相続


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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父親の個人的な口座が残っていたらしく、どうしたものかと母親から定期預金の通帳を渡された。
先日会社の古い口座を解約しに銀行に行った時と同じパターンだ。(2019年3月13日の日記
見るとやはりかなり古い通帳で、最後に記帳した時の残金は1万円になっている。

こういう処理に困るものが、探すと次々に出てくる。
当人が生きている時に、一度解約しに銀行に行ったようなのだが、なぜか通帳がそのまま残っている。
あるいは通帳があるだけで、すでに存在しない口座なのかもしれない。
そのまま放置するのもどうかと思い、銀行に行って確かめることにした。

ところがこれがまた厄介なこととなった。
当人は十数年前に亡くなりこの世にいないことを告げると、まずは口座を凍結することになった。
「次に相続の手続きに入ります」
と言う。
そんな大袈裟な話ではなかったのだが・・・

パソコンで何やら調べていた窓口の女性が
「もうひとつ普通預金も残っていますね。こちらも凍結しましょう」
と、こちらからは見えない画面に目をやりながら無表情に言う。

「えっ、そこにはいくらお金が入っているのですか?」
と聞いたが
「相続の係りのものから、もしかすると金額のお話があるかもしれません」
と言って教えてくれない。
話してはいけないようだ。

その後、相続専門の部署に連れて行かれたが、そこは誰もいない小部屋であった。
僕一人がその部屋に入りドアの鍵を閉める。
部屋にはテーブルと椅子、それに画面と受話器があるだけだ。
何だか薄気味悪い。
椅子にひとりで座り、15分ほど待たされた。

係りの女性が画面に出て、受話器を取るよう促された。
「相続のお話ですね」
「あのう・・相続とか大袈裟な話ではなくて、単に古い通帳が出てきたので持って来ただけなのですが・・・」
「いずれにしましても相続の手続きをしなければなりません」

その後、父親に対していくつか質問された。
亡くなった日付など分からないこともあり、家に連絡して聞いていいか尋ねると、その場で電話するよう言われた。
母親からは、そんな面倒なことになるならいらないと言われたが、今更やめるわけにもいかない。

結局相続手続きのために父親の除籍記録のある謄本、自分の謄本、印鑑証明など取るよう言われた。
それはいいが、口座に一体いくら残っているのか。
「定期には記載通り1万円です。普通預金には・・・まあ利息程度ですね」

たったそれだけ・・・
そのために書類を揃えにあちこちに行ったら、それだけで赤字ではないか。
そう言ったがモニタの向こうの女性は表情一つ変えない。
「では書類を揃えてお近くの支店で手続きをしてください」
と言うとモニタは切れた。

手続きが面倒で父親も口座の解約を諦めたのかもしらない。
それにしても、そのまま放置すればお金は国のものになるのだろうし、相続の手続きをすると元が取れない。
さて、どうしたものだろうか・・・
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