変な人


SIGMA DP1Merrill

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DlifeというBSのチャンネルをよく見ている。
米国のドラマばかりを垂れ流し的に放映するチャンネルで、日本の番組に面白いものが少ないこともあり、帰宅するとテレビはほとんどDlifeに合わせてしまう。
ドラマの設定は昔と変わらず、警察、FBI、弁護士、捜査官、スパイ・・といったところ。
曜日ごとにテーマを決めて、それに沿った内容のドラマを流しているようで、同じ番組の字幕版と吹き替え版を別々の時間帯に放映したりもする。

これを見ていると、何となく米国の現在の状況がわかって面白い。
前にも書いたが、ストーリーに暗いものが多いのがまず目に付く。
明るい未来を感じさせるものが少なく、暗い現実を前に、それでも生きていくしかない・・という内容が多いのだ。
これは番組作りのリアリティが増している、ということかもしれない。

演出上で変化が大きいのは、以前より規制が緩和されたのか、グロテスクな映像が平気で流されることだろう。
死体や流血、嘔吐などのシーンがやたら出てくる。
それも痛んでボロボロになった死体を、好んで出すような傾向が感じられる。
食事の時などは気をつけたほうがいいほどだ。
スプラッター系の映像を好む人が多いのだろうが、その衝撃をドラマ演出の味付けに使っている。
インターネットの影響で、こういう映像に慣れっこになっていることもあるだろうが、注意しないと、子供などはトラウマになる場合もあるだろう。

俳優陣の顔つきも、かつてのドラマとは少々異なる。
目も覚めるような美男美女や、光り輝くスターは少なく、ちょっと癖のある顔をした俳優さんを、恐らく意図的に選んで使っている。
脇役もパッとしない、どこにでもいそうな人が固めている。
そこは映画とはちょっと雰囲気が違うところだ。

非常に面白いのは、多くの番組でレギュラーメンバーの中に「オタク」系の人が混ざることだろう。
人より秀でた特殊な技能を持っており、その能力を発揮して問題の解決に大きな役割を果たす。
しかしひとりだけ言葉遣いが悪かったり、何かと奇声を張り上げたりという、メンバー内で浮いた行動をとる。
どちらかというと「空気を読めないヤツ」である。

最初に気付いたのはMrs.COLKIDで、どのドラマにも必ず「変な人」がひとり混じる・・とつぶやいた(笑)
以前に比べれば、そういう個性が認められ、市民権を得ているように見える。
多分実社会に相当数いるのだろう(笑)
彼らはドラマ内でかなり重要な地位にあり、周りもその能力を高く買っている。

ところがやはりリーダーの役を演じるのは難しいようで、ドラマの主人公は、多くの場合もっと「大人」のキャラクターを持つ人である。
一見冷酷で無表情でありながら、実は人情家・・というタイプが多い。
やはり視聴者を魅了するのは、そういう人なのだろう。
その主人公が、オタク系のメンバーをちゃんと認めており、能力を最大限に発揮出来るよう気を遣っているのが、また面白いのだ。
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