神主


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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資材のトラブルがあり、輸入している商社の担当のAさんがみえられた。
もう20年からのお付き合いの方である。
と言っても、数年に一度会う程度なので、それほど親しい間柄ではないのだが・・・

で、トラブルについての話は終わり、世間話になった。
どうも話を聞いていると、Aさんは僕の家の比較的近所に住んいるようだ。
区長さんの話をしたら、最近何かで表彰されて、会ったばかりだという。

Aさんのご自宅がどこか聞くと、
「ウチは神社なんですよ」
と言う。
「え、神社に住んでいるんですか」
「はい、神主ですから」

それから聞く話は、興味深い事ばかりであった。
僕の家と同じ区内の神社なのだが、グーグルマップで見たら、大きな木の生えた立派な神社である。
しかしこのくらいの規模の神社の運営は大変なようで、寄付もほとんど集まらないという。
上手くブームに乗って、何かでブレイクでもしない限り、なかなかやっていけないようだ。
Aさんによれば、神社では食べていけないので、商社で働いているのだそうだ。

何しろ江戸時代の古い建物なので、耐震性は無いに等しい。
神社仏閣は保険にも入れないのだという。
しかし本殿に何か貴重な彫刻があるそうで、文化財にも指定されている。
そのため耐震の補強工事のために銀行で借り入れをして、夫婦共働きでそれを返済しているのが実情なのだそうだ。

他にもいろいろ面白い話を教えていただいた。
日本の某有名な神社で神主の修行をしたが、あまりに厳しい苦行の日々で、以来そこには近寄らないようにしているのだとか・・・
戦時中B29の焼夷弾で辺りは焼け野原になったが、火災から守るため燃えにくい銀杏の木で囲んであったため本殿は残ったとか・・・
年末年始の初詣の時期の収入が、全売上げの8割を占めており、最近は子供が少ないこともあり、七五三も数組しか来なかったようだ。
僕も神社仏閣が好きで、あちこち回っているが、何しろAさんはプロである(笑)
各地の神社の事を話すとすべてご存じで、話が通じてすごく面白かった。

最後にAさんに聞いてみた。
やはり神主さんをやる以上、霊感のようなものをお持ちなのですか・・と。
しかしAさんは
「いえ、私には霊感はまったくありません」
と即座に答えられたので、少しガッカリしてしまった(笑)
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