まずは訂正を。共産党の独善的体質を嫌う俺は、往々にして悪く書く。<来夏の参院選は単独で闘う>という情報を鵜呑みに何度か記したが、共産党は民主党に選挙協力を呼びかけた。紆余曲折はあるだろうが、独善に陥らぬよう自身を戒めたい。
シルバーウイークは京都に帰省し、従兄宅(寺)に泊まって母が暮らすケアハウスに通った。朝晩は冷えるが、昼間は少し歩けば汗ばむ陽気で、爽やかな初秋の京都を満喫する。この間の最大の話題はラグビーW杯で、ワイドショーでも南ア戦勝利が繰り返し報じられていた。もうすぐ始まるスコットランド戦を楽しむことにする。
NFLに浮気してから20年、ラクビーと縁が切れていた。驚いたのは交代枠が8人に増えていたこと。戦術、展開、当日のマッチアップ状況を見据え、フレッシュな選手を投入して流れを変えられる。地味なラグビーがNFLばりのエンターテインメントになっていた。東京にいたら結果を知った上での観戦になったはずだが、帰省中はネットから遮断されている。テロップで結果は予測出来たが、最後までワクワク感を保てた。
俺も他のネットサーファー同様、タコ壺の住人で、自分と意見が近いブログやフェイスブック等をチェックして安堵を覚えている。<安保法案=戦争法案>で強行採決を暴挙と見做しているが、立ち位置が異なる人との対話は難しい。例えば母……。安倍首相は嫌いだが、それ以上に民主党と共産党に忌避感を抱いている。言葉は強固な壁に跳ね返されてしまうのだ。
従兄宅でも戦争法案に関する会話が多かった。自民党の元参院議員で、現在はフィリピンの貧困救済と環境保護をライフワークにしている従兄は、自民党から一人の造反も出なかったことが残念だったようだ。来夏の参院選はあくまでステップで、自公の勝利は動かないとみている。実際、各社の世論調査で、受け皿になるべき民主党の支持率は横バイもしくは微減だ。
従兄の次男(30歳)は副住職を務めながらサーフィンを楽しむノンポリ青年だが、直感は鋭い。「参院選でシールズは三宅洋平を応援するでしょう。匂いが似てるもん」と話していた。19日未明、シールズはひとり牛歩を敢行した山本太郎議員に声援を送り、採決後に正門前に登場した福山哲郎参院議員(民主党)には冷ややかだった。山本議員は三宅と同志だ。シールズを含めた連携が成立すれば、数年後の地殻変動が現実味を帯びてくる。
母と俺の絆はこの2年、ぐっと深まった。ケアハウスでは食事その他、家事の負担は殆どない。そもそも母は非社交的な質で、耳は遠くなる一方だ。ならば読書と、施設の本棚から次々に借りていたが、琴線に触れる作品は少なかった。そこで俺が帰省に合わせ、数冊ずつ送ることにした。
俺は芥川賞タイプ、母は直木賞タイプと趣向は異なる。自分が読んでいない本をピックアップするのは骨が折れるが、これまでとりわけ好評だったのは大崎善生著「聖の青春」、沢木耕太郎着「テロルの決算」、三浦しをん著「風が強く吹いている」だった。佐野眞一と横山秀夫もおしなべて受けがいい。本を縁に米寿の母とドラ息子の距離が縮まるとは思いもしなかった。
敬老の日(21日)、80歳以上の人口が1000万を超えたと報じていた。メディアを賑わせている「下流老人」もアラカンの俺にとって他人事ではない。正規雇用ではない俺など、いつ雇い止めを言い渡されても不思議はないからだ。
CIAの日本ウオッチャーは<少子高齢化が進む日本では軍事大国化は不可能>と語っていたが、<軍隊=日本人、労働力=外国人>が政権の方針か。熊谷の事件で容疑者とされているペルー人は伊勢崎市在住だが、同市では人口の20%が南米からの移民だ。門戸開放は既に国策になっている。多様性を認めアイデンティティーを重視することが、現在の日本人に求められている。
シルバーウイークは京都に帰省し、従兄宅(寺)に泊まって母が暮らすケアハウスに通った。朝晩は冷えるが、昼間は少し歩けば汗ばむ陽気で、爽やかな初秋の京都を満喫する。この間の最大の話題はラグビーW杯で、ワイドショーでも南ア戦勝利が繰り返し報じられていた。もうすぐ始まるスコットランド戦を楽しむことにする。
NFLに浮気してから20年、ラクビーと縁が切れていた。驚いたのは交代枠が8人に増えていたこと。戦術、展開、当日のマッチアップ状況を見据え、フレッシュな選手を投入して流れを変えられる。地味なラグビーがNFLばりのエンターテインメントになっていた。東京にいたら結果を知った上での観戦になったはずだが、帰省中はネットから遮断されている。テロップで結果は予測出来たが、最後までワクワク感を保てた。
俺も他のネットサーファー同様、タコ壺の住人で、自分と意見が近いブログやフェイスブック等をチェックして安堵を覚えている。<安保法案=戦争法案>で強行採決を暴挙と見做しているが、立ち位置が異なる人との対話は難しい。例えば母……。安倍首相は嫌いだが、それ以上に民主党と共産党に忌避感を抱いている。言葉は強固な壁に跳ね返されてしまうのだ。
従兄宅でも戦争法案に関する会話が多かった。自民党の元参院議員で、現在はフィリピンの貧困救済と環境保護をライフワークにしている従兄は、自民党から一人の造反も出なかったことが残念だったようだ。来夏の参院選はあくまでステップで、自公の勝利は動かないとみている。実際、各社の世論調査で、受け皿になるべき民主党の支持率は横バイもしくは微減だ。
従兄の次男(30歳)は副住職を務めながらサーフィンを楽しむノンポリ青年だが、直感は鋭い。「参院選でシールズは三宅洋平を応援するでしょう。匂いが似てるもん」と話していた。19日未明、シールズはひとり牛歩を敢行した山本太郎議員に声援を送り、採決後に正門前に登場した福山哲郎参院議員(民主党)には冷ややかだった。山本議員は三宅と同志だ。シールズを含めた連携が成立すれば、数年後の地殻変動が現実味を帯びてくる。
母と俺の絆はこの2年、ぐっと深まった。ケアハウスでは食事その他、家事の負担は殆どない。そもそも母は非社交的な質で、耳は遠くなる一方だ。ならば読書と、施設の本棚から次々に借りていたが、琴線に触れる作品は少なかった。そこで俺が帰省に合わせ、数冊ずつ送ることにした。
俺は芥川賞タイプ、母は直木賞タイプと趣向は異なる。自分が読んでいない本をピックアップするのは骨が折れるが、これまでとりわけ好評だったのは大崎善生著「聖の青春」、沢木耕太郎着「テロルの決算」、三浦しをん著「風が強く吹いている」だった。佐野眞一と横山秀夫もおしなべて受けがいい。本を縁に米寿の母とドラ息子の距離が縮まるとは思いもしなかった。
敬老の日(21日)、80歳以上の人口が1000万を超えたと報じていた。メディアを賑わせている「下流老人」もアラカンの俺にとって他人事ではない。正規雇用ではない俺など、いつ雇い止めを言い渡されても不思議はないからだ。
CIAの日本ウオッチャーは<少子高齢化が進む日本では軍事大国化は不可能>と語っていたが、<軍隊=日本人、労働力=外国人>が政権の方針か。熊谷の事件で容疑者とされているペルー人は伊勢崎市在住だが、同市では人口の20%が南米からの移民だ。門戸開放は既に国策になっている。多様性を認めアイデンティティーを重視することが、現在の日本人に求められている。