再会


SIGMA DP2Merrill

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ドイツの展示会場で、古くからの知人何人かと再会できた。
ひとりはドイツ国内の同業者で、20年ほど前に僕の方が先方の工場を訪問したことがある。
その時にえらく歓迎してくれたのを覚えている。

BMWのオープンカーで颯爽と出迎えてくれ、旧東ドイツとの国境付近を案内してくれた。
まだベルリンの壁崩壊から数年しか経っておらず、鉄条網や監視塔が残っていた。
先方の会社はそこからそう離れていない西側にあったが、周りの家々は高級でセンスがよく、極めて豊かな生活をしているのがわかった。
東側との落差に随分と驚かされた。

僕を覚えているか聞いたら、もちろんと答え、即座に「1993年だったね」と答えた。
僕が訪問した年を正確に記憶しているのだ。
3シリーズのオープンはどうしたか聞いたら、事故を起こして危なく死ぬところだったので、もうオープンはやめたという。
今は日本の車に乗っているよ・・・彼はそう言った。
あの頃のような、華やかな状況ではないのかもしれない。

もうひとりはドイツの機械メーカーの社長だ。
何度ブースを訪れても、お客相手に熱心に説明している最中で、接触することが出来なかった。
目を爛々と輝かせながら、怖いくらいの険しい顔つきで話す人で、その最中にはちょっと近寄り難い。

彼は自社の製品のことを細部まで知り尽くしている。
自ら作業衣姿になり、たったひとりで大型の機械を搬入し、内部に入り込んで配線をすべて完了させ、機械を組み上げてしまう。
さらにはパソコンを接続し、プログラムを書き換えて細かいチューニングまで行う。
ヨーロッパでも経営者にはそのくらいのバイタリティが必要だということを教わった。

6回目にブースを訪れた時に、やっと話す機会を得た。
やあ君か、と怖い顔が笑顔になった。
しかしすぐに真剣な顔になり、「君のところにはウチのこの機械が必要だ。これを導入すると無駄が大幅に省けるぞ」と、いつもの勢いで説明を始めた。

数年前に彼の会社の機械を導入した時、彼自らが数日間来日して機械を設置した。
その時にウチの工場の中をしっかりチェックして、弱点を把握しているのだ(笑)
彼は相当の飲んだくれで、毎晩泥酔して遅くまで飲み歩いた。
あきれたお店の人から、もう閉店だから帰ってくれと言われたのを思い出した。
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