてしまうので、エレベーターで抜くほうがよいと思います^^;限られた少数の経験ですが、中半血は根が深かった(5ミリ出ていて根が2センチくらいなど)ような印象があります。北海道のサラブレッドはいかがでしょうか?
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>Reikoさん (hig)
2012-10-09 18:54:06
>Reikoさん
 情報ありがとうございます。いずれにしても日本の馬の教科書は書き換えられなければならないようです。
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先の記述は、学部でEquine Dentistry を受け持って... (Reiko)
2012-10-09 18:25:47
先の記述は、学部でEquine Dentistry を受け持っている Gary Wilson という先生の講義資料からの抜粋です。したがって、この先生の経験に基づいたものなのか、いずれかのtextbookからの転載なのか、定かでありません。
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>はとぽっけさん (hig)
2012-10-09 18:14:51
>はとぽっけさん
 遺伝もあるかもしれませんね。しかし、性差もあるでしょうから・・・

 キラキラ輝くような毛になりました。昨日だけ・・・・・
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>Reikoさん (hig)
2012-10-09 18:13:28
>Reikoさん
 犬歯は雌馬はほとんどなく、生える雌馬は非常に珍しいと思いますね。もっともサラブレッドのことしか知りません。
 下顎にも狼歯が出ることがある。とちゃんと書かれているわけですね。
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 歯列の遺伝につてもおそらく、調べられていると... (はとぽっけ)
2012-10-09 06:47:24
 歯列の遺伝につてもおそらく、調べられていると思われます。

  オラ君、before after 画像はシャンプーのCMに出られたかもね!
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オーストラリアのクィーンズランド大で獣医学を学... (Reiko)
2012-10-09 05:56:17
オーストラリアのクィーンズランド大で獣医学を学んでいます。馬のDentistryの授業で、永久歯の本数を以下のように教わりました。

Permanent 2 x (I 3/3, C 1/1, P 3[4]/3[4], M 3/3) = 40 [42/44]
Note: Erupted canine teeth often absent in mares; lower 1st premolar may be present in some horses

P1=1st premolar (Wolf tooth) は上も下もあったりなかったり、C=canine teethも雌馬ではないことが多い、ということでしょうか。
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