goo blog サービス終了のお知らせ 

馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

切歯骨骨折・歯肉損傷

2021-01-07 | その他外科

朝8時に観たときは大丈夫だったが、10時にはえらいことになっていた、という明け2歳馬。

立位で処置できないかな、と思っていたが、とんでもなかった。

上顎切歯骨から歯茎が切れて、鼻がめくれあがってしまっている。

その傷は鼻孔内へもつながっていて、鼻中隔も切れて骨から浮いている。

上顎切歯骨は正中で割れ、さらに左側で縦に割れている。

下顎の切歯は1本ずつバラバラに浮いている。

                -

全身麻酔して、

歯肉を縫合し、

プラスチック結束帯2本で上顎切歯骨を巻きつけた。

下顎の切歯は4本抜き取った。

乳歯で、もう切歯骨には固定されていない。

鼻の中は縫合できない。

くちかごを着けて、明朝まで絶食絶水。

明後日まで絶食してもらうよう指示した。

                -

何があったかわからない。

どこかへ切歯をひっかけたのかもしれないが、どんなひっかけ方をしたらこうなるのかわからない。

            //////////////////////////

きのうの朝も寒かった。

入院馬の様子を診にいってから相棒と散歩に出たが、こごえる。

相棒は元気いっぱい。

雪の上でゴロスリする。

顔に雪つけて。

おかしいだろ、-20℃だぞ?

 

 

 



13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はとぽっけ)
2021-01-07 07:45:58
 呼吸と永久歯への影響が心配。

 おかしいだろ言われた画像としてピッタリだぞ。
返信する
福岡に住む私は (とんすけ)
2021-01-07 10:41:58
生まれてこのかた-20度という寒さを経験したことがありません。

しかし北海道の馬のブログなど見てたら、そのくらいの気温でも馬着着せずに放牧されていたりするので、私の馬も過保護はいけないかなと、最低気温0度前後の時も250gの馬着しか着せてませんでした(前のクラブでは暖かい厩舎で、もっと分厚い馬着を着せてもらってたようです)。

そしたら副鼻腔炎になってしまいました…_| ̄|○
一昨日から抗生剤入りの点滴治療を1週間続けることに。
私のせいでボーっとあおばな垂らして、申し訳ない気持ちでいっぱいの現在です。
返信する
Unknown (脱サラの牛飼い)
2021-01-07 12:26:29
差し出がましいようですが、
馬着についての考え方は
以下のとおりかと思います。

馬はそれ程寒さに弱くないので、ペット的飼育であれば西日本の低標高地なら、馬着無しでも良いかも思います。
ただし、新生子馬、高齢馬、南半球から輸入された1年目の成馬は寒さ対応が十分できない場合があると思うので、別途防寒が必要なので、適宜馬着を着せる必要があると思います。
乗用馬は、汗をかく程の運動をさせるか否かで対応が変わります。
  汗をかかせない馬(あまりいないと思いますが。)は馬着無しでも良いと思いますが、見た目があまりよくない。
  汗をかかせるような運動をする馬は馬着を着せて、冬毛を伸ばさないようにして、運動終了後は速く乾かし、湿っていない馬着で保温すべきと思います。
   冬毛を伸ばしたままで汗をかくと、運動終了後乾かすのに非常に時間がかかり、カラダを冷やして体調不良の原因になる。
    乗馬クラブでは乾かすのにホットガンといわれる熱風ヒーターを使うところもありますが、冬毛の伸び方によっては、乾かすのに相当な時間がかかり、ホットガンを占有するので、他の馬がカラダを冷やしてしまう。
    ホットガンの設置するつなぎ場の効率を上げるためには、冬毛を伸ばさない。ホットガンのないところでは尚更かと思います。
   私の行っていた乗馬クラブでは年に数回真冬日があるところだったのですが、冬毛を伸ばさない主義でした。
    なので、極寒期には馬着2枚が多かったです(オーナーは馬着を薄手、普通、厚手の3枚持っている。たしか、10月後半頃から薄馬着を着せ始めていました。)。競技馬の中には3枚(たぶんオーストラリアから輸入されて1年目の馬)の馬もいました。
    それでも、冬毛が伸びてくる馬がいたので、この馬がたちは真冬にバリカンで毛刈りをして、運動終了後すぐに乾かし、馬着を着せてカラダを冷やさないようにしていました。
    ただし、これができるのは、朝、夕、昼間に気温を判断して、馬着を脱着できるところです。
    それができないところはダメです。そんなところは少し薄着で、冬毛も少し伸ばすのが無難だと思います。

 オーストラリア輸入1年目の馬は日本の夏冬は厳しすぎるようで、時として非常に大きく体調を崩すことがあります。馬着は必須、夏は???。
返信する
>はとぽっけさん (hig)
2021-01-07 17:51:55
X線撮影もしたのですが、埋没している永久歯は影響を受けていないようでした。

寒さの感覚は、ヒトとは全くちがうと思いますね。
返信する
>とんすけさん (hig)
2021-01-07 17:54:31
副鼻腔炎が馬着のせいだとは思いませんが・・・

福岡の冬は、こちらの秋・春ていどなんでしょうね。
返信する
>脱サラの牛飼いさん (hig)
2021-01-07 17:56:45
オーストラリアからもそうですが、冬に北海道へ本州方面から来る馬も可哀想です。
エサもそうですが、寒さ、暑さも、それ自体よりも変化に弱いのが動物だと思います。
返信する
Unknown (zebra)
2021-01-08 07:06:49
歯槽周りは常法に従いというところなのでしょうけれども、鼻腔までめくれた上唇はこれ以上手がないでしょうから再度開放貫通されると面倒くさそうですね。

犬は年取ってくると毛替わり遅くなってきますよね。
そんな事ありませんか。ちょっとスマートに見受けたもので。
返信する
>zebraさん (hig)
2021-01-09 04:16:13
うまく治ってもらいたいです。下唇が骨から剥がれて悲惨なことになった馬は何頭も診ましたが、上は見たことがありません。重力の差かもしれません。
ただ、鼻孔内も肉芽ができたりすると呼吸を妨げるかもしれません。鼻中隔の治り方も気になります。

ワンコ長毛種も高齢になるとカーリーヘアになりますよね。薄毛にもなると思います。
以前は真冬も外で過ごさせていました。モフモフでしたが、最近は玄関フードで毛布を敷いて寝ています。冬毛が少ないのはそのせいもあるかも。
返信する
Unknown (zebra)
2021-01-10 06:56:34
カケス口が顎を引っ掛ける事は少ないという事ではないでしょうか。
肉芽までいかなくても瘢痕収縮したりしても鼻腔狭窄したりする可能性はありますよね。
コラーゲンを退縮させてこういう問題を解決する方法はないものでしょうか。
肉芽だけでなくいぼ痔を退縮させるのにミョウバンが使うみたいですがそういう効能有るんですかね。
美容整形なんかも入れるだけでシュッとしてた女優さんもいつの間にかパンパンとなりがちなので、方法があればこちらで進む分野なのでしょうけれど。

寒冷に対応する力が落ちているなら外に出すだけ可哀想な齢なのでしょうね。
日照に反応するならライティングでどうにかしてやれそうですがそんな知見ないものでしょうか。
返信する
>zebraさん (hig)
2021-01-11 05:45:08
この馬はさほどのカケスではなかったと思います。下の切歯を失いましたが、今年中央の永久歯が生えてきますので、咬合への影響もないでしょう。

鼻の傷の治りは気になります。

なるほどワンコにもライトコントロールですか。暗い時間を増やすと毛が伸びる??
馬では被毛への影響は言ってたかどうか・・
返信する

コメントを投稿